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Headphone ヘッドホン

Umbrella Company HP-ADAPTER / BTL-ADAPTER テクニカルガイド
Vol.06 「ヘッドホンBTL駆動のアドバンテージ」

 

テクニカルガイド
Vol.06 「ヘッドホン BTL駆動のアドバンテージ」

Umbrella Company HP-ADAPTER / BTL-ADAPTER

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★BTL駆動について

BTL(Bridge Tied Load)駆動の動作原理はスピーカーのBTL駆動そのものです。スピーカーでBTL駆動を採用する目的は出力パワーを稼ぐ事ですが、ヘッドホンアンプでのBTL駆動を採用する理由は異なります。L Hot/L Cold、R Hot/R ColdとL/Rを完全に独立した状態で駆動する事、そこから生まれるこの大きなメリット【L/Rの共通インピーダンスの排除】 と 【グラウンド電位の安定状態を保つ】によってヘッドホンのサウンドは大幅に向上するのです。他にも、スルーレート(波形の変化のスピード)の向上、逆起電力の影響を抑制、電源電圧変動除去能力の向上などBTL駆動の利点は多くあり、その全てがサウンドの向上に貢献します。中でも特に「演奏用のモニターヘッドホンアンプ」にとって【L/Rの共通インピーダンスの排除】 と 【グラウンド電位の安定化】 は大いなる利点となります。

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★L/Rの共通インピーダンスの排除

通常のヘッドホンは三極のフォンプラグとジャックでコネクションを行います。割り当てられる信号はL信号とR信号、そして共通のグラウンドです。この共通となったグラウンドはLチャンネルとRチャンネルの共通インピーダンスであり、クロストーク性能を悪化させる原因となっています。フォンプラグ&ジャックでのコネクションを使用する限りこの問題は決して解決できません。 B点は回路図上ではグラウンド電位ですが、実際にはケーブルは数オームの抵抗値を持つためB点にLchの信号電圧が発生する。これをRchのドライバーユニットから見ると位相が反転した信号がRchには加わる。つまり逆相でクロストークする状態になります。

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以前に弊社コンテンツでも紹介いたしましたシングルエンドヘッドホンの4芯セパレート配線改造では、共通インピーダンスを大幅に排除する事ができ、性能も大幅に改善できます。しかしフォンプラグ&ジャックのコネクションであるためその部分に共通インピーダンスは残ってしまいます。

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BTL駆動では+(HOT)と-(COLD)のアンプでプッシュ/プル駆動をします。LとRの経路が完全に独立していますので、信号が漏れる経路がありません。これにより従来のフォンプラグ&ジャックで行うコネクションの最大の欠点から解放されます。このコネクション方式は、クロストークの要因である共通インピーダンスが信号経路に存在せず、クロストーク性能・チャンネルセパレーションを桁違いに向上させています。

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BTL駆動ではヘッドホンとのコネクションに4pin XLRコネクターを使用し、L/Rの信号をドライバーユニットまで完全に独立した状態で駆動する事ができます。(※ヘッドホンをモディファイする必要があります。参考リンク⇒MDR-CD900STの改造例

 
★グラウンド電位の安定化

グラウンドは、電子回路上で動作の基準となる電位であり、理想のグラウンドは全ての周波数帯域でインピーダンスが0Ω、つまりいかなる場合でも電位の変動はない状態となります。しかし現実にはインピーダンスが0Ωのグラウンドは作る事ができません。一点グラウンドやベタグラウンドは、グラウンド電位の変動の干渉を抑えるため、グラウンドのインピーダンスを下げる手法でありグラウンド電位の安定のために効果的ですが、BTL駆動ではそもそものグラウンド電位の変動を軽減できるためグラウンド電位を安定状態に保つ有効な方式です。 シングルエンド駆動では、グラウンドは基準電位としての役割のほかに、駆動電流を流し込むリターン経路としての役割を兼ねています。実際の基板上のグラウンドのインピーダンスは理想である0Ωではありませんので電流が流れれば電圧が発生し、それがグラウンド電位を変動させる原因となり、基準電位としての役割を保てなくなります。電流が大きいほどグラウンド電位を大きく変動させます、ヘッドホンを駆動する電流は比較的大きいため影響も大きくなります。

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BTL駆動ではHot側のアンプが吐き出した電流は全てCold側のアンプが吸い込みますのでグラウンドに負荷を駆動する大きな電流が流れません。音声信号の基準となるグラウンド電位をクリーンに安定した状態を保ち、入力信号波形に忠実なヘッドホンドライブを実現し、高解像度で正確なダイナミクスを再現します。

