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Interview column インタビュー&コラム

BilT Guitars x 三船雅也 (ROTH BART BARON)

「BilT Guitarsと出会って、エレクトリックギターがもっと楽しくなった。」三船雅也 (ROTH BART BARON) が語る”相棒”のこと。

日本、東京を中心に活動するフォークロックバンド、ROTH BART BARON(ロットバルトバロン)。その中心人物であるシンガーソングライターの三船雅也氏は、自身のメインギターとしてBilT Guitars S.S. Zaftigのカスタムモデルを愛用しています。

本記事では、三船氏のこだわりが詰まった愛機と、BilT Guitarsの魅力について語っていただいたインタビューをお届けします。

三船雅也 (ROTH BART BARON)

ROTH BART BARON(ロットバルトバロン)は、シンガーソングライターの三船雅也を中心とする日本・東京を中心に活動するフォークロックバンド。2009年頃から音楽活動を始め、これまでに4枚のEPと最新作『8』を含む8枚のオリジナルアルバムを発表。多数の音楽フェスに出演し、2023年には2度目となる<FUJI ROCK FESTIVAL>にも出演した。

2021年には、アイナ・ジ・エンドとの2人組アーティスト・A_oによる「BLUE SOULS」がポカリスエットのCMをきっかけに話題に。2022年は、ベルリン国際映画祭でアムネスティ国際映画賞を受賞した映画『マイスモールランド』の劇伴音楽と主題歌を手掛けた。2023年10月には8枚目のオリジナルアルバムを発表。2024年8月4日にはゲストに塩塚モエカ(羊文学)、Salyu、YONCE(Suchmos, Hedigan’s)、崎山蒼志を迎え、特別9人編成にて<BEAR NIGHT 5>をLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)にて開催した。

また特筆すべき点に、ファンによるバンドコミュニティ”PALACE”を運営し、ボランティアチームもライブ制作や興行運営に関わることでバンド活動をサポートする体制があり、ファン自らもバンドの一部としてグッズ制作や、会場イベントのアトラクションを提供しクリエイティブを楽しむ、一緒に体験を共有できる仕組みづくりにも積極的に取り組んでいる。

2024 年11 月25 日には NHK 総合テレビにて「tiny desk concerts JAPAN」が放送。秋から、1st AL『The Ice Age』から10 周年を記念した全国ツアー「ROTH BART BARON 10th Anv TOUR 2024-2025 / Ice Age : Melt and Blooms」を開催し全国18 公演を開催し、総ツアー動員数はキャリア最大、ファイナル公演は映画監督・岩井俊二による映像演出がなされ満員御礼のうちに大成功に収めた。

来たる 2025 年7 月19 日には西田修大、Ryu Matsuyama、Jeremy Quartus (Nulbarich)、荒田 洸 (WONK)、吉澤 嘉代子、Hana Hopeを交えての夏の恒例のフェスティヴァル<BEAR NIGHT 6>を渋谷 O-EASTで開催する。

https://www.rothbartbaron.com/

この度はありがとうございます!まずはBilT Guitarを知ったきっかけと、オーダーを決めた経緯は?

僕のキャリアはずっとアコースティックギターがメインだったので、ちゃんとしたエレクトリックギターを欲しいってずっと思ってたんです。フェンダー系、レスポール、デビューした頃はリッケンバッカーを使ったりもして、その時々でベストな音は鳴らせてたと思うけど、同時に物足りなさを感じてたんですよね。

デビューしてかれこれ7年くらい探し続ける中で、確かブレイク・ミルズがライクしてたからだと思うんですけど、イギリスのMOJOからDual Foilというピックアップの投稿がInstagramで流れてきた。ゴールドフォイルをデュアルで載せてハムバッカーにしたもので、すごく目を奪われたんです。ライ・クーダー、ブレイク・ミルズ、最近だとメイソン・ストゥープスとか、僕が好きなサウンドを奏でるギタリストはゴールドフォイルなことが多くて、いつかは自分も!って思ってたけど、既製品だと本当に無いんですよね。そこからMOJOと関係が深いBilT Guitarsを知って、エレクトリックギターを象徴する様々な要素を、センス良く融合したような佇まいがすごく印象的で。好きなピックアップ載せたり色々カスタムできるって謳うから、じゃあオーダーしてみようってなったのがきっかけです。

