Chandler Limited TG Microphone サウンドレビュー
レコーディングエンジニア 秋葉 知伸 (あきば とものぶ)
EMI Music Japan Studio TERRA で約 10 年間、多くのセッションに関わる。
キャリアスタート時のレコーディングは 3348 やアナログ 24ch 等のテープが主流であり、DAW が主流になった現在とは異なる良い緊張感のある現場を数多く経験。
現在でも良きスタンダードな現場での経験を活かし、信頼関係から深く繋がるミュージシャンも多い。
最近での主な仕事
学芸大青春・ザコインロッカーズ・大塚愛・藤田恵名・大原櫻子・ProjectA.I.D・VELVET SIGHS など
★Chandler Limited TG Microphone を使用してみて。
「ボーカル収録では普段はチューブ系のものを使用する事が多いのですが、TG Microphoneを使用してみると、MIXも含めが大変やりやすかった印象です。
普段から同社のTG2を愛用しているのですが、TG MicrophoneのデュアルトーンシステムのSystem Aを選択した際は、その時の印象と似たものを感じられチャンドラー製品らしいキャラクターが出てきます。」
【ボーカル録音】
(System:A / Tape Equalizer:FLAT)
「最初、現行NEVEのHAを使用しコンプレッサーにはUBK FATSOを使用してみましたが、少々キャラクターが濃い印象があり、HAをSunset Sound S1Pへ変更しました。
するとバンドサウンドの中での歌の存在感があり、音楽的な倍音感が得られる素晴らしいものでした。
また、別のタイミングでSystem A IEC/NAB 15ipsでHAを1272、コンプレッサーを1176での収録も行いましたが、こちらの音も大変印象がよかった事と、録音後に歌いやすかったと話しておりました。」
【アコースティックギター録音】
(System:A / Tape Equalizer:IEC/NAB7.5ips / Low Cut:90Hz)
「低域、高域共に強調されたセッティングとなりますが嫌味なく現代的な音で演奏内容も判断しやすく短時間で素晴らしいテイクを録音することが出来ました。
2本のマイクを並べ、スタジオ常設の1073を使用し同じ条件で使用しましたが、結果的にTG Microphoneのみを使用しEQ等を一切使用せずMIXを終えることが出来ました。」
【ドラムの録音】
(オーバーヘッドで使用)
(System:B / Tape Equalizer:NAB/IEC7.5ips)
「System Bを使用することによりクリーンで色付けが少なくなった為、HAはTG2、コンプレッサーはGermanium Compressorを使用しました。
また、NAB/IEC7.5ipsを使用することで中低域の存在感が増し、オンマイクのものを軸にバランスをとった音と混ぜることで空気感と肉厚な部分が足され大変気に入りました。」
「今後私のスタンダードなセッティングになりそうです。」