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Recording プロオーディオ

クローズアップ:m908 第17回「ルームEQ」

GRACE design m908モニターコントローラーの魅力に迫る『クローズアップ:m908』。
今回は「ルームEQ」について解説いたします。

m908のスピーカー出力の各チャンネルには、コントロールルーム内のわずかな周波数特性の収差を補正するためのルーム・レスポンス補正用のパラメトリックEQが搭載されています。

総数288バンド用意されており、チャンネルあたり最大12チャンネルまで増設可能です。(ファームウェアバージョン2.0.1以降)

RCUの画面には、最大で12バンドまでのイコライザーバンドが表示できる

それぞれのEQは、ローパス(low pass)、ハイパス(high pass)、ローシェルフ(low shelf)、ハイシェルフ(high shefl)、ピーク(peak)を選択できます。

Room Correction EQ 画面には、選択したスピーカーの最大で12バンドまでのパラメトリック・イコライザーバンドが表示されます。

  • Hz:選択したフィルターの中心周波数、またはシェルフ周波数を、可変範囲はOFF、10Hz〜20kHzで、約1/24オクターブの間隔、246ステップで調整できます。
  • dB: 0.1dBステップで-12db~+ 12dBの範囲をブーストまたはカットできます。
  • shape:フィルター・シェイプを、ローパス(low pass)、ハイパス(high pass)、ローシェルフ(low shelf)、ハイシェルフ(high shefl)、ピーク(peak)から選択できます。
  • Q:ピークフィルターのQレンジを0.02~50の値で設定できます。

ルームEQのWEBブラウザ画面

- Dolby Atmos Musicのターゲットカーブ用としても活用可能

キャリブレーション機能を備えたスピーカーシステムやプロセッサーをお使いの環境でも、例えばDolby Atmos MusicのターゲットカーブのEQを適用することもできます。その場合、m908のワークフローでEQをバイパスしたワークフローとEQでDolby Atmos MusicのターゲットカーブのEQを適用したワークフローを作成し、プロジェクトに合わせて選択してご利用いただくこともできます。(スピーカーシステムをDolby AtmosとDolby Atmos Musicの2つ作成し、CRスイッチで作業に合わせて切り替えて使う方法もあります)

Dolby Atmos Music のターゲットカーブについて、詳しくは以下のDolbyのページ(英文)をご参照ください。
https://dolby.my.salesforce.com/sfc/p/#700000009YuG/a/4u000000lFIV/YHgXgrJVKAcelcXkD.DnlRUBZU1CqEMGDKweLRpuu98

Dolby Atmos MusicターゲットカーブEQを適用するには、以下のバンドを追加する(上)。追加したターゲットカーブの周波数特性。Dolby指定のカーブからの最大誤差は±0.5dBに収まっている(下)

- Sonarworks SoundID Referenceに対応し、正確な音響補正を実現

これまでのm908では、キャリブレーション機能を備えたスピーカーシステムや、高精度なルームコレクション機能を搭載したプロセッサーを使用することで、再生環境の音響的な問題を改善し、理想的なモニタリングを実現していましたが、結果的にモニターシステム全体のコストが膨らんでいました。

今回、m908(ファームウェアVer.2.2.2以降)がモニター環境補正システム「Sonarworks SoundID Reference」と統合されたことにより、キャリブレーションのプロセッサーを備えていない環境でも、低コストかつ簡単なセットアップで、最大9.1.6chのイマーシブオーディオ・モニターシステムにおける正確な音響補正が可能になりました。

Sonarworks SoundID Referenceで音量差や、周波数特性、位相特性を計測しプロファイルを作成

これまでもSoundID Referenceとm908を組み合わせて使うことはできましたが、フィルタリングやタイムアライメントの処理をSoundID Referenceで行うため、PC/Mac上で専用ソフトウェアを実行する必要がありました。今回の統合によって、測定したプロファイルをすべてm908に読み込ませてキャリブレーションを適用させるため、ソフトウェアを使う必要が無く、低レイテンシーでシームレスにモニタリングできるようになります。

また、Dolby Atmos Musicのターゲットカーブやフラットな周波数特性など、複数のカスタムプロファイルを作成できるため、用途に応じてm908のワークフローを柔軟に切り替えて使用することもできます。

Sonarworks SoundID Referenceについて、詳しくは以下のページをご参照ください。

● SoundID Reference 製品ページ
https://www.minet.jp/brand/sonarworks/soundid-reference-for-speakers-headphones-with-measurement-microphone/

● SoundID Reference for Multichannel
https://www.minet.jp/brand/sonarworks/soundid-reference-for-multichannel/

● Seamless integration with Grace Design m908(英文)
https://www.sonarworks.com/soundid-reference/integrations/grace-design-m908

SoundID Referenceで作成したプロファイルをm908にインポートすることで、リスニング環境を最適化

◎GRACE designブランドページはこちら

◎GRACE design m908製品ページはこちら

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