伝説のトレモロ"Tremulator"の歴史
今から34年前の1982年、すでに数々の名作、名演を発表し、優れたルーツ・ミュージックの探求家、そして最高のギタリストとして、脂の乗り切ったプレイを披露していたRy Cooderの要望により製作された【トレモロ・ペダル】がTRM-1(Tremulator)です。
まだブティック・ペダルという概念のなかった時代に、本当に良いものだけをカスタムメイドで製作するというスタンスで開発された、正にブティック・ペダルの先駆けとなった製品でした。

ライ・クーダーが設計者のジェイムズ・ディメーターに相談したのは、『ライが愛用していたFenderチューブアンプのトレモロの音質やトーンを、どこにでも持っていけるコンパクトなペダルサイズに完璧に再現する』ことでした。
ジェイムズ・ディメーターは当時多くのアンプ設計を行っており、スタジオ・サウンドエンジニアやミュージシャンからすでに多くの支持を得ていましたが、ライ・クーダーの要望にこたえる形で、それらの真空管回路の細かなサウンドを研究し、何度もライと検証を繰り返した結果、その真空管の質感やトレモロのニュアンスを、見事に9V駆動のペダルサイズに、ソリッドステート回路で再現することができました。

その後はライを通じて、彼の友人でもあり、"Peter Gunn"などTwangyなギタースタイルの第一人者でもあるDwayne Eddieにも紹介され、じわじわとそのサウンドの完成度の高さは全米中に世界に広がっていきました。
その後30年以上にわたって、Tremulatorは数え切れないほどのトップ・ミュージシャンのサウンドをサポートし続けています。
wikipediaによるとE.クラプトンからE.ヴァン・ヘイレン、D.ギルモア、M.ランドウ、レディオヘッドなど、数多くの伝説的ギタリストの足元でDemeter Tremulatorが活躍しているとあります。もちろんライ・クーダーにとってTremulatorは相棒でもあり、今でも彼のフェイバリット・ペダルとなっています。
米国のGuitar Player Magazineは『50台のオールタイム・ベスト・ペダル』の中の1台にこのTRM-1/Tremulatorを選出し高く評価しています。
ユーザーリスト
● Jonny Greenwood of Radiohead (can be heard on "Bones" and "Lucky")
● Nick Valensi of The Strokes (can be heard on "Juicebox")
● Eddie Van Halen of Van Halen
● Eric Clapton

● David Gilmour
● Lou Reed
● Nels Cline
● Sonny Landreth
● Ben Harper
● Ry Cooder
● Tommy Emmanuel
● Michael Weiss
● Scott McKenzie
● Jamie Marshall
● Oz Noy
● Michael Landau
etc....
2016年 Tremulator Plus を発表!
輝かしい歴史を持ち、いまでも定番のトレモロ・ペダルとして発売されているTRM-1が、その伝説のトーンやサウンドはそのままに、多くのファンクションを搭載した、カスタム・ショップの『スペシャル・エディション』として生まれ変わりました!

オリジナルのTremulatorが持っている、温かみのある、音楽的なトレモロ・サウンドの肝とも言えるオプティカル・デザインはもちろんそのままに、Ry Cooderサウンドを作り出すために発案された Cooder(bias)ノブをフロントに配置、このノブにより回路上の光学ユニットのレシオを調整できるため、トレモロのキャラクターを自在に変化させることが可能です。このノブが真中のクリック・ポジションにセットした時が、ライ・クーダーのフェイバリット・サウンドになるよう設計されています!
技術解説&レビューはこちら

またWaveノブでは、真中のクリック・ポジションがNormal(オリジナル TRM-1のサウンド)、さらにトレモロ波形を Triangle(三角波) ~ Square (矩形波)まで連続可変で調整できます!
トレモロ・サウンドの表情はCooder(bias)ノブと、このwaveノブの微妙な組合せで、様々に変化させることができますので、様々なサウンドを試すことができるでしょう。
現在のマーケットにある様々なデジタル・プリセットのトレモロ効果にくらべ、アナログ回路を組み合わせてニュアンスを追い込んでいく本機のサウンドには、30年以上もの間愛され続けている理由を感じられると思います。Tremulator Plusではこの2つのノブの組合せだけで無限の表情をクリエイトする事ができます。

またトレモロをオンにした時に、やはり微妙に全体の音量が変化すると感じられることは多く、従来のTRM-1はゲイン・ノブがついてなかったので、この部分は不満要素だったのですが、今回の特別バージョン Tremulator Plusでは見事に解消されました。
さらに『トゥルー・バイパス仕様』、『RATEに連動して揺れを視覚的に確認できるLED』など、このTremulator PlusでDemeter Amplificationの考えるトレモロ・ペダルは「最終完成系」となりました。

Ry Cooderのために製作したプロトタイプのTremulatorを再現したTRM-1 RetroとJames Demeter。
『このペダルはトレモロ・ペダルというよりは、"Tremulator" というジャンルのペダルなんだ』とは、LAの有名なスタジオ・ミュージシャンであるSteve Carnellのコメントですが、Tremulator Plusではその価値がさらに高まっています。
Demeter AmplificationのTremulator plusは、米国カリフォルニア州の工房のカスタム・ラインで一台ずつハンドメイドで製作されています。