昨今ヴィンテージを含む楽器がどんどん値上がりしているけど、作ったクラフトマン本人にお金が入らないのは違和感があったんです。ギター自身の価値以外のものって、音楽づくりにおいて本質じゃない気がして。僕はコレクターでは無いし、共に世界を回って戦える武器というか、相棒が欲しかった。それに皆が良いっていうモノに飛びつくのは簡単だけど、まだ誰もピックアップしていない領域を探ることで、自分の音を作っていきたい。そういう意味で「1から全てカスタムできる」っていうBilTは、自分の性に合ってたんだと思います。

では実際にオーダーしたギターについて。S.S. Zaftigをチョイスした理由は?

ちょうどBilTに出会った頃、西田(修大)くんが白いJazzmaster使っていたり、岡田(拓郎)くんがJaguar手に入れたりして、オフセットのギターに自然と惹かれるようになって。元々Jaguarは持ってて、フローティングトレモロってエンドからブリッジまでのところでアブストラクトな音が出せたり色々遊べるし、ゆるいテンション感も好みでした。

それでBilTでもオフセットに決めて、アコースティックギターとエレクトリックの中間のようなサウンドになって欲しいと思ったんです。Harmonyの古いホロウのギターが好きで、あの柔らかく包み込むような鳴りがオフセットのシェイプからでたら面白いなと。リハから本番まで長時間ギターを持つこともあるので、なるべく軽量なものが欲しかったのも一つですね。

僕はオフセットではJazzmasterよりもJaguar派なんですが、ROTHの基本のチューニングは全音下げだから、スケール長いほうが都合良くて。スケールはJaguarより長く、でもオフセットらしい要素はちゃんとあって、ホロウボディ。そこからS.S. Zaftigに決めました。

パーツ、スペックなどこだわった点について教えて下さい。

まずMOJOのDual Foil。ハムバッカーのゴールドフォイルが出るって見て、自分の中では「エレクトリックギターでまた革命が起きた!」くらいにときめいたんですけど、世間は全然騒いでなかった笑。ゴールドフォイルは弾き倒すってより余白が多いギタリストが好むような気がしていて、それも自分向きだなって思ってました。

ゴールドフォイルって例えばライ・クーダーとか、どうしても特定のジャンルに紐づいて語られることも多いと思うんですが、僕はそういうクラシックなアメリカーナ的なところと、モダンな雰囲気のクロスオーバーが出来るって確信してたんです。それにゴールドフォイルでインディ・ロックの領域まで持っていくってすごくチャレンジだけど、使いこなせたらまさに自分のシグネイチャーになると思って。

ネックはローステッドメイプル。ローステッドを手にするのは初めてだったんですが、他のギターと比べても本当に安定していて、2021年に手に入れて以来ほとんどトラブルがないです。特に多湿な日本の環境で、これは結構驚異的だと思います。一般的なメイプルなら、馴染むまでもっと時間かかってたかも。

Masteryのブリッジとトレモロはピッチがバシッと合うし、サウンドが全体的にしっとりした質感になるのが気に入っててセレクトしました。一般的なFender系よりも、かゆいところに手が届く感じ。ピックアップセレクターはプレイアビリティを考えてテレキャスターと同じ3Way。更にフロントとリアはVolumeとToneでそれぞれコイルタップ出来るようになってます。

ピックガード上のコントロールは?

一般的なプリセット回路ではなく、ハイカット/ローカットとして機能するHi/Lo Circuitというものが入ってます。フィルターを掛けすぎたようなモコモコやスカスカな音にパッと切り替えられるプリセットEQ的な役割で、これはいわゆるギターらしいキャラクターをあえて消したいときに使います。

オーダー時はちょっと悩んでたんですけど、BilTが提案してくれたこっちにしました。ピックアップ切り替え、それぞれのコイルタップ、更にハイカット/ローカットのフィルターも選べるので、音のバリエーションはかなり広いです。

カラーやルックスについては?