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★実際のサウンドへの効果

共通インピーダンスの排除により拡張された空間表現の高さは、シングルエンド標準駆動の場合と比較すると明確な違いが現れます。一枚のスクリーンをイメージしてみて下さい。そのスクリーンに鳴っている楽器の写真を、サウンドイメージの2種類の軸、周波数特性に依存する上下方向のイメージ軸と、定位に依存する横方向のイメージ軸に当てはめてプロジェクターで映してみます。スクリーンがヨレていたり曲がったりしてすると基準となる軸も変形し、そこに映した楽器は、位置がずれたり形がゆがんでしまいます。スクリーンがきれいな平面であれば楽器の絵は元の通りの位置と形に正しく映し出します。後者がBTL駆動のサウンドイメージ、さらにスクリーン自体もBTL駆動では上下も左右もより大きく広くなる事を付け加えておきます。 例えば、サイドに定位させたアコースティックギターはシングルエンド(標準フォンプラグ)では中高域はしっかりサイドに定位しますが、低域はぼやけて若干センターに寄って聞こえます。これは周波数帯域毎にクロストークの量や発生原理に違いがあるために定位が周波数特性を持っている状態で音像の位置や形は乱れます。BTL駆動ではクロストークはどの周波数帯域においても劇的に改善されています、定位も周波数特性を持ちません。上下方向の軸も横方向の軸もゆがみがなく、楽器の音を正しい位置に正しい姿で描き出します。例に挙げたアコースティックギターであれば、弦の音・ネックの音・ボディーの音に位置のずれがなく、アコースティックギターの像を結ぶのが分かります。オートパンで揺らしている電子楽器音は低域から高域まで揺れ幅がそろい、移動する音像の中心がはっきりと見えてきます。BTL駆動では、他のパートのプレイが正しい姿で再生され、「シングルエンドでは気が付かなかったけど、このギターこんな弾き方してるんだ!」という新しい発見や刺激があるはずです、「それなら、音色を変え、こんな感じのアプローチで演奏しよう!」と自身の演奏内容や表現方法、音作りの方向性などが見えてくるようになります。レコーディングにおいては、ヘッドホンモニタリング機材が「最高の演奏を引き出すための重要なツール」である事をもっと意識するべきです。

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グラウンド電位の安定状態を保つ事が、どれだけ忠実な再現性を持つのか。楽器がどこで鳴っているかを正確に把握できるようになる事が共通インピーダンスの排除による効果だとすれば、グラウンド電位の安定状態を保つ事は楽器がどう鳴っているかを正確に伝える事です。ここでのキーワードは「二つの意味で優れる解像度」。一つはより微細な音まで表現する事ができるかという静的な分解能。もう一つは時間軸に対しての動的な分解能。デジタルオーディオのサンプリングビットとサンプリング周波数の関係と言いたい事は似ています。静的な分解能は残留ノイズ対信号の関係であるS/N比やダイナミックレンジ、異なる周波数を同時に鳴らした時に干渉されずに再生できるのかを表す相互変調歪。動的な分解能は例えば信号がない状態から信号が出力される時、または信号がなくなる時のような瞬間的な動作の移り変わりの部分でどのような性能を持っているか、瞬発力やスピード感、基音・倍音の発音のタイミング。基準電位であるグラウンドの安定状態を保つ事ができるBTL駆動ではこれらの性能を向上させ、個々の楽器の発音タイミングつまりリズムやグルーブを正確に感じ取る事を可能にしました。例えば、ベースとドラムをモニターしながらギターを重ねていく場合、従来のシングルエンドではあいまいになりがちなベースとキックの関係も、BTL駆動ではベースのアタックとキックのアタックが明確になり、「ジャストなキックに対してベースは前ノリでプレイしている」などのフィールが精密に聴きとれるため、よりグルーブや音程に関して敏感になれます。結果、プレーヤーの演奏へのアプローチも明確になるのです。

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他のパートのクリアさはもちろん、自分の音の明確さにも驚きがあるでしょう。ライブステージで返しの音が悪くて演奏しづらかったという経験があると思います。モニターのミックスバランスももちろん重要ですが、その音質もとても重要で、演奏のし易さを大きく左右します。この事はレコーディングモニターにも当てはまり、楽曲のクオリティー・芸術性をも支配するとも言えるでしょう。BTL駆動でのモニターは他の音に埋もれることなくくっきりとした輪郭、ピッチやリズム、演奏のニュアンスや音色も細部まで明確に確認できます。ダビングする際にも過度に自分の音量を上げなくてもストレスなくモニターでき、最終的なミックスバランスを見据えてモニターし演奏する事が可能です。 またその事はサウンドメイキングの面でもたいへん有効です。モニターヘッドホンで聴いている音は通常マイクを通したレコーディングされるべきサウンドです。他のパートが入った状態でアンプやエフェクターの設定なども追い込む事で仕上がりに違いが現れます。レコーディング・エンジニアの仕事ですが、宅録環境で自分がそれを兼ねて作業する場合はとても大きなメリットとなると思います。他のパートからインスパイアされた自分の演奏もグルーブやニュアンス、息づかい、そして音色を忠実に聴き取る事ができ、それはまるで“音の鏡”のように機能します。自身の演奏を厳しくチェックし音楽性の高いベストテイクを引き出します。また、それを各パートで感じとり、プレイすれば楽曲全体の芸術性や完成度をより一層高めていく事ができるはずです。

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