Powered by

クリエイティブな音楽機材の
メディアサイト

アイキャッチ画像
アイキャッチ画像
アイキャッチ画像
Recording プロオーディオ

WesAudio ng500シリーズ・Timbre 導入事例 | studio dubreel レコーディングエンジニア Nori 様

studio dubreelにWesAudio ng500シリーズとTimbreが導入!

作業しやすいスタジオの雰囲気。目的に合わせて揃えられたマイクロホンやハードウェアのマイクプリアンプやコンプレッサー、EQ。そしてそれらを駆使して作品に仕上げるレコーディングエンジニアの技術。

「studio dubreel」さんは、音楽制作を行う上で理想的な条件が揃ったレコーディングスタジオです。studio dubreelのオーナーであるレコーディングエンジニアのNoriさんは、レコーディングからミキシング、マスタリングまで幅広い音楽ジャンルを数多く手掛けられています。

今回はNoriさんに、スタジオに導入された、プラグインコントロールに対応したアウトボード「WesAudio ngシリーズ」のステレオEQ、ステレオコンプレッサー、そしてオールチューブ回路のコンプレッサーTimbreなどについて、それぞれの導入理由、そして導入後はどのように活用されているのかを詳しく伺いました。

Nori (studio dubreel)

2007年よりstudio dubreelを立ち上げ、東海地方を中心に全国様々なアーティストの作品を手掛ける。

自身もギター・ベース・パーカッションのプレイヤーとしてアーティスト活動やセッションワークをしてきた経験を活かし、プレイヤー視点に立った音のバランスや世界観などを重視したエンジニアリングを得意としている。

『スタジオにはエンジニアのバランス感覚全てが表れる』というポリシーがあり、スキルやスタジオ環境、機材選びなど色々な側面から徹底してこだわり、常に進化をもとめて音を追求している。

https://www.dubreel.net/

ハードウェア/プラグインコンプレッサーと_RHEA

Noriさんがこれまでに使用してきたハードウェアとプラグインのコンプレッサーについて、それぞれの印象と使い分けについてお聞かせいただけますか?

ハードウェアコンプはPWM(Pulse Width Modulation)形式以外の動作タイプのコンプは所有しておりますが、どのタイプでもハードウェアとプラグインの大きな違いは、「タイム感?スピード感?のようなもの」と「色の付き方」の2点をよく感じます。

理論的には先読み出来たりするデジタルの方がAttackやReleaseはきっちり追従するような気がしますが、感覚的にデジタルは遅いというかヌルい感覚があります。アナログはこの辺りが操作した通り、きっちり追従する印象です。真空管ギターアンプの方が、ソリッドステートと比べて音の追従が早い感覚に個人的に似ていますね、、、ギタリスト以外には分かりにくくてすいません(笑)。

音への色の付き方ですが、ハードウェアコンプはナチュラルなゲインリダクションでも音が前に来ますし、ハードなゲインリダクションでドライブさせても使える音の印象ですね。どんな使い方でも、オケに収めた時に使えるカラーリングがされるように感じます。

ただ今っぽい音にしたい時は、トラッキング時にハード、MIXではプラグイン、というバランスの方が良い場合も多いので、この辺りはソースと方向性にあわせてチョイスしています。

WesAudio _RHEA

購入前に各機種のデモをお試しいただきましたが、まず_RHEAの印象を教えてください。

デモをさせてもらった際にまず感じたのは、音がきれいな印象でした。もちろん真空管機材なので色も付きますが、過度なものではなくコンプレッション感も癖が少ない印象でした。ですので、個人的にはグループバスやマスターバスに向いている印象です。

使ってみて気に入った機能はありますか?

グループやステレオBussではパラレル処理は必須になってくるので、MIX機能はとても良いですね。ファームウェアアップグレードによって対応された「MIXの%位置がどこでも出力ゲインが変わらない点」も素晴らしいと思います。

あと、ドラムグループなどで倍音が足りない場合にTHDを使う事があります。そのままでかける事は私はほとんど無いのですが、THDもMIX機能で数%混ぜる事ができるので重宝しております。

導入後、どのように使用されていますか?

うちのスタジオでは、ドラムのグループ処理やマスタリングのみの仕事で、通常のマスターチェーン処理でも一体感が弱い楽曲をまとめるのに使用しています。

ng500シリーズが収められたラック

_HYPERION、_PROMETHEUSとハードウェアEQのデジタルコントロール

続いてEQについてお伺いしますが、ハードウェアのEQはこれまでもお使いでしたか?

現状でハードウェアEQは8種類ほど用途によって使い分けていますが、基本SSLと_HYPERION以外は全てインダクター系のEQです。ハードウェアEQはブースト用途で使う事が多いので、ブースト時の音色が好みのインダクターEQを使用しています。

ステレオEQの_HYPERIONと_PROMETHEUS両機を導入していただきましたが、まず_PROMETHEUSについてどのような印象を持ちましたか?

インダクターEQが好みなので、まず_PROMETHEUSをグループ/マスター用途で導入させてもらいました。_PROMETHEUSは私が持っている同タイプのEQに対して、やはりキレイめな印象です。Pultec EQはHI Boostがインダクター回路なので、基本的にはハイブーストをメインで使用しております。

パッシブEQの_PROMETHEUSとは異なるタイプの_HYPERIONもお使いいただいてますが、こちらの印象は?

