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Recording プロオーディオ

クローズアップ:m701 第3回「アナログI/Oスロット用のオプションモジュール」

GRACE design m701は、プロフェッショナルおよび商用スタジオ向けに開発された、マルチチャンネル・オーディオインターフェースです。「オーディオインターフェース」という枠には収まりきらないほど柔軟な構成を備え、シンプルなDAWシステムのスタジオから大規模なレコーディング、ポストプロダクションまで、あらゆる制作に的確に対応できる設計が特徴です。

第3回では、m701 の心臓部ともいえるアナログI/Oスロット用のオプションモジュールについて、それぞれの仕様や設定項目をまとめてご紹介します。

アナログI/Oスロット

アナログI/Oスロットには以下の4種類のモジュールを任意の組み合わせで装着できます。

  • ADC option:ADコンバーター・オプション(8ch入力)
  • DAC option:DAコンバーター・オプション(8ch出力)
  • 4ch mic preamp:マイクプリアンプ・オプション(4ch入力)
  • phono preamp option:フォノプリアンプ・オプション(2ch入力)

構成例

ADC option ×4枚(32ch)+DAC option ×4(32ch)
ADC option ×6枚(48ch)+DAC option ×2(16ch)
ADC option ×8枚(64ch)
4ch mic preamp option ×4枚(16ch)+ADC option ×3枚(24ch)+DAC option ×1(8ch)
など

起動時にアナログI/Oスロット(S1~S8)と、オプションモジュールスロットに装着されているカードを自動認識します。(※デジタルインターフェーススロットを除く) カードを後から追加・交換した場合も自動検出され、フロントパネルとWebUIに変更通知が表示されます。

※デジタルインターフェーススロット(INT1・INT2)のカード(Dante・DigiLink・Ravenna・USBなど)については自動認識されません。カードを追加・交換した後は、フロントパネル、または WEB UI の Setup→System メニューで手動による「インターフェースカード・セットアップ」が必要です。

ADC option モジュール

ADC オプションモジュールは、8チャンネルのADコンバーターカードです。

接続

入力はスロット背面のDB25コネクターから行います。ピン配列は AES59(Tascam規格) に準拠しています。一般的な8chアナログ DB25 ケーブル(Tascam規格、インチネジ)がそのまま使用できます。

主要スペック

項目 スペック
チャンネル数 8ch(1スロットあたり)
THD+N 0.0004%未満(-108dB)@ 1kHz, -1dBFS, 20Hz–22kHz
ダイナミックレンジ 117dB以上(22Hz–24kHz)/ 120dB以上(A-weighted)
フルスケール入力レベル +18dBu または +24dBu = 0dBFS(切替式)
入力インピーダンス(バランス) 20kΩ(DB25 or XLR)
チャンネル間クロストーク -140dB(1kHz)/ -127dB(10kHz)
IMD(相互変調歪) (IMD SMPTE 4:1 60Hz/7kHz)0.002%未満(-3dBFS)

設定項目(WebUI / フロントパネル共通)

設定項目 内容 設定値
Sensitivity(※1) ハードウェアの入力基準レベルを切り替える +18dBu = 0dBFS / +24dBu = 0dBFS
Digital Trim 各チャンネルのゲインを調整する -20dB〜+20dB(0.1dBステップ)
Link(※2) モジュール内の全チャンネルの設定を連動させる ON / OFF
ADC Filter Type オーバーサンプリングフィルターの特性を選択する Fast Roll-off Linear Phase / Fast Roll-off Minimum Phase / Slow Roll-off Linear Phase / Slow Roll-off Minimum Phase
Over Clear レベルメーターのオーバー表示をリセットする ボタン操作

※1: Sensitivity(感度)は+18dBuと+24dBuの2段階で切り替えられます。(+24dBuはより大きなヘッドルームが必要なときに使用します)
※2: LinkをONにすると、1チャンネルの設定変更がモジュール内の全チャンネルに一括適用されるため、初期セットアップ時に便利です。

DACオプションモジュール

DACオプションモジュールは、8チャンネルのDAコンバーターカードです。ADCと同様にアナログI/OスロットS1〜S8のいずれにも装着でき、最大8枚まで搭載可能です(最大64chのDA変換)。

接続

アナログ出力はスロット背面のDB25コネクターから行います。ピン配列はAES59(Tascam規格)に準拠しています。

主要スペック

 
項目 スペック
チャンネル数 8ch(1スロットあたり)
THD+N -115dB未満(-3dBFS入力、+15dBu出力、22Hz–22kHz)
ダイナミックレンジ 123dB(20Hz–22kHz)/ 125dB(A-weighted)
フルスケール出力レベル +18dBu または +24dBu = 0dBFS(切替式)
チャンネル間クロストーク -123dB(1kHz)/ -103dB(10kHz)
IMD (SMPTE/DIN 4:1 50Hz/7kHz)-107dB未満

設定項目(WebUI / フロントパネル共通)

設定項目 内容 設定値
Sensitivity ハードウェアの出力基準レベルを切り替える +18dBu = 0dBFS / +24dBu = 0dBFS
Digital Trim 各チャンネルのゲインを調整する -20dB〜+20dB(0.1dBステップ)
Link モジュール内の全チャンネルの設定を連動させる ON / OFF
DAC Filter Type オーバーサンプリングフィルターの特性を選択 Fast Roll-off Linear Phase / Fast Roll-off Minimum Phase / Slow Roll-off Linear Phase / Slow Roll-off Minimum Phase / Apodizing Linear Phase / Hybrid Minimum Phase
Over Clear レベルメーターのオーバー表示をリセットする ボタン操作

