「大橋トリオ」のツアーバンドのベーシストとしても活躍中の近藤零さんの足元で、現在GRACE DESIGN FELiXが活躍中です。大橋トリオ:ohashiTrio TOUR 2016 ~10【TEN】~の全国ツアーでお忙しい中、機材についてのお話をお伺いすることができました。

またツアーのPAエンジニアである
佐川夏彦さん(株式会社サンフォニックス)にもコメントを頂戴することができましたので、プレーヤーとサウンドエンジニアそれぞれの立場からのFELiXの印象を記事にすることができました。ありがとうございます!
アコースティックギターのハイエンド・プリアンプ・システムとして大好評なGRACE DESIGN FELiXですが、そのサウンドの評判はバイオリンやチェロ、そして今回の事例のようにアコースティックベースにも拡まっており、サウンドの表現性を重視する世界中のトップミュージシャンに導入されています。
GRACE DESIGN FELiX 導入事例
Ray / 近藤零 (bass)
大橋トリオ:ohashiTrio TOUR 2016 ~10【TEN】~

『昨年から大橋トリオのツアーバンドに参加しています。彼のように明確なビジョンがあって、トータルにサウンドを追及するアーティストと一緒に音を出せることは、ミュージシャンとしてとてもやりがいがあります。
今年のツアーでは足元の機材を見直し、アコースティックベース用にFELiXを導入しました。
まず、音に艶があって。誇張感、とかいうのとは全く違う、澄んだ音色を出してくれますね。
これまでいろいろなミキサーやDIを使いましたが、どれも一、二点重要なところが足りず、セッティングで妥協してきました。FELiXは欲しかった機能がほぼ全部入っていますし、大きな筐体ながらも、トータルで考えればコンパクトにシステムをまとめることができます。』
『僕はCh1とCh2で、コンタクトマイクとピエゾPUをミックスしています。それぞれライヴでの利点、弱点があるので補い合うのですが、FELiXは完全にCh1/2独立で音色を詰めた後で納得いくバランスでミックスでき、DIから送る音に責任を持てます。もしトラブルがあった場合も、ほぼ全ての帯域をコントロールできるので対処しやすいですね。

一方、会場の響きへの対応やライヴ収録などでは、回線に余裕さえあれば、Ch1/2をパラで送ってエンジニアさんにバランスを任せた方がスムーズな点も多く、このツアーではそうしています。FELiXのDI Outは2系統あり、それぞれチャンネルミックスとチャンネル独立を選択可能なので、パラ送りの際にも各々のゲインやハウリングの回避などの基本的なところはコントロールしつつ、ピュアな音で卓に送ることができ、とても心強いです。』
『また、2つの入力をまとめてフットスイッチでミュートできるということも、簡単ながら大事な点です。以前の機材ではこのためだけに、わざわざステレオのボリュームペダルを間に接続していました。アコースティック楽器を増幅する際にミュートはとても大切ですが、配線は極力シンプルにしたい。また、ツアーではエレキベースも2本使うので、ペダルボードを占拠しないようにしなければいけません。
実際に使用して、モニター回線のベースの音や、同録を聴いても、生音のニュアンスが崩れないので毎回安心できますし、プレイのモチベーションも上がります。ステージのベースアンプ用に、ピエゾだけの回線を送ることもできる、というのも実用的ですね。』

またGRACE DESIGN FELiXへの新たな要望についてのご感想もいただきました。
こちらは本国GRACE DESIGNにもフィードバックして、よりフレキシブルな製品の発展につなげていけたらと思います。ご要望ありがとうごいました!
『至れり尽くせりといったFELiXですが、何点か要望もあります。
Boostは両方のチャンネルにかかりますが、かかるChを選択できるともっと良いかもしれません。さらにCutも設定できれば最強なのかなと(バンドの音量が上がる時にピエゾだけ上げる、逆にアルコの時にピエゾを下げるなど)。
Send-Returnもチャンネル選択できると良いかもです(ピエゾだけにコンプなど)。
個人的には、3つあるフットスイッチのうち使うのはMuteだけで、Boost機能も、現状ではあまり使うことがないです。アコースティックベースはダイナミックレンジが広く、ノーマルの状態でPA側で最適レベルを設定してもらうので、そこで(特にマイクを)Boostしてしまうとハウリングの危険が増すかなと。それよりも、「もう一つのMixバランスに切り替える」ためのスイッチとして、ここを使えると、嬉しいです。
ともあれ、こういった点を補って余りある機材です。これからも、長く付き合いたいなと思っています。』
セッティング:

アコースティックベースから2回線でFELiX のCh1/2に接続。それぞれゲイン/EQ調整の後、別々のDI OutからPA卓に送っている。エレキベース側はスイッチャープリアンプLehle Basswitch(右手前)のDI Outから送り、合計ベース3回線。ステージのベースアンプへの出力は、それぞれのプリアンプのAmp OutからBossのA/Bボックスを通して切り替えている。
佐川夏彦 PAエンジニア(株式会社サンフォニックス)
『大橋トリオツアーにて、ベース担当のRayさんがFELiXをアコースティックベースに導入した事によりこのモデルを知る事が出来ました。
PAにとってアコースティック楽器を扱うとき、楽器自体が持つ鳴りや響きまで再現する事はとても難しい事です。また演者の中にあるイメージや演奏者にしか分からない細かなニュアンスが捉え切れない事も往々にしてあります。
例えば再現性の高いプリアンプと精密なフィルター/EQがDIの前段階にあると、演奏者とPAに共通するアコースティックの問題を大きく回避出来る形になるのですが、FELiXは1台でこの全てを内包し、高い次元でPAの元へバランスアウトとして音を届けてくれます。』
『今ツアーでレイさんはアコースティックベースにラベリア型マイクとPUを使用しており、FELiXを通してそれぞれの回線をPAに送っています。
どちらの回線もPA的には殆どイコライジングで補正すること無しに、しっかりとミックスの中で存在を主張してくれています。
演者とPAが納得しながら音作りを進めていける環境を作っていく事が最終的にコンサートでの成功に繋がると思いますが、FELiXがその役割の一端になってくれている事は間違いないです。
またDIのスペックとしても優秀と感じるので、色々な楽器に試してみたいですね。』

大橋トリオ OFFICIAL SITE
http://ohashi-trio.com
Ray - electro and doublebass
http://stillbeat.com
株式会社 サンフォニックス
https://sunphonix.jp
