米津裕二郎 プロフィール
Mix / Recording Engineer
BS&T Studio, prime sound studio formを経て、現在フリーランスエンジニア。
音楽作品、映画、CM、インスタレーションと幅広く活動中。
Active Mic Cableはゲインが上がらないのが素晴らしい
- この度はActive Mic Cableを導入しただきましてありがとうございます。
発売したばかりの時にお買い上げいただきました。まだ弊社のWEBページくらいしか情報がなかったと思いますが、機材アンテナの感度が素晴らしいですね。導入の決め手はどんなところにありましたでしょうか?
米津裕二郎(以下Y):エンジニアの相澤さんが使用されているとの情報を拝見していたので、発売前から気になっておりました。もともとこういったマイク直後に挟むツールは音作りの可能性を秘めているなと思っていて、導入を考えていたところのタイミングでしたので楽しみでした。
- ありがとうございます。実際に導入してみていかがでしたか?
Y:おそらく多くのマイク直後に挟むアクティブプロセッサはゲインが上がると思うのですが、これはゲインが上がらないのが素晴らしいと思いました。もちろん上がる良さもあるんですが、上がらない良さもあって、その選択肢としてバッチリです。
チューブマイクやパッシブDIに使用してもピーキーな部分がなめらかになって、ローが伸びやかになる!
- チューブマイクやパッシブDIに応用して使ってみたという情報を耳にしました。Active Mic Cableはダイナミックマイクのためのアイテムとして開発されました。というのもActive Mic Cableがファンタム電源を必要とするので、マイクにファンタム電源を供給できないためです。専用電源で駆動する真空管式コンデンサマイクや電源不要のパッシブDIといった機器なら、それらにファンタム電源は不要なので確かにご使用いただけますが、この発想は我々の頭の中にはありませんでした!
Y:ダイナミックやリボンでの音の変化が、同じ方向にとても好ましかったので、「これってチューブやパッシブDIでも同じ変化してくれないかな?」と思い立って試してみたところ、バッチリはまりました。
- 通常のマイクケーブルで1kΩ程度のマイク入力に接続した場合と、56kΩの高い入力インピーダンスで受けるActive Mic Cableでは音質面の違いは出てきます。Active Mic Cableはマイクの出力コネクター部分で信号を受け取りますので、信号を受け取る位置の違いも音質面でのメリットを生みます。その点からもチューブマイクマイクやパッシブDIに対しても使うメリットは容易に想像できました。実際にご使用いただいた印象はいかがでしたか?
Y:技術的な理屈の部分の疑問にもお答えいただき、間違っていないと確信できましたので、安心してバリバリ使っています。サウンドは中高域のキンとくるピーキーな部分がなめらかになって、ローが伸びやかになります。大抵の場合で好ましいサウンドになりますね。この変化は決して「めっちゃくちゃに変わる!」というものではなく繊細な変化なのですが、それが素晴らしく扱いやすいです。これはゲインが変わらない点でも同じことが言えますね。「なるほど、今はこういう音か、ではアクティブケーブルを入れよう」というような精査が現場レベルで行いやすいことが素晴らしいです。
- これからもActive Mic Cableの出番が多くありそうで楽しみです!ありがとうございました。