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Di ダイレクトボックス(DI)

開発者による Umbrella Company 『SIGNALFORM ORGANIZER』技術解説

SIGNALFORM ORGANIZER(シグナルフォーム・オーガナイザー)は、DI、リバースDI、レベルコンバーターをハーフラックサイズに集約した多機能なプロフェッショナル・ツールです。 製品について、製品開発担当が技術面にスポットを当てて解説いたします。

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リバースDI

SIGNALFORM ORGANIZERのリバースDI(リアンプ)は、トランスフォーマーレス、つまりアクティブ・サーキットによる変換を行なっています。

一般的なリバースDIはトランスを使ったデザインでパッシブ回路であることが標準的であり、トランスがバランス→アンバランスの変換を行います。基本は入出力をトランスを介してつなぐだけ、構造もたいへんシンプルで、電源も不要、その動作原理(トランスは電気→磁気→電気というプロセスで交流信号の変圧を行います。)から、入出力のアイソレーションが可能でシステム間の基準電位(グラウンド)を切り離したい場合に好都合です。簡単で電気的なアイソレーションできる便利なトランスですが、パッシブ素子ですので変換過程でのロスによる歪の増加、周波数特性の劣化は避けられないところではあります。

トランスを使わずにリバースDIを作る場合、歪や周波数特性の劣化は簡単に抑える事ができますが、シグナルグラウンドのアイソレーションには一工夫必要です。SIGNALFORM ORGANIZERでは、電子的にグラウンドを作るアクティブ・グラウンド方式を採用しました。信号の基準ではあるが、入力側のグラウンドとは導通していないアイソレーションされている別のグラウンドを作り出しています。これによりグラウンドループの形成を防ぎ、音色変化のない全く新しいリバースDIサウンドを実現しています。

● リバースDI周波数レスポンス&歪率 グラフ

 

DI

リバースDIでリアンピングを行なう場合、素のギターシグナルを予め録音しておく必要があります。トランスレスのリバースDIの利点を活かすためにも、この録音の質は重要です。それに負けない周波数特性、歪特性を目指しました。

音質の基礎となる電源回路、音響機器の性能は電源回路で決まると言っても過言ではない、先ずはここに注力しました。

電源方式はテストを重ね、AC出力の電源アダプターを採用しました。回路で使用する様々な電圧を得やすい交流電圧源である、そしてノイズ源となる部分を筐体の外に隔離できる事、AC出力の電源アダプターの採用はそれらを満たします。

4倍の電圧を得る整流回路とプリレギュレーターによりクリーンな36Vものレンジのオーディオ電源を作ります。そこからさらにDIとリバースDIのために個別のローカルレギュレーターを用意し徹底的に浄化した±15Vの電源を作り出しています。浄水場で作られた水道水、もちろんそのまま飲める安全な水ですが、さらに蛇口に浄水器をつけてより一層きれいな水を作る。取りきれなかった化学物質(ノイズ)や配管(配線)での劣化など完全に除去します。美味しい水で作られた料理は格別に美味しい!きれいな電源は格別にきれいな増幅を可能にします。最大40dBのハイゲイン設定でもわずか0.02%以下の低歪を実現、クリアでナチュラルなDIに仕上げました。

● DI周波数レスポンス&歪率 グラフ

入力段にジャンクションFETをしたOPA2134オペアンプを採用し高入力インピーダンスのインプットステージを構成しています。1MΩの高入力インピーダンスを活かすためにAmp out 出力はバッファー入れた構成にしました。一般的なDIはパラレル配線のスルーアウトとする事が多く、ギターアンプを接続した場合、ギターアンプの入力インピーダンスが並列に接続された状態となるため、音色はそのギターアンプ影響を大きく受けます。バッファーアンプを入れ干渉を取り除くと輪郭のある癖のないサウンドが得られます。

ギターアンプの影響を受けた少し鈍った癖のある感じにしたいという事もあると思いますので、Amp out 1 BufferのバイパススイッチをDIPスイッチの1番に割り当てましたので、バイパスをONにしてギターアンプの あり/なし を是非くらべてみてください。実際にバッファーを通過するAmp out 1 だけでなくDI OutやAmp out 2の音質も変化しますので積極的にサウンドメイキングにお役立てください。

 

DIセクションでは本機のもう一つの特長Active Hi-Z Cableがございます。

楽器と接続するプラグの中にバッファー回路を仕込み、プラグ内つまり楽器直後でインピーダンス変換を実行します。

シールドケーブルを通過する前の、シールドケーブルによる共振やハイ落ちの音色変化の無いピュアなシグナルをとらえます。シールドケーブルを使う限り必ず起こる音色変化ですので、Active Hi-Z Cableを使った音色変化が全く無いサウンドは従来のギターサウンドとは別物です。

楽器によって、演奏スタイルによって、アンサンブルによって、好みによって賛否両論あるキャラクターだと思います。極力癖をつけたくないピエゾPUのエレアコや、レンジの広い多弦ベースなどではActive Hi-Z Cableは実に効果的だと思います、エレキギターはシールドで起こる音色変化がはまっている事も多いので、好みに応じて使い分けていただければと思います。通常のシールドケーブルとActive Hi-Z Cableどちらかがマッチするかセッションの前に試してみてください。きっと新しいサウンドの可能性を発見できると思います!

また、ON/OFF可能なハイパスフィルターを備えています。デフォルトではカットオフ周波数は16Hzと極端に低いところをトリートメントする設定になっています。SIGNALFORM ORGANIZERは、周波数レンジがとても広く(2Hz〜22kHz@±0.1dB)、可聴帯域以下の極低域が運用上扱いづらい事があるとのアドバイスをいただき、HPFの設計を徹底しました。12dB/octの傾斜で音質を調整します。

● HPFグラフ

カットオフ周波数や減衰特性はカスタマイズ可能です。「カットオフを55Hzにしてほしい」「カットオフの手前で若干持ち上げ量感を補正しつつ不要帯域をカットする」「カットオフに伴い倍音を加えトランスっぽさをシミュレート」など、ご興味ある方はご相談ください。

そのほか、カスタマイズに関してはできる限り対応していきたいと考えております。例えば、「ゲインアップした信号をAmp Out 2 から出力したい」「リバースDIの出力レベルやインピーダンスを変更したい」「Muteをフットスイッチでコントロールしたい」など、意外と簡単に実現できる事もあると思います。「これができるんだったら導入したい」とか、お使いいただいて気が付いた事など、ぜひお気軽にカスタマイズのアイデアをお聞かせくださいませ。

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