_HYPERIONは_PROMETHEUSに対して音色・機能面ともに補完し合うイメージだったので導入しました。アナログなのに細かいGain幅・周波数セレクト・Qに対応している点がマスタリング時にとても重宝しております。

マスター時には0.08dBステップで使用しますが、EQ処理の違いもiPhoneでしかチェックしない若いアーティストからのマスターへの感想と一致するケースが多いので、しっかり音に反映してくれていると思います。

MS処理についてですが、私はMIX工程から自分でかかわる案件では、基本使用しません。ただ、マスタリングのみの仕事でMIX工程に戻れないケースで、通常のEQ処理では対応できないケースでは、MSを使ってEQする事があります。アナログ機材のMS処理ですが、WesAudioはデジタル制御の恩恵なのか分かりませんが、イメージ通りのかかり方をしてくれるのが良いですね。

WesAudio _HYPERION(左), _PROMETHEUS(右)

それぞれのプラグイン・ソフトウェアはどのようにお使いでしょうか?

スタジオのマスターチェーンはデジタル・アナログで複雑なルーティングを組んでいます。マスターチェーン内のアナログ機材は、WesAudio以外に他社製のアウトボードや自作アウトボードも含まれますが、自作アウトボードのゲイン管理などにもWesAudioのプラグイン管理がとても重宝しています。

またA/B比較が出来るのも素晴らしいと思います。アナログEQのみですと、瞬時に切り替えて比較できないのですが、そこが可能なので的確なジャッジに繋がっていると思います。

EQのオートメーションについて、Noriさんが便利だと感じる使い方があれば教えていただけますか?

オートメーションはアルバムのマスタリング時に使っています。曲ごとに設定を変えたいので、曲が変わると各EQのバンクが変わるように事前に両方のEQのバンク設定をオートメーションで書いています。これで曲がスイッチしても瞬時にEQ設定が変わるので便利です。これは導入にあたって必須項目だったので、デモ機を試した時に問題なく動作するかしっかりチェックしました。

試して納得いただき、ご購入いただけて嬉しく思います。WesAudioのEQで特に気に入っている点があれば教えていただけますか?

やはりリコール性が素晴らしいと思います。両EQを導入してマスタリング工程の作業効率がかなり上がりましたし、無駄な時間が短縮されたと思います。あと、モノラルのアナログEQ 2台などと比べて、ステレオ使用時の音像が崩れない印象が良いです。

Supercarrier 2も複数台を導入していただきましたが、他社の機種との比較された点や、導入してみて感じた印象などありましたら、お聞かせください。

第一に音質の面、また3Uサイズで11ユニット入る点やモジュールの抜き差しが簡単な面も気に入っております。結果的に3台導入しました(笑)。

他の電源BOX(2種類)と比較して中域が自然な印象があり音質面で気に入っております。特にトラッキング時の音質はパフォーマンスに大きく影響しますので、トラッキング時に使う500系機材は「Supercarrier 2」にマウントして使っております。

デザインもシンプルで気に入っています。

studio dubreelに設置された3台のSupercarrier II

現代的かつ良質なカラーを持つTimbre

最後に、ngシリーズではないチューブ・コンプレッサーのTimbreも先日導入していただきましたが、気に入ったところをお聞かせください。

第一に現在所有しているアナログコンプでは出せない音色のカラーを持っている点ですね。これは、Timbreに関わらず機材・プラグインの導入時の第一基準になってます。

また音色のカラーリングが現代的といいますか、癖が強すぎない印象で色々なソースに合います。ですので使用用途もMIX・トラッキング(録音)と幅広く使える点も気に入ってます。

導入後はどのように使われていますか?

モノのメインパート(ボーカル・ベース・ギター)のMIXやトラッキングに使っています。この回路はかなりリダクションしてもコンプ感が露骨に出ない印象ですので、コンプ感が強いのを好まないシンガーのトラッキングに使いやすいですね。

また音色感は癖が強すぎないと先ほど言いましたが、それは癖の強いチューブコンプなどと比較しての話で、Timbreを通る事でしっかりと良い質感に変わります。特に声はタブつく事なく重心が下がり、倍音も増えるのでセクシーな声になりますね。ベースやギターにもとても良いです。

WesAudio Timbre

掛かり具合や質感の印象などはいかがですか?

Sta-level回路のコンプはもう一台、AB抵抗やNOSチューブで組まれたビンテージ傾向のものを持っていますが、そちらは相当色が濃いです。濃い分ハマれば唯一無二の音になるのですが、その分汎用性は低いです。よってトラッキングにも使いません。

TimbreはSta-levelのコンプ感などはそのままに幅広いソースにハマりますし、音色のチューニングも現代的なので出番の多いコンプとなっています。

MODE、RELEASE、サイドチェインフィルターなど、それぞれの機能の使い勝手はいかがですか?

IN、OUT、MODE、RELEASE、とコンプとしてのパラメーターはとてもシンプルですが、大体狙った音は作れるので困りませんね。しばらく触っても狙った音にならない場合、そもそも別のタイプのコンプに切り替える!というイメージで使っています(笑)。

サイドチェーンもSta-level系のコンプでサイドチェーンがあるものは少ない印象なので嬉しいですね。キックやベースで必要なケースではとても便利です。

どんなコンプレッサーを求めている方に勧めたいですか?

MIX・トラッキングと幅広い用途に使えますし、音色も現代的かつ良質なカラーを持っているので、モノソース用途のVari-muコンプを探している人は検討して損はないと思います!

ありがとうございました!

studio dubreelに導入されたWesAudio Timbre

リンク集

WesAudio 製品ページ:https://umbrella-company.jp/brand/wesaudio/

WesAudio製品はデモ機をご用意しております。 ご興味のある方は、お近くの販売店、または弊社までお問い合わせください。
デモ機のお貸出詳細:https://umbrella-company.jp/demonstration/

SHARE

Facebook Twitter リンクをコピー