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米国ロサンゼルスから高品質なエフェクターを作り続けるペダルブランド、29 Pedalsより新作JFETが発表、国内でも販売が開始されました。
JFETは29 Pedalsならではの色付けで、サウンドに美しい質感を与える特別なブースターです。
9cm四方に収まるコンパクトな筐体に収められたこの至極のブースターには、主宰Jesse Honigのこだわりが詰まっています。
そんなJesseのこだわりを、今回は技術的に深掘りしていきます。
数々の著名アーティストのエンジニアとして活躍し、プロオーディオ機材の回路デザインにも携わっていたJesseならではの設計の妙に迫ります。
JFETは初段のFETブースト回路で、サウンドにリッチな倍音をまとわせています。
FETを使ったCLASS A増幅回路を、倍音が発生しやすいバイアスポイントで動作させているようです。
ここで得られる倍音は二次/三次を比較的多く含みますが、それ以降の倍音はほとんど出ていないのは特徴の一つといえます。
この性質は真空管アンプの初段の動作の倍音のつき方に良く似ています。
2次の倍音は真空管アンプでも見られる特徴です。これによってサウンドはエンハンスされ、クリーントーンの領域でも存在感のあるキャラクターを作っています。
ブーストモードの切り替え回路では、サウンドのカラーを操っています。
やり過ぎない絶妙なカーブ、周波数のポイントなど、カラーの付け方については設計者Jesse Honigのセンス、この一言に尽きます。
このセクションはオペアンプを使用しトーンシェイプが組まれていますが、そのオペアンプにはFET素子を使用しているLF412が採用されており、ここにもFETへのこだわりがうかがえます。
LF412はFET素子で入力回路を構成したオペアンプで、レスポンスが良く、とても素直な質感を持っています。
間接照明で落ち着いた明るさ、気温25℃湿度50%に保たれたレコーディングスタジオみたいな、快適なでリラックスできる雰囲気を持つ音質。
突出した性能を誇るタイプではないが、いろんな意味でちょうどいい、そんなオペアンプです。
JFETのみならず29 Pedalsの製品の電源は、入力された電源をジェネレートし直し、オーディオ回路に最適な±の2電源方式に作り変えています。そのため、入力される電源の質に多少問題があったとしても、100%のパフォーマンスを保証しています。
広いダイナミックレンジ、低ノイズ性能、正確な演奏レスポンス、これらの特徴は質の高い電源抜きには実現できません。
加えて、強靭な出力回路も優秀な電源によって達成されます。
素晴らしい設計のオーディオ回路、それを支える電源回路、これらが相まって29 Pedalsのサウンドが作りあげられています。
このようなこだわりが詰まったJFETは、あらゆる環境で美しいテクスチャをプラスしてくれます。
歪みデバイスやアンプと組み合わせれば、そのポテンシャルを最大限に引き出します。
EUNAのようにインプットバッファーとしてももちろん、最後段に配置すれば、高域を更に煌めかせるようなシェイピングもできます。
真空管アンプと組み合わせたサウンドは一聴の価値があります。 特にFender系のアンプと組み合わせるとシルキーな倍音感が強調され、タッチへの反応も向上。そして何より、極上の弾き心地が生まれます。
29 Pedals JFETは国内でも発売中です。 音楽的なテクスチャに溢れた至極のブースター、その美しいサウンドをぜひ体感してみてください。