TG2-500はEMI/ABBEY ROAD STUDIOで1960年代後半~1970年代にかけて活躍したEMI TG12428コンソールのプリアンプモジュールを忠実に復刻したAPI500/VPRアライアンス対応のマイク/ラインアンプ・モジュールです。
ザ・ビートルズ後期や各メンバーのソロ作品、ピンク・フロイドの名作「Dark Side Moon」などで聴かれるオーガニックで美しいロックサウンドが、あなたのスタジオに余すことなく再現されます。
EMI / ABBEY ROAD STUDIOSのオフィシャル製品であり、開発はアビイロードスタジオとチャンドラー・リミテッドが共同で行っています。
1960年代後半から1970年代初頭のEMIレコード、そして伝説のレコーディングスタジオAbbey Road Studioで生み出された数々の歴史的名盤。そのサウンドの基盤となっていたのはEMIが独自に開発した「TGコンソール」でした。後期のビートルズやストーンズ、ジョンやポールの初期ソロ作品、ピンクフロイドなどのレコードで聴かれる鮮烈で力強いサウンドは、TGコンソールに搭載されたEMI TG12428プリアンプ・モジュールのサウンドです。
TGコンソールはEMIの開発部門「EMI Research Laboratories」が1967年から自社のスタジオのためにカスタムメイドした製品であるため生産台数の少ない幻のビンテージコンソールと言われています。現在ではアビィロードスタジオや元OASISのノエル・ギャラガー所有のものなど、現役で活躍しているものは圧倒的に少なくもはや伝説のコンソールとなっている感があります。
2003年にAbbey Road StudioはChandler Limitedの機器設計デザイナーであるウェイド・ゴークと共同でTGコンソールの研究プロジェクトを開始します。デジタルレコーディングがいよいよ主流になった時、そのオーガニックで美しく瑞々しいアナログサウンドが再び脚光を浴びることとなったのです。ウェイド・ゴークはEMIに残されていた膨大な資料や実機を丹念に解読し、アビィロードスタジオのスタッフと共に完璧なレプリカを作り上げたのです。Chandler LimitedのTGシリーズは【英国EMI/Abbey Road Studioのオフィシャル製品】として一般にも発売されるようになりました。
コンプ/リミッターのTG1、マイクプリアンプのTG2、H.A+イコライザーのTG Channel そしてアナログミキサーのTG Mini Rack Mixerなど、現代に解き放たれたTGコンソールのサウンドは瞬く間に全世界のトップスタジオ、そしてクリエイターに広まっていきました。ビンテージ機器の定番であるNEVEやAPI、TRIDENT、PULTEC、FAIRCHILDなどの機器とはまた異なる素晴らしい個性が認められ、アナログサウンドを愛するクリエイターにとって無くてはならない道具となっていったのです。
あの”EQマガジン”をして『NEVEとAPIの融合的なサウンド』と言わしめた、2chヘッドアンプその音質は、一聴して力強いビンテージ系サウンド。 オーガニックなオープンサウンドは、どこまでも滑らかでスムース。多くのユーザーがクラシックNEVEサウンドを思い起こさせるとコメントしていますが、 CHANDLER LIMITEDのTGサウンドはもう少し独特なものです。
高域のトップエンドは、最良のビンテージNEVEよりもオープンで伸びやか、中低域にはより API的な力強さとパンチ感が存在しています。INPUTを強めに設定して倍音感を加えた重厚で温かいサウンドは、このTG2でしか間違いなく味わえない、贅沢なロック・サウンドです。今、引き継がれるべき永遠のクラシック・ブリティッシュ・コンソールのあの音質をレコーディングできます。
ますますプライベートな制作環境が充実しつつある現代において、コンパクトで持ち運びもしやすく、更に様々なメーカーの商品を自由自在に組み合わせられるAPI500モジュール(VPRアライアンス)の評価は高まるばかりです。TG2-500の登場でAPI500モジュールの選択肢にオフィシャルのAbbeyRoad=The Beatlesサウンドを加えることができるようになったのです。
TG2-500はTG2マイクプリアンプと同じ回路構成、トランジスタ、トランスフォーマーを装備しています。5dBステップ(10–60 dB)のステップゲインと+/-10dBのゲイントリムはオリジナルのEMIコンソールを忠実に再現、また300/1200 Ohmの入力インピーダンス切替がサウンドのバリエーションをさらに拡大します。もちろん最も重要なオリジナルEMI TG12428プリアンプならではの力強く滑らかで音楽的なサウンドが隅々にまで再現されています。ご安心ください、TG2で多くのユーザーが評価している「ビンテージNEVEのような‘warmth & punch’、NEVEよりも音楽的で驚くほどオープンなトップエンド」を持ったサウンドの全てはTG2-500に含まれています。
1UアウトボードバージョンのTG2には+/-10dBのトリムはありません。+/-10dBのゲイントリムを使用することで同じ量の入力ゲインを得る場合でも様々なバリエーションを作ることができ、そのバリエーションごとに異なる倍音のストラクチャーを表現できます。
例えば入力ゲインを+50dBにセットしたい場合には
1、5dBステップのCOARSEゲインで+50dBに設定して+/-10dBのゲイントリムを0に設定する場合
2、COARSEゲインで+40dB、+/-10dBのゲイントリムで+10dB
3、COARSEゲインで+60dB、+/-10dBのゲイントリムで-10dB
など、その他にも様々なゲインの組合せによる設定方法が存在します。
その組みわせによって得られる倍音成分は様々に変化します。もちろんアウトプットコントロールを更に組みわせる事で、クリーンサウンド~ファットで倍音たっぷりのサウンドまで、音楽に最も寄り添うサウンドを見つけだすことができるでしょう。
TG2-500 Specifications | |
Circuit | Discrete, Transistor, Transformer Balanced I/O |
Total Gain | +60 dB |
Coarse Gain | +20 — +50 dB (stepped, 5 dB) |
Fine Gain | ±10 dB (variable) |
Input | Mic/Line, switchable |
Input Impedance | 1200/300 Ω, switchable |
Phantom Power | +48V, switchable |
Phase (Polarity) | 0/180º, switchable |
I/O | 500 Series format (frame dependent) |
POWER | 500 Series format: +/-16V |
Max. current draw: | +16V @ +110mA / -16V @ -80mA |
Country Of Origin | Made in the USA |