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渋谷に位置するイケベ楽器ベースコレクションは、真に良質な楽器のみを取り扱うベース専門のスーパープロショップです。ベースコレクションで扱われるのは、ベース本体はもちろん、アンプ、D.I.、エフェクターに至るまで、豊富な知識を持つエキスパートなスタッフ様のセンスによって選びぬかれた逸品ばかりです。
そんなベースコレクションではEmpress EffectsからコンプレッサーのBass Compressorと、イコライザーのParaEQ MKII / ParaEQ MKII Deluxeを取り扱っていただいてます。数あるベース用エフェクトの中で、光栄にもオススメ!と太鼓判を押していただいた2機種について、ベースコレクションの岡崎健司氏に語っていただきました。
岡崎 健司 ((株)池部楽器店ベースコレクション)
1999年に(株)池部楽器店に入社。ギターフロア、アンプフロアの担当を経て、良質な楽器と新たな可能性を求めてベース担当に。2007年には、自身がセレクトしたハイエンドベースと周辺機器を専門に取り扱うセレクトショップ「Bass Collection」をオープン。同店の店長として現在までに数々のベースの名品を販売してきた実績を持つ。
発売以来ずっと売れ続けている当店のベストセラーですね。ベーシストがコンプレッサーというエフェクトに求めることは様々と思いますが、本機は音質、機能、そしてサイズ感のバランスが素晴らしいです。
オススメのポイントは沢山ありますが、まずは何よりも色付けの少ないナチュラルな音質であるということでしょうか。ペダルタイプのコンプって、どうしてもエフェクター的というか、レンジがギュッと狭まるように感じるものも多くて、常時かけっぱなしで使うのはちょっと・・というものもありますよね。例えば往年の名機と言われるようなスタジオ機器ならその色付けや変化がむしろ"味わい"として歓迎されることもあるでしょうが、やはり音質・音色の変化は極力避けたいと思うプレイヤーが多いのではないでしょうか。このエンプレスのBass Compressorについてはコンパクトながらその点を気にする必要がなく、常にONで使っても良いですね。機能面もベーシスト的に嬉しいものが揃っていて、隙がないです。
特にサイドチェインの機能は、多弦ベースにおいてはこれ無しでは使えないというぐらい重要かもしれません。本機はアップデートして筐体が小さくなったにもかかわらず、サイドチェイン・ハイパスフィルター (SC HP)を最初から搭載してきたのはナイスですね。コンプが全帯域に均一に掛かってしまうと、E弦やB弦の様な低音弦にばかり強くコンプが効いてしまい、使いにくい場合がありますが、これにより、ゲインリダクションの指示を出す回路にのみローカットした信号を送ることが出来るため、音質を変えることなく全ての弦にバランスよくコンプレッションを掛けて音量を揃えることができます。
更に、旧モデル同様にサイドチェイン・ジャックも背面に搭載されていますので、Y字ケーブルを使ってEQをインサートすれば、特定の周波数だけに強くコンプを掛けたり、逆に弱めたりと、自分で更に細かく調節できるのもいいですね。
また本モデルで追加されたTONE+COLOURスイッチも秀逸で、これまでのエンプレスの様にただ音質を変えないというだけでなく、もう一歩サウンド面にも踏み込んできたな、という印象です。2kHzのブースト又は500Hzのカットの2ポジションから選ぶいわば簡易的なEQですが、帯域のチョイスなんか流石わかってるな!という感じですね。2kHzブーストで指弾きの際の音ヌケを良くしたり、500Hzカットならナチュラルなドンシャリ+強めのコンプレッションで、ビシッとスラップをキメても良いですね。コンプレッサーをかけるついでにトーンの調整もしてしまおうという、意外とありそうで無い機能じゃないでしょうか。それ以外にも、MIXコントロールで、ハードなコンプサウンドに原音を混ぜて出力できたり、LEDのインジケーターでコンプの掛かり具合を視認できたりと、この筐体サイズでは考えられないような素晴らしい機能が盛り沢山です。
また、裏ワザ的な設定機能で、電源投入時にエフェクトがデフォルトでオン・オフ、どちらでスタートするかも選べるので、ボードに組み込んでいる方には何気に嬉しい機能ではないでしょうか。
