DEATH BY AUDIOの怪作、Total Sonic Annihilation 2。 なんだこれは????
01/08

Total Sonic Annihilation 2。なんだこれは????
先日発表したDeath By Audioの新作ペダル、Total Sonic Annihilation 2(トータル・ソニック・アナイアレイション2/TSA2)。「検品作業です!」と称してあれやこれやと試しているのですが、とにかく底が見えない。世界中のどのペダルとも比較できない、怪作、ワンアンドオンリーすぎる機能と個性。
弊社の商品ページやYoutubeにいくつか上がり始めているペダルの試奏動画みても、Total Sonic Annihilation 2(以下TSA2)が一体なんなのか、想像がつきにくいかと思います。このペダルのメインの機能は「フィードバック・ルーパー」です。ループに繋いだエフェクターの出力をループ内で再度入力へ戻し、これを増幅させることによって意図的にフィードバックを発生させます。市販品だとDevi EverがかつてラインナップしていたEye of GodやTruly Beautiful Disasterが有名ですね。もともとのエフェクターで意図されていない使用方法ですので、予期せぬ発振やノイズが混ざり、まさに手持ちのエフェクターを「トランスフォーム」させることができるのです。
で、意図的にフィードバックを起こしているのだから音量は破壊的にデカくなるんですが、Death By Audioはここにボリュームコントロールを入れてきました。増幅されてとんでもないことになったループ音は、最終的にTSA2のLIMITコントロールで音量を調節できます。ありがてえ。とてつもなくデカいオシレートノイズ巨人の握る手は優しい。
この説明でもいまいちイメージが付かないかと思うので、検品作業で試した様々な組み合わせでも特にヤバい!!!となったマッチングをいくつかご紹介します。
TSA2 x Bondi Effects / SICK AS OVERDRIVE
歪み系ペダルをTSA2に組み込むと、基本的には限界を超えて発振します。同じオーバードライブペダルでも発振の仕方は全然違うし、逆に全く反応しないものもあります。上品かつオーガニックな雰囲気を持つオーバードライブのSICK AS OVERDRIVEは、全てをなぎ倒すような極悪オシレータードライブへ変化。この音がSICK ASから出てると思うと、なんだか笑えてきます。
TSA2 x Caroline Guitar Company / SHIGEHARU (コロンビア)
いくつか試した歪み系ペダルとの組み合わせの中でも、何故かSHIGEHARUだけはメーターの振り切れ具合がおかしい。TONEノブや、中域を調節するBODYノブをいじると様々に発振音が変化、ポイントによってマシンガントレモロにようになったり予測不可能。加えて通常ではオクターブアップ音を足すHAVOCスイッチは、悪魔を召喚する禁断のスイッチになります。
TSA2 + Walrus Audio / MONUMENT
トレモロ系ペダルは、TSA2に繋ぐと発振音がぶつ切りになります。MONUMENTはLFO波形の設定に「ランダムモード」を搭載していて、このモードでTSA2を組み込むと発振音がランダムにシーケンスし始めました。更にMONUMENTはタップスイッチでトレモロエフェクトのテンポを設定できるので、シーケンスのテンポをギターフレーズに同期させて弾いてみました。
ペダルボードまるごと、「トランスフォーム」させる。
よし、面白そうなのはわかった。でもルーパーってことはTSA2だけのためにループを組まなきゃいけないってこと?音はかっこいいけどめんどくさくない?
違うんです。
TSA2をオフにすると、ループに繋いであるエフェクターはそのまま使えます。
もう一度言います。
TSA2をオフにすると、ループに繋いであるエフェクターはそのまま使えます。
マニュアルにあるとおり、TSA2は普段使っているエフェクターボードを全てループに組み込むことを推奨しています。つまりTSA2を普段はバイパスしていつもどおりプレイ、そしてイッちゃいたいときはTSA2をキックすると極悪なノイズブラストができちゃうってことです。しかもTSA2はトゥルーバイパス、オフのときはループ内のエフェクターには干渉しません。
とやかと言わずにまずは普段使っているペダルボードを全部ループに組み込んで、起こるハプニングを楽しむのがいいと思います。
単体での音もヤバい。
フィードバックルーパーはループ内に繋いだエフェクターを変化させる目的のペダルなので、通常はそれ単体では機能しません。(Devi EverのEye of Godもそうでした)
ですがDeath By Audioが一筋縄で行くわけがなく、TSA2は単体だとファズペダル兼オシレートノイズ発生デバイスとして使用できます。このファズドライブがなんともかっこよく、他のDeath by Audioのどのファズペダルとも違う、ザラザラした疾走感のあるトーン。原音の解像度が意外にも高く、個性があるトーンながら使える場面はかなり多いと思います。
FEEDBACKノブを上げていくとファズトーンにオシレートノイズがブレンドされていく。発振ファズで代表的なFuzz Factoryなどよりも生々しいと言うか、とにかく圧がある感じ。個人的にはファズトーンにオシレートノイズを混ぜて、弦がミュートされる一瞬ノイズが漏れてしまうようなセッティングにしてかき鳴らしたい。
この記事だけでは、TSA2の深みは到底伝えきれません。
一番面白いのは、普段お使いのエフェクター/エフェクターボードを持って楽器屋さんに行き、すべてをこのTSA2のループにぶち込んで台無しにすることだと思います。
ヤバい!!!!っていうマッチングを見つけたらぜひ私達にも教えて下さい。
さーて次はワウとコーラス繋いでみようかな。
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