Umbrella Company | Active Mic Cable サウンドレビュー レコーディングエンジニア 相澤光紀様
04/07

Umbrella Company | Active Mic Cable
サウンドレビュー
レコーディングエンジニア 相澤光紀様
相澤光紀
SIGN SOUND所属、バンド、アーティスト、劇伴など幅広いジャンルを手掛ける。
https://signsound.net/engineer/mitsunori-aizawa主に関わった作品
澤野弘之、SawanoHiroyuki[nZk]、林ゆうき、橘麻美、横山克、大間々昂、やまだ豊、
KOHTA YAMAMOTO、西川貴教、小畑貴裕、神崎暁、広川恵一、西木康智、
Survive Said The Prophet、江口拓也、なにわ男子、Aimer、ASCA、深澤秀行、水樹奈々、
Do As Infinity、増田俊樹、etc
ダイナミックマイクで収録する殆どのケースでActive Mic Cableを使われるという、ヘビーユーザーの相澤光紀様に、収録楽器と実際のマイクとの組み合わせやサウンドの印象を伺いました。
Active Mic Cableで理想のサウンドに。
「普段は劇伴やバンド、アーティストなど幅広くレコーディングさせて頂いてます。
もちろんジャンルにもよりますが、洋楽で聴くワイドレンジでモダンなサウンドで録音したいといつも考えています。
ダイナミックマイクにActive Mic Cableを使うようになってからは、イメージしていたように収録ができ、理想的な音が作れるようになりました。例えばドラムを録る場合、ローエンドがしっかり出るような音作りをしたいのですが、全てのダイナミックマイクにこのActive Mic Cableを使うことで、今まで欲しかったローエンドがキャプチャー出来るようになりました。」
使用例 | -ドラム- (ダイナミックマイクに使用)
「キックにSENNHEIER e602を立てて通常のマイクケーブルを使うとマイク自体ドンシャリで抜けも良くサウンド自体は好きだったのですが、ドラム全体で聴くと位相の影響もありローエンドの量感が少し足りないように感じ、ローエンドをEQで過度に持ち上げていたりしました。でもこれでもまだローエンドが物足りなかったのですが、Active Mic Cableを使うと欲しかったローエンドがちゃんと聴こえるようになり、EQで無理に持ち上げることも無くなりました。キックの音像がとても大きくなる印象です。
またMorton Microphone Systems KickToneというサブキック的なマイクも、Active Mic Cableを使うととても良い印象で、e602に足すことで更にローエンドの押し出し感が加わり、とてもリッチなサウンドになります。
同じくタムにもe602との組み合わせで使うことで、こちらもドンシャリな傾向のマイクに更にふくよかさが足されます。演者にプレイバックを聴かせると「タム、太いね!」とほぼ100%言われます(笑)
今はダイナミックマイクで録る楽器のほぼ全てにActive Mic Cableを使っており、特にドラムの録りに使いたく、ドラムのダイナミックマイクに使う分とべースアンプ、ギターアンプを同時に録れる本数を購入しました。ちなみにドラムのマイクプリは、いつもほぼ自分の機材でOLD NEVEとAUROLA AUDIOとAPIなどを使っています。」
使用例 | -ベースアンプ- (ダイナミックマイクに使用)
「ベースアンプもダイナミックマイクとActive Mic Cableの組み合わせで、こちらもローエンドが増え音像が下に落ちるのでキックとのすみ分けがつくようになります。縦軸の音像が広がる印象です。
ただしマイクによってはローエンドが増えることにより高域をマスキングし、オケ中でラインが見えにくくなり音像も下に落ちすぎて、少しTooMuchになる場合もあります。
そんな時はマイクを変えてみてバランスを調整しています。Electro-Voice RE-20との組み合わせでは、e602よりも音像が上がります。曲やジャンルによって組み合わせを決めています。」
使用例 | -ギターアンプ- (リボンマイクに使用)
「ギターアンプは複数のマイクを立てて録っており、そのうちの一本にリボンマイクのROYER Labs R-121を使うのですが、元々ファットな音ではありますが、Active Mic Cableを使うことで、よりファットになって良い印象です。ローエンドが充実する分、若干高域の伸びが落ちる感じはありますが、その場合はEQで補正したり、複数のマイクのバランスで調整しています。コンデンサーマイクとダイナミックマイクでもない、中間のようなキャラクターなので、他にはない音作りができるように感じます。」
使用例 | -ストリングス- (リボンマイクに使用)
「Coles4038で使用しています。元々ハイがロールオフしていてかなりファットなサウンドですが、これもActive Mic Cableでさらにファットになり音像が大きくなりました。またノイズも軽減される印象もありました。リボンマイク(特にColes)にファンタムを送るのは抵抗がありましたが、それも全く問題ありませんでした。」
Active Mic Cable 総評
「このケーブルがあることで、1本のマイクでも収録できるサウンドの幅がとても広がります。例えばこの曲のベースアンプはスラップが多いから、このマイクとActive Mic Cableの組み合わせで録ってみようとか、これまではマイクを変更するだけだったのが、マイクは変えずにActive Mic Cableに変更することで、マイクを変更するのとはまた違った大きな変化が期待できます。
20-30dBくらい持ち上げるゲインブースター的な商品も発売されていますが、自分はゲインはマイクプリアンプ側で上げてキャラクターを付けたく、マイクプリの手前ではそんなに持ち上げたくないので、このActive Mic Cableはゲインがほとんど上がらないのでOLD Neve系の20dBスタートのマイクプリでも問題無く使えるのが嬉しいです。
音像が大きくなるのでとてもワイドレンジでローエンドがリッチなサウンドを得ることが出来ます。
海外サウンドを目指す人などには是非試して頂けたらと思います。」
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