※ADCとDACのフィルターについて

ADC は4種類、DAC は6種類のオーバーサンプリング・フィルターから選択できます。DAC には ADC に無い「Apodizing Linear Phase」と「Hybrid Minimum Phase」の2種類が追加されています。

マイクプリアンプオプションモジュール

マイクプリアンプオプションモジュールは、m108やm801mk2と同等の回路を採用した4チャンネルのマイクプリアンプカードです。アナログI/Oスロット(S1〜S8)のいずれにも装着でき、最大8枚(32ch)まで搭載可能です。(2枚を隣接するスロットに装着すると、内部でリンクされ8chとして機能します)

接続

このモジュールには DB25 コネクターが1個付いていて、チャンネル1~4がマイクプリ回路に接続されています。チャンネル5~8は隣接するもう1枚のマイクプリモジュールとリンクするために使用されます。つまり、スロット番号が小さい方の DB25 コネクターに全8チャンネルがまとまります。(スロット番号が大きい方の DB25 コネクターは外部からのケーブル接続はできません。WebUI上では2枚のカードが「8チャンネルプリアンプ」として1つのパネルに統合表示されます。)

主要スペック

項目 スペック
チャンネル数 4ch(モジュール1枚)/8ch(モジュール2枚リンク時)
ゲインレンジ -6dB, +2〜+69dB(1dBステップ)
EIN(等価入力雑音) -129dBu(60dBゲイン、50Ωソース)
ダイナミックレンジ 119dB以上(20Hz–20kHz、14dBゲイン)/ 122dB以上(A-weighted)
THD+N -104dB未満(20dBゲイン、0dBu入力、1kHz)
最大入力感度(-6dBゲイン) +30dBu = 0dBFS
最小入力感度(+69dBゲイン) -45dBu = 0dBFS
入力インピーダンス(通常) 8kΩ(バランス)
入力インピーダンス(リボン) 20kΩ(バランス)
CMRR(同相除去比) 95dB以上(60dBゲイン、1kHz)
チャンネル間クロストーク -132dB(40dBゲイン、1kHz)
周波数特性 ±0.2dB(40dBゲイン、50Ωソース)15Hz–300kHz

設定項目 (WebUI / フロントパネル共通)

設定項目 内容 設定値・備考
Gain 各チャンネルのゲインを調整する。ゼロクロッシング検出機能によりゲイン変更時のクリックノイズを最小化する -6dB, +2〜+69dB(1dBステップ)
+48V(ファンタム電源) 48Vファンタム電源をON/OFFする。ソフトスタート・ソフトストップ方式により突発的なノイズを最小化。リボンモードがONの場合は無効化。 ON / OFF
rbn(リボンモード) リボンマイク使用時に有効化。+48Vを強制的に無効化し、入力インピーダンスを8kΩから20kΩに引き上げる。(多くのパッシブリボンマイクで低域のフラット特性が大幅に改善される) ON / OFF
Phase(位相) 入力信号の極性を反転する ON(反転)/ OFF(正相)
ADC Filter Type ADCのオーバーサンプリングフィルター特性を選択する(マイクプリカードはADCを内蔵) ADCと同様の4種類
Group(グループアサイン) 複数チャンネルのゲインを一括制御するグループに割り当てる(最大8グループ) グループ選択
Over Clear レベルメーターのオーバー表示をリセットする ボタン操作

マイクプリアンプのゲイングループ機能

複数のマイクプリチャンネルのゲインを同時に制御したい場合は、グループ機能を使います。WebUI の Setup→I/O ページから最大8グループまで作成でき、グループ名とカラーを自由に設定できます。グループに割り当てられたチャンネルは、いずれか1チャンネルのゲインを変更すると同グループ内の全チャンネルが同じ量だけ変化します。

グループに属しているチャンネルを個別に調整したい場合は、Shift キーを押しながら操作するか、グループの「enabled」チェックボックスを一時的にOFFにします。

最高峰のマイクプリアンプ回路を搭載

マイクプリアンプカードには、m108 や m801mk2 で培われた GRACE design の最高峰のマイクプリアンプ回路をそのまま搭載しています。300kHzまでフラットな周波数特性と、ほぼ完璧といえる優れた位相特性を実現。高いゲイン設定でも音が濁りにくく、各楽器の分離感を損なうことなく、低出力のマイクロホンでも極めて低ノイズで収録できます。その優れた性能は、スペック表からもご確認いただけるでしょう。

リボンマイクをご使用の際は、必ず rbn(リボンモード) を ON にしてから接続してください。20kΩ の高い入力インピーダンスで受けることでリボンマイクへの負荷を軽減し、本来持つ高域の伸びやかな特性と引き締まった低域を最大限に引き出します。また、リボンマイク特有の滑らかで自然な質感を保ちながら、優れたトランジェントレスポンスによるクリアな収録を実現します。

フォノプリアンプモジュール

4チャンネル(フォノ入力2ch、ライン入力2ch)仕様の拡張モジュールです。RIAA フォノプリアンプ機能を追加することで、m701 の AD/DA I/O 構成を手軽に拡張できます。

4チャンネルのうち、1~2チャンネルは高性能なフォノプリアンプ入力、3~4チャンネルはアンバランスのラインレベル入力として機能します。

リンク集

GRACE design m701 製品ページ:
https://umbrella-company.jp/products/m701/

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