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レコーディング機材としては類を見ないポップなデザインが目を惹くOhma Worldのマイク。クールなアーティストのステージや刺激的な造作のレコーディングスタジオ、オシャレなコンテンツクリエイターの映像などで目にすることも増えてきました。しかしその見た目が先行して、「マジメなマイクの方がサウンドも…」と思われてしまうことも。
そこで本国ブログで掲載されたこの記事では、NOSのCinemagトランスやオリジナルのカプセルなど、マイクの中身にフォーカス。Ohma Micをユニークな見た目と高い技術が両立する証明と語る彼らの自信、そしてその根拠に迫ります。是非最後までご覧ください。
国内のアーティスト/エンジニアによるOhma Condenser/Ribbonのレビューはコチラ
パッと見だと、Ohmaのマイクをおもちゃだと思う人もいるでしょう。
まあ、分かります。明るい色、マグネットパーツ、ロゴマーク。マジメなレコーディング機器というよりは、未来から来たガジェットみたいに見えるでしょう。
でもここで一つ、カバーを外して中身を見てみましょう。
実際の中身を見たら、びっくりするに違いありません。特に有名ブランドのマイクを使ってきたのであればなおの事。なぜならば、Ohmaのマイクは単に中身が他と異なるだけでなく、他のマイクメーカーがトライもしないであろう、革新的な方法で設計されているのです!
Ohma Worldでは2025年5月現在、FETスタイルのコンデンサーと、アクティブリボンの2タイプのマイクを販売しています。
私たちはミュージシャンであり、EastWestやElectrical Audioなどのレジェンドなスタジオで―そして自宅のベッドルームやクローゼット、改装したガレージでも―仕事をしてきたエンジニアでもあります。そんな私たちが、自分達の音楽で使いたいマイクを目指して開発したのがこのOhmaのマイクです。過去のマイクのクローンではありません。しかしそれでいて、名機を名機たらしめた要素は徹底的に研究し、取り入れています。
まずはそのサウンドを耳でチェック。数値の測定はその後です。
Ohma Worldオリジナルのラージダイアフラムのコンデンサーカプセル、Debbyは、この方法で作り上げられました。TELEFUNKEN C12などと同じエッジターミネイテッド(導線の終端が縁に来ている)でありながら、NEUMANN U47などと同様にシングルのバックプレートを採用。スムースでリッチなローエンド、スイートな中域、そしてシルキーで誇張しすぎない高域によって、有機的で音楽性に富んだサウンドが生み出されます。
このカプセルのチューニングはすべて、東ロサンゼルスの社内で行っています。多くのメーカーのように大量生産品を仕入れたりはしていません。なぜならこれが、根本からサウンドをコントロールする唯一の方法だからです。
そうそう、あなたが狙っているあのマイクだって、恐らくカプセルはそのマイクブランドが作ったものではありません。多くのブランドは、数える程度しか存在しない共通のサプライヤーからカプセルを買っています。でも私たちが「自分たちで作っている」と言うのは、本当に一から自分たちで作っているという意味です。
そしてこれは、全てのOhma Condenserに貴重なNOSのCinemagトランスが使われている理由でもあります。このトランスを搭載した70万以下のマイクなんて滅多にありません。でもOhma Condenserはその5分の1以下。これは自社製造によってコストを抑えているからこそなのです。
Ohma Ribbonはただの名機インスパイアではありません。そのDNAを確実に継承しているのです。
このマイクの心臓部にあるのは長さ約6cm、厚さ1.8μmで、波型に成型されたアルミニウムのリボン。伝説のRCA 44と全く同じサイズとスペックのリボンが、Ohma Ribbonにも搭載されています。実はこれは偶然ではありません。我々のチームメンバーの多くは、RCAのレガシーを引き継ぐAEAでリボンマイクの設計、製造、修理に携わってきたのです。
Ohma Ribbonの開発は、RCAサウンドで最も愛している部分を出発点として進められました。そしてそこから、Ohma Worldオリジナルなマイクへと発展させていったのです。
丁寧な聞き比べ、現場でのテスト、そして信用するアーティストやエンジニアからの意見を通して、Ohma Ribbonはリボンマイクの伝統に根ざしつつも、現代の制作のあり方に合った設計になりました。それはオールドスクールなリッチさと暖かみ、そして柔軟さと使い勝手の良さを兼ねそろえたマイク―今日のリボンマイク市場においても、他に類を見ないマイクと言えるでしょう。
そしてもちろん、私たちはOhma Ribbonでもただ既製品のパーツを組み上げているワケではありません。私たちのリボンエレメントはイタリアにて特注で作ったもので、マイクのスペックやパフォーマンスに合わせた設計になっています。それ以外の電子部品?ここ、東ロサンゼルスではんだ付けしています。
またOhma Ribbonはアクティブリボンマイクです。つまりは、19,800円のScarlettでもNeveのコンソールでも、どんな機材と組み合わせてもBIGでスムースなローエンド、リッチな中域、そしてスイートなトップエンドが、昔のリボンでは不可避だったノイズ無しで手に入るのです。
さらにOhma Ribbonは堅牢な設計を採用。簡単に壊れるようなことはありません。少しだけ例を挙げると、BoygeniusやJane's Addiction、Ginger Root、Julien Baker、Sunny Day Real Estate、そしてWynton Marsalisによるビッグバンドなど、様々なアーティストのライブやツアーで実際に使用されています。
Ohma Worldの交換可能なマグネットスクリーンは、ただ見た目を良くするためだけのモノではありません。ユニークなフィルターのように、マイクのサウンドを本当に変化させるのです。
そしてもちろん、あなたのセットアップや録るもの、もしくはその日のバイブスに合わせて変えることも可能。スクリーンは同梱のピックですぐに交換することができます。
Ohma Worldではすべてのマイクがカスタマイズ可能 ― 色からスクリーン、それにロゴも!
マイクにスタジオのロゴを入れたい?それならステンレス製のプレートにレーザーカットでロゴを入れて、磁石でマウントしてお届けしましょう。経年劣化したブラスのマイクが欲しい気分?やったことありますよ!
私たちのマイクはすべて、塗装も私たち自身で行っています。Cerakoteという、航空宇宙産業やバーベルなどで使用されているプレミアムなセラミックコーティングを使用。タフで美しく、そしてユニーク。
Ohma Worldは、次世代のNEUMANNや次世代のRCAになりたいわけではありません。過去のクローンになりに来たわけではないのです。
私たちが提供するのは新しいもの、200万円のU47の横に堂々と鎮座するようなオリジナルなマイク。それもあなたらしい見た目、サウンドで、あなたと共に進化していくようなマイクです。
Ohma Worldは世界で数少ない、独自のカプセルとリボンを採用しているメーカーの一つです。そして少なくとも私たちの知る限りでは、ビンテージクローンではないエッジターミネイテッドのカプセルを生産している、アメリカで唯一のメーカーでもあります。
これはカワイイだけの製品ではありません。精密にチューニングされ、アーティストの原動力となり、ハードなツアーにも耐えうる技術の結晶なのです。
そう、最初はおもちゃっぽく見えるかもしれません。でも中身を見てください。
二度とOhmaのマイクをおもちゃだなんて言えなくなりますよ。