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Chandler Limited TG2-500, TG12345mkIV
Golden Age Project COMP-2A
導入事例

レコーディングエンジニア
速水 直樹 様

バズーカスタジオの前身であるスタジオ450でエンジニアとしての基礎を学び、フリーランスを経て、湾岸音響に参加。同スタジオが2012年に閉鎖して以降は再びフリーランスとなる。the band apartやTRI4TH、RANKINTAXIなど、ジャズやレゲエ、奄美島唄から河内音頭まで幅広いジャンルを手掛けている。

以前に速水さんが所属されていた湾岸音響のメインのマイクプリアンプとして導入されたVintech Audio X73Chandler Limited Germanium Pre Amp、そしてEQのGermanium Tone Controlなど、速水さんにはアンブレラカンパニーの取扱製品を長く使い続けていただいています。

今回は新たに導入していただいたChandler LimitedのEMI/TGコンソールのマイクプリ、イコライザーセクションをAPI500モジュールで復刻したTG2-500, TG12345mkIV、そして名機LA-2Aを再現したチューブ・オプティカル・コンプレッサーのGolden Age Project COMP-2Aについて、導入理由や使い方などのお話を速水さんのホームグラウンドであり、the band apartが所属するASIAN GOTHIC LABELのAGスタジオで伺いました。

★こちらのスタジオには、マイクプリとコンプレッサー、イコライザーなどの定番から拘りのアウトボードなどが常設されていますが、速水さんはこれらをどのように使われているのでしょうか。

録りの音作りの段階から、その機材の音が欲しくて使うことももちろんありますし、ミックスだけの仕事の時、送られてきた素材の音が細く感じた場合にトリートメントとして使ったり、他の素材に馴染むように音を訛らせる目的で使うこともあります。


★定番のUrei1176や1178もありますが、主にどんな楽器に使われていますか?

Urei1178は昔から好きで、最近もリズム録りの時にスネアの表と裏に使ったり、ギターなどに軽くリダクションさせて使うこともあります。最近は1176はあまり使わなくなって、ボーカルには主にdbx165やGolden Age Project COMP-2Aも使っています。


★Vintech Audio X73やChandler Limited Germanium Tone Control、Germanium Preは以前速水さんが所属されていたスタジオの時から使っていただいていますが、現在はどのように使われていますか?

X73は今もリズム録りの時に使ったり、EQとして使うこともありますが、ダビング、特にメインの楽器の録りにはX73よりも、今回導入したChandler Limited TG2-500を使うことが多くなりました。

Germanium Tone ControlとGermanium Preは、最近は録りの時にはハイハットに使っています。スネア周りのカブリをGermanium Tone Controlで抑えたり、ジャズのレコーディングではウッドベースのマイクやラインにGermanium PREを使っています。

Germaniumシリーズは良い歪み感が加味されて、音の粒立ちが良くなる印象ですね。


★先ほど話に挙げていただきましたが、今回、新たなアウトボードとしてGolden Age Project COMP-2Aの導入をしていただいた理由をお聞かせください。

今まであまり使ってなかった真空管やオプトタイプのコンプで良いものがあればと思っていて、COMP-2Aのデモ機を借りて試したら、アタックやスピードの緩さもちょうど良い印象で、またプラグインとは違って通しただけで質感に変化が起きて、直感的に使いやすく感じたので導入しました。

録りではほぼ回路を通すだけの目的で使うこともありますし、ミックスの中で楽器の音を立てたいような時にも重宝しています。


★Chandler Limited TG2-500とTG12345mkIVは2台ずつ導入していただきましたが、どのように使われていますか?

ギターアンプにSHURE SM57からTG2-500のマイクプリ、EQにはTG12345mkIV、リミッターは1178と繋いで録りましたが、気持ちの良い音でしたね。今回のthe band apartのレコーディングで、荒井のボーカルには暫く使っていなかったNeumann U87AiにTG2-500のマイクプリを使って試してみたら、今までのU87Aiの印象とはまた違って、抜けがとても良くなったので、今回のレコーディング(※)ではこの組み合わせを採用しました。

アコースティックギターにも使いましたが、中域に張りが出てあのThe Beatlesの質感を手にいれた気がしました。TG2-500も導入してからかなり使い込んでいますね。

あとミックスでは、例えばボーカルの音作りではTG12345mkIVとGermanium Tone ControlからCOMP-2Aやdbx165に繋いで使います。

TG12345mkIVを使うと抜けが良くなるので、とても使いやすいです。唄でもメロディで音程が低くなる時にオケに埋もれてしまう場合でも、存在感が出て聴こえやすくなります。


★TG12345mkIVは、現在の一般的なEQと比較して2バンドで選択できる周波数のポイントも限定されていますが、使い勝手はいかがでしょうか。

例えばNEVE系のEQは軽く掛けようとしても少し効きすぎてしまう分、録りの補正としても少し躊躇してしまいますが、TG12345mkIVは2バンドしかなくても周波数が良いポイントが揃っているし、掛かり具合も滑らかで録りの段階でも安心して積極的に使えるんです。

録音時の最低限の補正としても使えます。例えばウッドベースの収録で余分な低域が多くラインが見えづらいような時、その低域を削る時にTG12345mkIVのローのシェルビングがよく働いてくれました。周波数は90Hzと150Hzの切り替えのみですが、カーブの具合が適切なのでしょう、とても処理がしやすいんです。

the band apartの川崎のクリーントーンのリードギターを録った時には、ローをシェルビングで軽く持ち上げると音色に太さと存在感が出てきました。低域を持ち上げても籠ったりすることもなく深みを与えてくれました。

これは導入して良かったです。TG2-500とTG12345mkIVはあと2台ずつ、4chずつで揃えたいですね。


★速水さんの使い方にはとてもハマっているのですね。

そうですね、TG12345mkIVは音に芯が出てくるようなポイントが選べるようになっていて、痒いところに手が届くような使いやすさがあって、録りでも時間を掛けずに音を作れるんです。


★最後に、速水さんが感じているアナログ・アウトボードの良さとは何でしょうか。

オケの中で馴染みが良くなったり、音楽的に太くしたり抜けを良くしたり、プラグインで試して模索するよりもアナログのアウトボードを通すと答えを早く見つけやすいというか、解決するようなところに良さを感じて使っています。TGシリーズ、COMP-2Aとも、これからも使い続けたいと思っています。


★ありがとうございました。

 

※2018年に結成20周年を迎えたthe band apartが、9月19日に再録ベストアルバム「20 years」を発売します。このレコーディングではメインボーカルやギターをはじめ主要な素材の収録にTG2-500TG12345mkIVCOMP-2Aが使われています。

the band apart
ベスト盤 2018年9月19日発売 BEST ALBUM
20 years(トウェンティ イヤーズ)
品番:asg-042
価格:¥3,000(本体価格)+税

 

● 製品リンク

■ Chandler Limited / TG2-500
http://umbrella-company.jp/chandlerlimited-TG2-500.html

■ Chandler Limited / TG12345 MK IV
http://umbrella-company.jp/chandlerlimited-tg12345-mkiv.html

■ Golden Age Project / COMP-2A
http://umbrella-company.jp/goldenageproject_comp-2a.html

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