熱く語るとついつい難しい話になってしまいましたが・・コンプ初心者の方にも同じくらいオススメです。ハードルが高いとしたら、ツマミが多いことでの難しそうなイメージですかね。本機ならとりあえずツマミを全部真ん中から始めてもちゃんと使える音が出るようになっていますので、アタックとかリリースとかよく分からん!という方でも安心です。買って即現場でお使いいただける製品だと思いますが、ちゃんと説明書を読んで(笑)、じっくり向き合えば、全てのツマミやスイッチにちゃんと意味があることが判ると思いますし、攻略すればあらゆる楽器や演奏スタイルに緻密に対応することができるでしょう。コンプレッションの設定が幅広く出来ることも素晴らしいですが、もうこのサイドチェインHPが付いているだけで、5弦ユーザー全員にお薦めしたいですね。
ParaEQも前モデルの時から長らく取り扱ってきましたが、コンパクトタイプのパライコはこれ一択だったのと、他の参入を許さないぐらい優秀だったので、いったん生産終了した時は、代わりにお薦めするものが無くて困りましたね。MKIIになって復活して、更にDeluxe版では機能も追加されて、パワーアップしているのは歓迎です。かなりコンパクトになったのに機能を更に足してくるのってすごいですよね(笑)。
前モデルから変わらず優秀なのは、通すだけでは音が殆ど変化しないことです。音質に影響せず、補正したい周波数帯にのみ変化が生まれる。エフェクターなのに変な話ですが、音が変わらない素晴らしさ(笑)。これはBass Compressorにも共通しますが、良い意味で"無味無臭"なので、アクティブベースやペダル型プリアンプなどと一緒に使う場合でもキャラを邪魔しないので、大変重宝します。
市場ではグライコ(グラフィックEQ)の方が一般的で選択肢も多いですが、パラメトリック型となるとほぼ製品がなく、実質これ一択ではないかと思います。グライコは視覚的に調整しやすくて"音作り"に適していますが、パライコの場合は「どの周波数をどれぐらいの幅でどうするか」を自分で決めなければならないぶん少しハードルが高いかもしれません。その代わり、例えば楽器本体の音色の気になる部分やライブハウスの会場のクセとなっている周波数などをFreqノブで探し出して補正したり、ノッチフィルターとしてフィードバックを防ぐ、といった補正も完璧に狙って出来る良さがあります。エンプレスが特に秀逸なのは、Q幅を一番狭くしてノッチフィルターとして使えば、エレアコやアップライトベースの様な箱モノ楽器のフィードバックを、音を変えずに解消できるという所ですね。ハウりや過剰なフィードバックの原因となっている周波数だけをピンポイントで狙い撃ちできるので、それだけでも価値があると思います。
前モデルの時にも、個人的にはこれが一番のウリだったんですが、一つ不満があって、例えばフィードバック防止の為に使おうとすると1バンド減ってしまうので、音質補正用には残り2バンドしか使えなくなるんですよね。ところが、今回のDeluxe版ではハイパス&ローパス・フィルターとシェルビングEQまで追加で搭載されて音作りの面も補完されているので、コンプと同様、これまでの"補正"だけでなく、"音作り"の方にも積極的にアプローチしているのが分かります。そのほか、クリーンブースト機能も含め、意地でも(笑)前の機能を全部残した上で新たな機能を追加搭載するという、実にクレイジーなアップデートとなっています。
二種類出ているので、どちらにするか悩ましいところですよね。実際に店頭で相談されることもあります。MKIIは前モデルの機能を全て引き継いでいますので、性能と音質はそのままにコンパクト化された新バージョンとして捉えていただければ良いと思います。基本的にはこちらでも全く十分なのですが、更に機能が使えるなら多い方が安心・・という方が実際多く、当店ではMKII Deluxeの方がダントツで売れていますね。こちらも、設定機能でデフォルトのオン・オフ・ステータスの変更と、エフェクトとブーストのオン・オフを個別に行えるように出来るなど、細かな配慮が嬉しいですね。
Bass CompressorとParaEQ MKII Deluxe、どちらのアップデートもとても理にかなっていて、プレイヤーの意見も取り入れつつ、より進化させているのが分かりますね。以前は少し玄人寄りというか、仕事ツールです的な無機質な感じもあり、それも魅力の一つだったと思うんですが、今回のアップデートはEmpressが音楽的な楽しさにも踏み込んできたんだと思います。Bass CompressorならTONE+COLORスイッチでの音色エディットだったり、ParaEQはDeluxe版で追加されたフィルター類だったり。 もちろん前モデルでの補正機器としての高いスタンダードはクリアしつつ、+αも提供してくれてますね。
Bass CompressorとParaEQ MKII / MKII Deluxeはベースコレクション様にて絶賛展開中です!お店ではじっくり試奏も出来ますので、ぜひチェックを。
★ベースコレクション様についてはこちら!
https://www.ikebe-gakki.com/Page/shopdetail/bass-collection.aspx