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GRACE designのアコースティック楽器専用のデュアルチャンネルプリアンプ “FELiX2” に搭載された新機能『フェイズ・アジャスター』は、多くのアコースティック楽器のプレーヤーの皆様には馴染みのない機能かと思います。しかし、仕組みを理解し正しく調整できると「フォーカスがピッタリ合った新次元のサウンド」が飛び出します。有効に使っていただきたい機能ですので、分かりやすく徹底解説していきたいと思います。

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FELiX2は2つのモードでオペレーションできます。1つは楽器を持ち替える場合に便利なA/Bモードです。Ch1とCh2に個別の楽器をつないでおけばフットスイッチ一つで切り替える事が可能です。個別にEQなどの処理が可能なため、どちらの楽器もベストな状態でスタンバイ。曲中に楽器を持ち替えるなんてことも実現可能なモードです。そして、もう一つのモードが2系統の音声をブレンドして音作りができるMIXモードです。このMIXモードではチャンネルごとにゲイン調整、EQ処理を個別に行ったうえで2つのサウンドをミックスでき、妥協のないサウンドメイクをサポートします。MIXモードでの想定された使い方を考えてみると、コンタクトマイクとピエゾPU/マグネティックPUを組み合わせて使用する場合デュアルPUシステムを搭載した楽器での使用があげられます。ちなみに、FELiX2の Ch2 INPUT は TRSケーブルにも対応しており、Tip / Ring で別のシグナルを受け取る事が可能で、内部でTip=Ch2、Ring=Ch1にそれぞれルーティングされます。これは楽器のTRS(STEREO)出力端子からTRSケーブル1本で接続できる、デュアルPUシステムを搭載した楽器のために考えられた構成になっています。さらにサウンド面でも新機能『フェイズ・アジャスター』が大活躍!デュアルPUシステムのためにあるような機能でもありますので、デュアルPUシステムの可能性をさらに拡大してくれることでしょう。

デュアルPUシステムは、例えばピエゾPUとコンタクトマイクなどの組み合わせがあるかと思います。ピエゾPUはブリッジサドルの下などに実装されるので振動源との距離は0と考えることができます。一方、コンタクトマイクは取り付ける位置にもよりますが振動源からは少し距離があることになります。この距離の違いにより時間差・位相差が生じます。時間差は音波または振動の到達距離の違いによって生まれます。距離の差が大きいほど時間差は大きくなります。位相差は到達距離の違いに加え、音波の周波数により位相差の大小が決まります。到達距離の差が同じであれば周波数が高くなるほど位相差は大きくなります。

例えば、ピエゾPUと、8.5cm 離して取り付けたたクリップマイクの関係の場合、到達距離に 8.5cm = 85㎜ の差があります。そして、距離=0のピエゾPUと、85mm離れたマイクの間には、約0.25mS(ミリ秒)の時間差が生じます。0.25mSの時間差は 1kHzで90度、2kHz では180度となります。

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このような位相差を持つ信号をミックスすると、この場合の 2kHz のように打消し合ってしまう帯域が出てきます。理論上は2kHz の成分は無くなってしまいますがピエゾPUとクリップマイクの波形がピッタリ同じであることは考えられませんので、実際には、弱まる とか 違和感がある とかその程度ですので十分実用的なのですが、2kHz ならばアコースティックギターにとっては重要なセンシティブな帯域です、良い音で聴かせたいギタリストにとっては気になるところです。そこで、この『フェイズ・アジャスター』が、2つの信号の位相をそろえた上でミックスするワンランク上のサウンドメイクを実現します。

時間差・位相差をもったCh1 クリップマイクの信号 に対して、フェイズ・アジャスターはCh2 ピエゾPUの信号 の位相をCh1に合わせて遅らせることで、チャンネル間の位相をそろえる効果をねらいます。1kHzで最大180度まで連続可変が可能ですので、ベストなポイントをじっくり探すことができます。

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フェイズ・アジャスター 機能を有効にするためには、まず内部ジャンパー【J31】を『PHASE CONTLOR ON』に設定する必要があります。この設定を行わないとサイドパネルのトリムは効きませんのでご注意ください。

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フェイズ・アジャスターは、音を聴きながら設定する必要があります。
まず、トリムを反時計回り(0°)に合わせ、ここからスタートするのが良いでしょう。そして音を注意深く聴きながら徐々にトリムを回していきます。位相がそろってくると聴感上で音量が上がって聞こえたり、音の輪郭がはっきりしてきたり、ピッキングの反応が良くなったり、音の芯が強くなったりという変化になって現れる傾向があります。位相差が大きくなる場合はその逆の変化が現れるはずです。また、ヘッドホンを使うことで楽器からの直接音を遮断できるので効果を確かめやすいと思いますので、ヘッドホンとスピーカーを併用し設定することをお薦めします。

 

FELiX2 オール・パス・フィルター方式 フェイズ・アジャスターについて

ここからはかなりマニアックな説明になります。設定の参考くらいにはなると思いますので、興味とお時間がある方は読んでみてください。

時間差のアライメントをとるのに、最も有効なのは、ずれた分の時間差をもって補正する方法です。レコーディングであればトラックごとのクリップを前後させたりして補正することも可能ですが、ライブでは不可能です。それに、実際はそもそも音色がちがうのでそこまで厳密に合わせる必要はありません。低域は波長が長く少々の距離の違いでは大きく位相はずれません。高域はマイクの特性の違いや、壁や床などの反射音も同時に拾い、これらによるカラーリングがあるので、時間的な補正をきっちり行ったところで高域に限ってはあまり意味をなしません。位相のずれが目立つのは中域です、楽器の音色を決定づける重要な帯域です。FELiX2のフェイズ・アジャスターは、最も重要で効果的な中域の位相アライメントをとることでパーフェクトなブレンドサウンドを作り出します。

