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Recording プロオーディオ

クローズアップ:m908 第九回「DIM/MONO/MUTE」

m908の入力ソースの設定と機能にクローズアップ

GRACE design m908はモノラル、ステレオからイマーシブ・フォーマットまで、プロフェッショナルな制作環境を支えるモニターコントローラー。その高い信頼性から2020年の発売以来々な現場への導入実績を持つm908は、それに値するだけの音質、操作性、多くの機能を持っています。

『クローズアップ:m908』ではそんなm908の細かな特徴にフォーカスし、様々なプロフェッショナルの現場でm908が選択されている、その理由に迫ります。第九回の今回は、「DIM/MONO/MUTE」にクローズアップ。使用頻度の高いコントロールから、m908の実用性の高さを探っていきます。

コントローラー中央、エンコーダーの上にDIM/MONO/MUTEスイッチが並ぶ

DIM/(x-feed)スイッチ

モニターコントローラーにおいてDIM/MONO/MUTEは、言わずもがな使用頻度の高い重要な機能。m908ではそんなDIM/MONO/MUTEスイッチをより使いやすくカスタマイズすることが可能です。単純な機能のON/OFFのみならず、細かい減衰量の設定や適用するモニターの選択等、使い勝手をさらに高める設定が可能になっています。ここからはそれぞれの詳細を見ていきましょう。

まずDIM/(x-feed)スイッチでは、モニターの DIM のON/OFFの切り替えを行うことができます。DIMがONになるとスイッチが黄色に点灯します。ここではDIM がアクティブになった時のレベルの減衰量を調整でき、0dBから-30dBまで、0.5dBステップで変更可能です。

加えてDIMを適用するモニターパスを"speaker+headphone(スピーカー+ヘッドホン)" "spealers only(スピーカーのみ)" "headphones only(ヘッドホンのみ)"から選択可能。特定のモニターパスをあらかじめ設定した分だけ、ワンボタンでDIMすることが可能です。

DIMのセットアップ画面。SETUP スイッチを押してから、さらに DIM スイッチを押すことで開くことができる。

MONO/(L-R)スイッチ・MUTEスイッチ

次にMONOスイッチを押すことで、モノラルミックスを行ったシグナルを出力することができます。MONOが有効になっているとき、スイッチは黄色に点灯します。加えてMONO スイッチは長押しすることで、左チャンネルか ら右チャンネルを引いた逆相ミックス信号を出力する、L-R逆相ミックスモードへ切り替えることも可能です。

MONOとL-Rは独立して設定が可能で、DIMと同様にMONO/L-Rを適用するモニターパスを3つから選択することが可能な他、MONO/L-R信号の出力先をL/Rとセンターから選択することができます。加えて左右のチャンネルをミックスした際のアッテネート量を、MONOでは0dBから-12dBの範囲で、0.5dB単位で設定が可能です。

MONOのセットアップ画面。DIMと同様に、SETUP スイッチを押してからMONO/(L-R)スイッチを押すことで開くことができる。

分岐方式で作られたセンター定位のシグナルは、モノラルミックスをした際に6dB増加することになります。そのためモノラルミックスではバランスをとるために-6.0dBで固定されることが多いのですが、対してL/Rいっぱいにパンされた信号などは0dBでバランスをとる必要があります。m908であればこれも解決することができ、音源やモニター環境に応じてステレオ時とモノラルミックス時の聴感をマッチさせることができるのです。

なおL-Rではミックスした際のゲイン量を0dBから+6dBで、0.5dBステップでの調整が可能。こちらでもモニターのしやすいラウドネスへと調整することができます。

L-Rのセットアップ画面。MONOと同様の設定項目になっている。

最後にMUTEスイッチでは、文字通りミュートをコントロール。スイッチを押して適用すると、MUTEスイッチは赤色に点灯します。ここではミュートを適用するモニターパスを、上記の2つと同様に3つから選択することができます。

よりスムーズで快適なオペレーションを行うためには、現場やプロジェクト、用途、目的に合わせて柔軟にモニターコントローラーを運用する必要があります。m908ではこのように重要な機能に便利な設定項目を備えることで柔軟な運用を可能にし、モニタリングに集中できる環境を用意しているのです。

MUTEのセットアップ画面。こちらも同様にSETUPスイッチ→MUTEスイッチと、2アクションでアクセス可能。

次回はX-FEEDにフォーカス

今回取り上げた3つのスイッチのうち、DIMスイッチにはまだ説明していない機能があります。それがx-feedです。ニュートラルな特性は維持したまま、リスニングの疲労を軽減しつつイメージングを大幅に向上するこの機能について、次回は深く取り上げていきます。

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GRACE design m908製品ページはこちら

グラミー受賞のマスタリングエンジニア、Brad Blackwoodが所有するスタジオに導入されているm908。

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