プロオーディオ機材のシステム販売を経て、1998年にGRACE designやFMR Audioなどのプロオーディオ機材ブランドの輸入代理店業務をスタートさせました。インターネットの普及によって多くのインディペンデントな音響機材のブランドが世界に紹介されはじめた時代であり、Chandler Limited、Empress Effectsなどのブランドが起業し、私たちは共に成長してきました。私たちのコミュニティは少しずつその触手を伸ばし、Chase BlissやOBNEなどの比較的新しいブランドたちも仲間になりました。
株式会社アンブレラカンパニーの設立当時は、より室内で音楽を制作する事が多くなった時期でした。大きな業務スタジオでなくても、自宅に音楽が生まれる場所を作れるということに気持ちが高まりました。私の友人の素敵な自宅スタジオを訪問した時、そこには自作の防音ブースと本棚とテーブルがあり、音楽と生活が心地よく融合していたのを覚えています。その日は雨が降っていて、彼は静かな雨音を録音していました。「雨の日の室内音楽」、このキーワードは会社名である「アンブレラカンパニー」のオリジナルイメージになりました。
私は1990年代のニューヨークに好きな店が2つありました。1つはダウンタウンのタワーレコード近くにあった「Other Music」、もう1つはイーストビレッジにあった「SEE Hear」です。
「Other Music」は後に伝説のレコードストアになりましたが、当時は開店したばかりで私は毎週のようにそこに通っていました。彼らは店を訪れる客と話をして、会話から客の好きな質感や趣味性を理解し、的確にそして情熱的にお勧めのレコードを教えてくれました。ストアイベントがあり、今週ニューヨークで見るべきライブコンサートについても教えてくれました。彼らは新しいカルチャーを次々と私に見せてくれたのです。同じ趣向をもつ(少し変わった)人達が自然と集まってくるその空間はとても居心地が良かったことを覚えています。
「SEE Hear」はEast 7thストリートの1stアヴェニューと2ndアヴェニューの間にあったZINE(ミニコミ)を中心とした書店でした。まだインターネットもSNSなかった当時、アンダーグラウンドで何か新しいものに出会えるスリリングな場所の一つでした。コピー用紙をホッチキスで綴じた地下室のインディペンデント・マガジンの中に「Tape Op」がありました。私は当時Elliott Smithの大ファンで、全てのライブコンサートを録音するほどでした。彼は自宅のベースメントでカセットMTRとRadioshackのマイクで初期の素晴らしい作品を録音したのです。そして私が発見した「Tape Op」にはちょうどElliott Smithのレコーディングに関するインタビューが掲載されていたのです。そこにはカセットMTRやSM57マイクなどの低価格な機材だけでクリエイティブな作品を制作する為の情報やアイデアが綴られておりとても影響を受けました。(Tape OpはElliott Smithのレコーディングエンジニアであり、一時期はエリオットと共にレコーディングスタジオを経営していたLarry Craneが創立者です。私はつい最近彼に当時のエピソードを披露し、彼はそれをTapeOp誌に掲載してくれました!)。
私はこの手作りのZINEのおかげで帰国後レコーディング機材の販売に関わるようになり、2012年6月に株式会社アンブレラカンパニーをスタートさせることができました。
私たちアンブレラカンパニーの活動が一つでも多くの音の雨粒となって、クリエイティブな世界に降り注いでくれたらよいなと思います。わくわくするような私たちの製品が、お客様の音に役立ち、想像力を喚起させ、クリエイティブな創造をうみだす、そんな瞬間に貢献できることを嬉しく思います。
「アンブレラカンパニー」と末長くコミュニケーションしていただけますよう どうぞよろしくお願いいたします。
株式会社アンブレラカンパニー
代表取締役
山本 健雄
東京都 昭島市 中神町 1157-11
【勤務時間】 10時~18時 休日:土日祝日、夏季、冬季、GW休業、有給休暇
【雇用形態】 正社員 ※試用期間があります
【給与】 経験・能力を考慮の上決定いたします
【その他】 ・社会保険完備 ・交通費支給