レイテンシーを持つデジタル処理では演奏にストレスを与えます、発音に遅れがないアナログ回路で実現すべきであり、FELiX2ではこれらの条件を満たしたオール・パス・フィルター方式採用しています。周波数特性が変化しないことからオール・パス・フィルターと呼ばれますが、周波数特性特性をそのままに位相だけを調整することができる面白い回路です。機能としては、位相を0°から-180°まで連続的に変化させることができます。オール・パス・フィルターは8オクターブくらいをかけて位相が反転します、つまり最大の位相シフト量は180°です。

時間差による位相のずれは周波数が高くなるにつれ180°、360°を超え、どんどん大きくなります。
例にあげたケースのように、到達距離に 85㎜ の差があれば、約0.25mS(ミリ秒)の時間差が生じます。0.25mSの時間差は 500Hzなら45度、1kHzで90度、2kHz では180度、4kHzなら360度の位相ずれを引き起こします。オール・パス・フィルターによる補正は最大でも180°なので、高い周波数帯域ではずれ方が異なるため効果がなくなります。ですが、高域ではそもそもの音色の違いといった位相ずれ以外の要素が大きいので、アライメントをとろうとすること自体が無意味です。なので、オール・パス・フィルターの有効な使いどころは 90°の位相シフトとなるポイントとそれよりも低い周波数にかけての帯域、つまり中域より低い部分、おおよそ-45°~-90°の範囲です。この帯域であれば時間差による位相のずれ方と一致する部分が出てきますので、このポイントを見つけ、あてはめることができれば位相ずれを補正できるわけです。

内部ジャンパ 【J13】の設定を有効にすることで、位相だけが0°から-180°まで滑らかに変化する特殊な性質を与えます。FELiX2のフェイズ・アジャスターはこの性質を使用してチャンネル間の位相の変化をそろえます。そしてサイドのトリムポットで位相が反転する周波数をシフトさせることができるので、ch1に起きている位相の変化と一致する周波数帯に合わせることでチャンネル間の位相のアライメントをとることができます。周波数を1kHzに固定して考えると、パネルの表記のように 0°から-180°までトリムで連続的に可変しているようにも見えます。

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とは言え、適切なポイントを見つけ出すためには 耳 で判断し調整するしかありません。2つの入力信号に対し、それぞれ適切にゲインを設定し、EQはまずフラットセッティングから始めるのが良いでしょう。そしてそれぞれが同じ音量バランスでミックスされるように調整し、ここをスタートとしてフェイズ・アジャスターの調整を始めます。

調整方法は(一部前述と重複しますが)まず、トリムを反時計回り(0°)に合わせ、ここからスタートするのが良いでしょう。そして音を注意深く聴きながら徐々にトリムを回していきます。-45°から-90° の変化が起きているところを探し、変化のカーブをそこに持っていくイメージで回していきます。この部分の位相がそろってくると聴感上で音量が上がって聞こえたり、音の輪郭がはっきりしてきたり、ピッキングの反応が良くなったり、音の芯が強くなったりという変化になって現れる傾向がありますので、そのポイントを探しあてます。位相差が大きくなる場合はその逆の変化が現れるはずです。そして、サイドパネルの位相反転スイッチも操作してみて一度音を聴いてみるのも良いでしょう。これが有効なことはあまりないと思いますが念のため、もしかしたらマッチするかもしれませんので可能性の一つとして試してみてください。

こうして、位相が合ったサウンド同士はミックスバランスを変更しても位相は合っています。フェイズ・アジャスターを利用するのであれば、まずはじめに位相の整合をとってからの方が、音作りもやりやすく、良い結果が出せると思います。

FELiX2のフェイズ・アジャスターは、デュアルPUシステムとの組み合わせで特に効力を発揮します。
デュアルPUシステムの代名詞 L.R.Baggs Dual Source を例に挙げると、この機種はピエゾPUとボディー内部に仕込むコンデンサマイクの信号をミックスしてサウンドを作るデュアルPUシステムです。MONO/STEREOスイッチをSTEREOに設定すると、それらを個別に出力することができます。TRSケーブル1本でFELiX2と接続することができ、アサインはTipにピエゾPU、Ringにマイクとなっており、ちょうどFELiX2のch2入力のTRSと同じですのでそのままTRSケーブル1本で接続できます。FELiX2のプリアンプ、個別のEQ処理、そしてフェイズ・アライメントをとったMIXができる。より便利にパワーアップしたFELiX2がイメージ通りのサウンドを得るための理想的なサウンドメイクをサポートします。

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現状のデュアルPUシステムで欲しいサウンドが得られない、活かしきれていないと感じる場合は、フェイズ・アジャスターでアライメントをとった位相干渉のないミックスを体感してみていただきたい!デモ機を用意しておりますので、ワンランク上のサウンドメイク術をぜひお試しください!お気軽にお問合せください!

 

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