シスター・ロゼッタ・サープの3ピックアップのSGカスタムがすごくかっこよくて、なのでホワイトで近い雰囲気にしたくて。スイッチ、アームキャップ、ヘッドやらに散りばめたオレンジは、アメリカのハンターなんかが身につけるビビッドなカラーからのイメージ。BilTはヘッドも色々遊べるから、一見クラシックだけどどこか違う感じを狙いました。

あとはこのZenonのギターもインスピレーション元になったんです。ゴールドフォイルもそうだけど、こういう雰囲気を残したまま、更にモダンなところをプラスするみたいな。

実際に完成して、弾いてみた印象はどうでした?

届いて早速リハで一発鳴らしたら、パッと一瞬で空気が変わったように感じました。今まで弾いてきたギターのどれでもない、もうこれでしかない音。カラッと乾いててミッドハイに寄った音だけど、耳に痛くない絶妙なバランス。ROTHは多いときは10人編成もあるんだけど、それでもとにかく抜けてくれます。

ちゃんとゴールドフォイルのサウンドなんだけど、グヤトーンやテスコにあるようなジャリジャリとかつんざく感じではなくて、もう少し艷やか。でもゴールドフォイルならではの雰囲気がある。多分ハムバッカーにしたのが大きくて、サスティンもコントロールできるし、皆がイメージするゴールドフォイルのもっと下に輪郭と情報量を足したような雰囲気。このピックアップはあまり皆に広まってほしくないって思うくらい笑。

もう本当に大満足。これこそ自分の好きなエレクトリックギターの音、しっくり来る音だったんだってやっと気づけました。今でもサウンドチェックで鳴らすと、「良い音だな~」って僕もメンバーもみんな惚れ惚れしてます。

このギターを手に入れたからこそできた音源や、制作に影響したりはありましたか?

こいつのおかげで、エレクトリックギターを弾くのがようやく楽しくなったんですよね。アコースティックギターは生音が重視されるけど、エレクトリックギターのアンプリファイ(増幅)された音ならではの楽しさや、指の使い方やニュアンス、それに合わせてじゃあエフェクターも更に研究してみようとなったり。どこで鳴らすとか、レコーディングのプロセスも再考するようになって。

7thアルバム『HOWL』から結構鳴っていて、一昨年の8thアルバム『8』ではギターはほとんどこいつです。

あとHi/Lo Circuitはすごく面白い。あえてエレクトリックギターらしいテクスチャを無くしたり、コイルタップを組み合わせればラインに繋いだアコースティックギターみたいな雰囲気にもできます。この前リリースした"Goodnight"という楽曲のギターサウンドは全てこいつで、メインリフのフィルターがかかったような特徴的なサウンドはまさにHi/Lo Circuitによるものです。

エレクトリックギターという存在にちゃんと向き合うきっかけになったから、ここ最近の作品はそういうモードと言うか、エレクトリックギターならではのディティールが出てきてると思います。なので、僕の中でこいつを1から作って手に入れたというのはすごく大きな出来事になったんですよね。

BilT Guitarsを検討してるユーザーさんにメッセージをお願いします。

例えば服なら、着てる時にテンションが上がったり、着ている自分が好きだったり。これは戦闘服なんだってこともあるかもしれない。それが既製品の服だってこともあるし、オーダーメイドのアパレルじゃないとダメなんだって人もいる。カスタムギターも同じで、こいつを使って何千何万という人と対峙していくわけだから、僕はそういうときに一番信頼できて、自分と距離が一番近くて、持ってる自分を一番好きになれるモノを選びたいんです。スタイルによって正解はないし、僕も探っている最中だけど、今のところはBilTに出会えて良かったって思ってます。

自分がお客さんとしてライブを観に行くと、「あの人は何使ってる?」「どうしてそこにたどり着いた?」っていつもワクワクしてきたんです。どうしてその楽器なのか、どうしてその仕様なのか、そういうセレクトって人間性や人生が滲み出てきますよね。そのこだわりやストーリーを具現化してくれるのがBilTじゃないかな。

BilTはカスタムのやり取りをしてると、どんどん盛り上がって色々提案してくれるんです。本当に楽器を作るのが好きなんだろうなって伝わってくる。名声とかじゃなくて、何が本質かを考えて、それを大切にする人にこそBilTは合うはず。細部を詰めてやり取りを重ねること自体も音楽の一部だし、そこからクリエイティブを始めるのはとても素敵な選択肢だと思います。

★BilT Guitarsについてはこちら!
https://umbrella-company.jp/brand/bilt-guitars/

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