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GRACE design m908はモノラル、ステレオからイマーシブ・フォーマットまで、プロフェッショナルな制作環境を支えるモニターコントローラー。その高い信頼性から2020年の発売以来々な現場への導入実績を持つm908は、それに値するだけの音質、操作性、多くの機能を持っています。
『クローズアップ:m908』ではそんなm908の細かな特徴にフォーカスし、様々なプロフェッショナルの現場でm908が選択されている、その理由に迫ります。第三回の今回は、「RCU(リモートコントロールユニット)」にクローズアップ。シビアな現場に快適な操作性をもたらす、m908の魅力のひとつに迫ります。
オーディオをシームレスに制御するために、RCU(リモートコントロールユニット)には人間工学に基づいたデザインが採用されています。理想的なレイアウトで配置されたプッシュボタンやロータリーエンコーダーに加え、角度調整可能な傾斜台も実装。長時間の作業でもストレスなく、直感的に操作することができます。
視認性の良いカラーLCDディスプレイには、通常のオペレートで必要な情報が簡潔にまとめられています。作業中にモニター中のソースを確認したいときも、手間をかけずに一目で状況を確認することができます。
RCUは以上のような高い操作性だけでなく、その高い操作性を長寿命で実現する耐久性も特徴です。ディスプレイやスイッチ、エンコーダーは全て慎重に選定され、業務でハードに使用しても長年使い続けることができます。
m908ユーザーであり、第一線で活躍するDolby Atmosミックスエンジニア Matt Boudreau氏もこの耐久性について、”音楽制作のキャリアでは、すぐに買い替えることになるものを買ってはダメだ”と語っています。
(Matt Boudreau氏のm908インタビューはこちら)
RCUには各機能を自在にコントロールするためのプッシュスイッチが、理想的なレイアウトで配置されています。ボリュームや入力ソースの選択に加え、個別またはグループでのスピーカーミュート/ソロ、スピーカーシステムの選択など、よく操作する機能はワンアクションで、ストレスフリーにコントロールが可能です。
加えて好みの機能を自由にアサインできるABCボタンも備えるほか、入力ソース選択スイッチを同時押しするだけでサミングも可能。こだわりのあるスタジオワークの手法や手順を邪魔することなく、その作業効率や自由度を上げることができます。
RCUの背面には、高性能なヘッドホンアンプに簡単にアクセスできる1/4インチのヘッドホン端子や、トークバックマイクが備わっています。トークバックが有効でない時、トークバックマイクは簡易的なSPLの測定用としても機能し、リスニングポイントでの音圧レベルをディスプレイに表示することができます。
メインユニットとRCUを繋ぐケーブルは7.6mのものが付属しますが、長さが足りない場合はスタジオのレイアウトに合わせて制作も可能です。メインユニットがマシンルームにある大規模なスタジオ用として、30mのケーブル導入の実例もあります。
今回は多機能なm908をストレスフリーにコントロールできるRCUについて解説しました。ところでRCUがコントロールしているのは、様々な入力シグナルを統括し柔軟かつ快適にモニターへ出力するという、m908全体の流れと言えます。第四回のテーマは、この入力から出力の経路「オーディオフロー」です。お楽しみに。