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TG2-500はEMI/ABBEY ROAD STUDIOで1960年代後半~1970年代にかけて活躍したEMI TG12428コンソールのプリアンプモジュールを忠実に復刻したAPI500/VPRアライアンス対応のマイク/ラインアンプ・モジュールです。
ビートルズ後期や各メンバーのソロ作品、Pink Floydの名作「Dark Side Moon」などで聴かれるオーガニックで美しいロックサウンドが、あなたのスタジオに再現されます。
ついに発売されたTG2-500は、すでに発売されているTG2(1Uアウトボード版)と少しだけ仕様が異なっています。その違いについて少しだけ説明してみたいと思います。
ゲイン設定は+/-0からスタートし、COARSE GAINでゲインを決めFINE GAINで微調整、OUTPUTを調整し次段の機器に送ると言うのが、まず思いつくスタンダードな方法です。しかし、注目すべきはFINEだと言いながら可変幅が20dBもあると言う事。単純にゲインの微調整に使うには可変幅がありすぎる、楽しい仕掛けのにおいがプンプンします、Wade Goeke氏からの隠されたメッセージがあるようにしか思えなくなってきました。
例えば同じ40dBのゲインを得る場合
| Coarse gain | Fine Gain | Total Gain |
| +30dB | +10dB | +40dB |
| +35dB | +5dB | +40dB |
| +40dB | 0dB | +40dB |
| +45dB | -5dB | +40dB |
| +50dB | -10dB | +40dB |
-40dBu INPUT Total GAIN = 40dB @100kΩ Load
周波数レスポンスとTHD特性を測定してみますと、期待通り興味深いデータがとれました。水色のラインはCOARSE GAIN=50、FINE GAIN=‐10のセッティングです。特徴的なのはローエンドが軽くロールオフしています。縦軸がかなり拡大されていますので結構落ちているように見えますが‐3dB となる周波数は20Hzですのでサウンドを聴いてもローが足りない感じはありません。すっきりとフォーカスされた、そんな印象の質感を演出します。そして、どちらのラインにも見られますが高域のピーク、エアーバンドとも呼ばれる帯域が3~4dB持ち上がっているのが分かります。TG2の抜けの良い心地よいアナログ感はこのあたりが関係してきます。もう一方の黄色のラインはCOARSE GAIN=30、FINE GAIN=+10のセッティングとなっています。ローエンドは若干持ち上がっています、芯が強くて、大きく、高域のピークと相まって音源の距離が近くに感じられます。倍音は全体的に低いものの音像がグッとパワフルに浮かび上がります。
-40dBu INPUT Total GAIN = 40dB @600Ω Load
こちらのグラフは出力の負荷となる機器のインピーダンスを600Ωにした時の周波数レスポンス、THD特性を示します。負荷インピーダンス100kΩの時と比べると、高域のピークが無くフラットになっている事が分かります。倍音は少し増えていますがそんなに派手さはありません。ですが、しっかりとした中域の強さと明瞭さをあわせ持ったニュートラルな温厚さを感じます。抽象的な個人的意見ではありますがTG2はスーツにネクタイ、コロンで色気をまとった、学生時代はラグビー部のジェントルマン。そんな勝手な印象があります。TG2-500は追加されたFINE GAINコントロールによってGermanium Pre Ampのような明確な変化では現れないのですが、その個性をその付けているコロンを変えるくらいの事ができるような仕掛けが隠されています。
のサウンドと認識すべきなのかもしれません。しかし、最近の機器は10kΩ、47kΩ、100kΩなどと言ったハイインピーダンス入力の物が大半です。「NEVEとAPIの間くらいのカラッとした音、ちゃんと太さもスピード感もある」などと評されるのも、入力インピーダンスが高い機器に接続されたからと予想できます。実際、ダミーロードを接続して聴いてみると、特筆するほどのカラッと感ではなく、とてもナチュラルな印象でした。前回Germanium Pre Ampの時に書いた(かな?)ように、トランス入出力のアナログ機器は接続する機器によってもキャラクターが変わります。お手元に入力インピーダンスが高い機器しかない場合、600Ωなどの付加で使用した時のサウンドは体感できない、面白いのにこれはもったいない!!この前ふと思いついた「ダミーロードボックス」これの必要性をさらに感じてきました。