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Acoustic guitar equipments アコギ機材

DPAの<d:screet>ミニチュア・マイクロホン4060、4061の音質を検証

  DPAのマイクロホンは弊社でプロデュースしているコンサート収録業務では欠かせないマイクロホンであり、特にクラシックのコンサート録音では必ずと言っていいほどDPA 4006がメインのステレオマイクとして使用されています。 そんな聴きなれたDPAマイクロホンの音質ですが、DPAが発売している様々な小型マイクについてもその生楽器の響きを見事にキャプチャーできる性能は引き継がれており、DPA4099Gをアコースティックギターに使用したレポート記事などでも実証されています(https://umbrella-company.jp/contents/dpa-4099g/)   今回、DPAのミニチュアマイク 4060と4061について検証してほしいとのご依頼をいただき、本当は録音現場で4006との比較とかをやってみたかったのですが・・スケジュールが合わなかったので・・社内でちょっとだけ検証してみました。   DPA-4060-4061 ミニチュアマイクロホン 弦楽器   今回お借りしたのはDPA SMK4061(4061低感度ミニチュアマイクロホンのステレオキット)と、4060(高感度モデルをステレオで)です。以前も何度もお客さまのためにお借りしているので新たな感動はありませんが、最初見た時にはその小ささに感動しました!ある都内の小さなホールでDPA 4060を自作の針金のようなステレオバーにセットしてメインの(吊り?)ステレオマイクとしてご利用いただいたり、オーケストラの補助マイクとして使用したり、ウッドベースの収録用マイクとして使用したりと・・DPAの高音質ミニチュアマイクをテレビやシアターの仕込みマイクだけに使うのはもったいないと、サウンドを最重視するアプリケーションで使っていただき、どの現場でも高い評価をいただいています。   DPA-4060-4061 ミニチュアマイクロホン 弦楽器DPA SMK4060(高感度)、SMK4061(低感度)は、4060または4061のステレオキットで、必要なものが全てプラスティックの専用ケースに収められており、ステレオ録音がすぐにできるようになっています。キットにはウインドスクリーン(DUA0560)×5、マグネットマウント(DMM0011-B)×2、MicroDot→XLR3ピン、変換アダプター(DAD6001BC)×2、ユニバーサル・サーフェス・マウント(DMM0007)×5、バウンダリーレイヤーマウント(BLM6000-B)×2と4060または4061のステレオペアが収納されています。   DPA-IMK4060-IMK4061また他にもIMK4060、IMK4061と呼ばれる、4060/4061の楽器収録用キットも発売されています。ミニチュアダブルピン(DMM0002-B)×1、ミニチュア・ストリングス用マイクホルダー(MHS6001)×2、ウインドスクリーン(DUA0560)×5、マグネットマウント(DMM0011-B)×1、ユニバーサル・サーフェイス・マウント(DMM0007)×5、MicroDot→XLR3ピン、変換アダプター(DAD6001BC)×1に4060または4061マイクロホンが1個パッケージされており、様々な生楽器に対して適切なマイキングができるようになっています。例えばバイオリンへのマイク設置は以下の写真のように素晴らしいバランスとポジショニングで行うことができます。   DPA 4060 DPA 4061 マイクロホン     サックスもこのとおりスムースにマイク設置でき、演奏者は自由に動いて演奏できます。 DPA 4060 DPA 4061 マイクロホン     本日のマイク試聴はリファレンスに私が長年リファレンスとして使用しているEarthworksのTC30kペア、DPA4060と4061のステレオペアをそれぞれGRACE design SB-30マイクロホンバーに設置、GRACE m201 ADC をリファレンスのマイクプリアンプとして、アコースティックギター(Martin D-35)を弾いて比較してみました。マイク距離はかなりオフにしたり、オン気味にしたり、更にはサウンドホールに突っ込んだり、ギターに貼り付けたり、さらにはバイノーラル的に使用してみたりと・・・小さなミニチュアマイクだからできそうなことを色々試してみました。   まずはEarthworks のTC30kですが、まったく色付けがなく誇張した帯域がありません。レスポンスや空間再現も見事です。GRACE designマイクプリアンプとの組合わせは音の立ち上がりが高速で、音の消える際まで鮮烈で、アコースティックギターの複雑な倍音構成を見事にキャプチャーしています。とにかくリアルなサウンドで、感度に関しては高すぎて弊社の試聴ルームでは不完全な部屋の鳴りがどうしても入ってしまい、吸音パーテーションが欲しいところです。高域から十分に低いローエンドまで完璧にキャプチャーできています。低域は十分すぎるほど拾っているので最終的にはローカットして仕上げるようになると思います。 次にDPA 4060と4061を同じようにGRACEのステレオバーに設置し(TC30kのカプセルの位置に簡易設置)比較試聴してみます。4061は確かに感度やゲインが低めで扱いやすいサウンドではありますが、特にアコギなどの生楽器の録音などの用途ではこの低感度タイプを選択する意味はないように思います。