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Interview column インタビュー&コラム

1981 INVENTIONS - DRVレビュー。開発のMatthew Hoopsへのインタビュー付き!

1981 INVENTIONS - DRVレビュー。ビルダーMatthew Hoopsへのインタビュー付き!

アメリカのオルタナティブ・バンド”Relient K”のギタリストとして活躍するMatthew Hoopes。彼のギターサウンドへの飽くなき探究は、数ある歪みペダルの中でも格別の一台である"DRV"とそのブランド"1981 Inventions"を生み出しました。

Matthew Hoopes自身が歪みペダルに求める全てを再現したというDRVは、日本国内流通が開始してから二年半以上経った今なお数あるRATインスパイア系ペダルの中でも唯一無二の存在感を放ち続けています。輪郭が失われない明瞭さとミッドレンジのパンチの共存や、絶妙に設定された歪みのレンジやトーンコントロール。魅力あふれるこのDRVについて掘り下げるべく、今回はMatthew Hoopes本人にインタビューを行いました。

1981 INVENTIONSを主宰するMatthew Hoops。累計300万枚以上のアルバムセールスを誇るバンド、Reliant Kのギタリストでもある。

 

・DRVはホワイトフェイスRATからインスパイアされたと聞いています。オリジナルのRATから受けた影響やアレンジした点を教えてください。

Matthew: DRVはホワイトフェイスRATのダイオードを用いたハード・クリッピングにインスパイアされています。もっと具体的に言うと、ホワイトフェイスを含む私のお気に入りのRATのヴァージョンで特徴的なハイエンドの減衰を再現したかったので、LM308というオペアンプの代わりにプリゲイン・フィルタリングを用いています。

DRVはBondi Effectsのジョノ・アシュリーと共に開発を行ったもので、プリゲインフィルタリングはこのペダル;のデザインにおいて主要な変更の一つでした。また常にONの状態のプリアンプが回路の前段にあります。他にもバッファード・アウトプット、ソフトタッチのスイッチなども変更されています。

Matthewのペダルコレクション。

 

・他のディストーションペダルと比べて、DRVをユニークなものにしているのはどのような点だと思いますか?

Matthew: DRVは一般的なRATの回路に対して1/20程度のゲインを持っており、一見すると(歪の幅を)制限してしまっているように見えますが、実際にはこれがDRVノブにおいてより低いゲインセクションでのコントロールレンジを広げています。またDRVは私が聴いたどんなペダルよりもタッチへの反応がよく、プレイのダイナミクスに対してよりよく反応します。トーンも絶妙で、スムースかつリッチな響き、それでいてナイスな明瞭感とミッドレンジのパンチを持っています。

・ご自身も普段からDRVを使っていますか?どのようなセッティングで使用していますか?

Matthew: DRVは常に使っていますよ!最近では私のバンドのRelient Kのツアーに持っていきました。普段はより低いゲイン(ゲインがおおよそ9時かそれ以下)で使っています。すべてのノブを1時ぐらいに設定するとクラシックな歪みを得られるので、そこから始めるのもおすすめです。厳密には私はこのペダルを、自分がやりたいことのために、自分のためにデザインしたんです。なので私以外の人々が同様にこのペダルを楽しんでくれていて嬉しく思います!

 

1981 INVENTIONS - DRV レビュー

Matthw Hoopesの生まれ年と、彼がエフェクターに傾倒したきっかけが1981年初期のTube Screamerであったことにその名の由来を持つ"1981 Inventions"。 そのフラッグシップモデルとして生産されたDRVは、ヴィンテージ・マインドな手法で特徴的かつユニークなペダルを生みだすという、ブランドの価値観を象徴するデバイスです。 DRVはWhiteface期のRATから影響を受けていますが、クローンやコピーモデルとはサウンドは異なります。数あるRATインスパイアの製品の中でこのDRVが一線を画すのは、ミッドレンジのパンチと輪郭が失われない明瞭さが共存している点です。

Matthewが実際に使用しているようなローゲインのセッティングにすれば、歪み回路の前段におかれたプリアンプ回路がもたらす明瞭なミッドレンジのパンチを体感することができます。Sick Asの開発で知られるBondi EffectsがこのDRVの共同制作者であることも、このサウンドに一役買っているのでしょう。ゲインを上げても立体感を保ちながら、ピッキングに対して素直にドライブするサウンド感は格別で、バンドアンサンブルの中でしっかりとした存在感をもたらしてくれます。 プリアンプとして使用しても抜群で、他の歪みペダルにスタックしても埋もれることなく発音の良いミッドハイを堪能することができます。幅広く使用できるユーティリティ性と、RAT系の枠に収まらない明瞭なドライブ感はDRVを特別なデバイスへ押し上げています。

DRVはその見た目も魅力の一つで、曲げ加工の美しいスチール筐体に余白のバランスが絶妙なミニマルなデザインがペダルボードで存在感を放ちます。歴代のカラーバリエーションも豊富で、シックなモノトーンやネオンカラー、最近では1980年代のアメリカを舞台にしたドラマシリーズ"Stranger Things"にインスパイアされたカラーリングが登場しました。 国内へは入荷ごとにカラーリングが異なるため、市場に出ているDRVの中からお気に入りの1台を探してみるのも良いかもしれません。

現時点では"1981 Inventions"唯一のペダルであるDRVには、それだけの自信があり、また彼の音に対する責任感が現れているとも言えるでしょう。いわゆる”RAT系”の枠に収まらないそのユーティリティ性とサウンド。DRVはいつでも持ち歩きたい、頼れる相棒になるようなペダルなのです。

 

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