よって4060を中心にレポートを続けてみたいと思います。   DPA-4060-4061 ミニチュアマイクロホン 弦楽器   DPA 4060ミニチュアマイクをL/RペアでABステレオマイクで聴いてみるとEarthworks TC30kに比較すれば少しレンジの狭いサウンドになります。これはDPA 4006に比較してももちろんそうなります。しかしこのサウンドは十分に使える臨場感を持ったサウンドです。アコギの繊細な弦のタッチや倍音は十分に拾えています。ナチュラルなサウンドで安いコンデンサーマイクにありがちなぎらつき感や嘘っぽさは皆無です。オフマイクにしてみても音場感が素晴らしく、このあたりは上位機種の4006譲りともいえます。Earthworks TC30kに比べれば中域のくぐもり感とトップエンドの解像度が気になるのは正直なところですが、この価格帯のマイクと比較すれば間違いなく群を抜くキャプチャー能力をもっていると思います。4006やTC30kとは比べ物にならないほど価格の安いマイクであることを考えれば強烈なコストパフォーマンス性を持っていて、それもミニチュアマイクである事を考えるとDPAマイクロホンの技術力の高さに驚かずにはいられません!無指向性ですからもちろん録音環境にはシビアで、拡声用途の場合にはケアが必要ですが「倍音や響き」をキャプチャーしたい場合には適していると思います。   次にマグネットマウント(DMM0011-B)を使ってアコギにマウントして使ってみました。このマグネットマウントは2つの磁石でアコギのトップ板を挟んでマイクを固定するものですが、かなり磁石が強力で実際にはギターのどの部分にも装着が可能です。マイク自体は無指向性ですのでライブでの使用には難しい部分もありますが、パフォーマンスを邪魔しない為のレコーディングにはとても便利なものです。ただしこの細いDPA 4060のマイクからのケーブルをアタッチメントに取り付ける際は、コードが切れてしまいそうで結構怖いです。実際にはそんなことは無いのでしょうが十分に注意したいものです。DPA 4060 DPA 4061 マイクロホン磁石はくっつく力が強烈すぎるで今度はユニバーサル・サーフェイス・マウント(DMM0007)にDPA 4060を取り付けて、両面テープでいろんなアコギの場所に貼ってみました。取り付ける場所によって全然音が異なるので面白いです。個人的にはブリッジ一弦側のチョイ下辺りなどなかなかのスウィートスポットもありましたが、やはりフロントからステレオマイクで狙うサウンドの方がトーンバランスが良かったです。   DPA-4060-4061 ミニチュアマイクロホン 弦楽器   サウンドホールにもマイクを突っ込んでみました。前にも書きましたがサウンドホールの内側にマイクを仕込んで僕は良い音だと感じたことがありません。やはり何度体感しても「ヘンな音です」・・・。   次に面白いことを思いだしたのでやってみました。ある記事で昔読んだのですが、普段アコースティックギターを弾く人は自分の耳の位置で、つまりアコギ本体より上の位置で両耳で音を聞いていて、その位置で聞くサウンドが演奏者にとっては一番しっくりくる音質になる。だから演奏者の耳の位置にマイキングすると良いのだと書いてありました。なかなか頭の両側にマイクスタンドでマイキングした状態でギターを弾くのも演奏しにくいと思いますが、このDPA 4060なら邪魔にならず気軽に実験できるのではないかと思ったわけです。 早速ヘッドホンの両耳のイヤーパッド付近にDPA 4060ミニチュアマイクをテープでピッと貼ってみました。マイクスタンドも太いマイクケーブルもないので簡単にこのようなセッティングを試せるのは楽でいいですね。   DPA-4060-4061 ミニチュアマイクロホン 弦楽器   この状態でヘッドホンをすればマイキング&モニタリングの両方がOKです! 早速試してみると、やはり!自然なサウンドです。確かにマイクで拾ってることを忘れてしまうような、部屋でギターを弾いているような聴きなれたサウンドになります。これはマイキング位置もあるとは思いますが、やはりDPA 4060のナチュラルなサウンド再現力も大きく貢献しているのだと思います。この状態で歌ってみると、これまた自分の部屋で歌っているみたいでなかなか面白いです。この手法でマイルーム弾き語り作品とか録音したらとても面白いのではないでしょうか?ただどうしてもマイク位置をすこし前方に持ってきたほうが低音のバランスが良くて、首と顎を前にぬぅっと突き出してアコースティックギターを弾く姿は「ほとんどゴリラ」。さらにこの唇が突き出た状態で歌うとちょっと間抜けな感じになり結構恥ずかしいです。一度試す価値のある「ゴリラマイキング」、ぜひステレオのDPA 4060で試してみてください。   DPA-4060-4061 ミニチュアマイクロホン 弦楽器   DPA 4060(4061)ミニチュアマイクロホンは、自由自在なマイキングが可能であり、その音質は生楽器の響きや鳴りを十分に収録できる実力を兼ね備えています。同価格帯のコンデンサーマイクに比較してもその性能はトップレベル。小さいからこそできる様々なマイキング手法はクリエイティブなレコーディングの可能性を拡げてくれます。 本当にこのマイクを一般の仕込みマイクだけに使用するのはもったいない!是非ミュージッククリエイターの方々にも積極的に使って欲しい小型マイクロホンです。         order_button    

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