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Recording プロオーディオ

クローズアップ:m908 第15回「ベースマネジメント」

GRACE design m908モニターコントローラーの魅力に迫る『クローズアップ:m908』。
今回はサブウーハーを使用するイマーシブ/サラウンドのモニタリングには欠かせない「ベースマネージメント」について解説いたします。

ベースマネジメントは、信号の周波数帯域を分割し低音域をサブウーファーに担当させることで、最適な再生環境と正確なモニタリングを実現するシステムです。特に、部屋の定在波の影響が大きく、アコースティックな手法での調整が困難な場合や十分な低域性能を持つメインスピーカーの設置が難しい環境に効果を発揮します。

- ベースマネジメントに必要な機能を包括的にコントロール -

m908 は、ベースマネジメントに必要な機能を包括的にコントロールし、さまざまな再生環境や各種イマーシブオーディオフォーマットに対応します。主な設定項目は以下の通りです。

  • メインスピーカー用のハイパスフィルター
  • サブウーファー用のローパスフィルターおよびミックスバス
  • LFEチャンネルの+10dBゲイン調整

(イマーシブオーディオにおけるベースマネジメントの設定や推奨事項は、各フォーマットや使用する機器、接続などによって異なります。詳しくは各フォーマットのガイドラインを参照することをおすすめします)

m908のベースマネジメントのフローチャート

- LPF/HPFの各スロープやサブウーファーのモード選択など自由度の高い設定が可能 -

m908のベースマネジメント・セットアップは、CRスピーカー・セットアップメニューに含まれています。

m908はL/Rのサブウーファーバスを持っています。ステレオサブウーファーとして出力するか、ステレオサブバスをサミングしたモノラルのサブウーファーとして出力するか、システムに合わせてカスタマイズできます。LFEチャンネルのシグナルについてもミックスするのかしないのか、LFEチャンネルだけを使用するのか、この[sub mode]で選択します。

それぞれのスピーカーチャンネルでは、クロスオーバー周波数[crossover]ハイパスフィルタースロープ[slope hpf]ローパスフィルタースロープ[slope lpf]を個別に設定できます。

m908のベースマネジメントの設定画面

[crossover](サブウーファーチャンネル以外で設定可能)

クロスオーバー周波数を選択します。1Hz設定ステップ、範囲は 50~150 Hzです。

[slope hpf](サブウーファーチャンネル以外で設定可能)

ハイパスフィルターのスロープを設定します。以下から選択できます。

  • 6dB /オクターブ (6dB/oct)
  • 12dB /オクターブ (12dB/oct) Linkwitz Riley(LPF出力反転)
  • 18dB /オクターブ (18dB/oct) Butterworth
  • 24dB /オクターブ (24dB/oct) Linkwitz-Riley
  • bypass

減衰スロープは、使用スピーカーの特性や部屋の条件等を考慮し最適な特性を選択可能です。

また、ハイパスフィルターはバイパスする事ができます、その場合はフルレンジの信号がスピーカー送られます。

[lpf slope](サブウーファーチャンネル以外で設定可能)

ローパスフィルターのスロープを設定します。6、12、18、24dB/oct、またはoffから選択できます。(offが選択されている場合、そのチャンネルの信号はサブウーハーに送信されません)

[sub mode](サブウーファーチャンネルのみ設定可能)

sub modeでは、LFEの有無、LPF(ローパスフィルター)からのベースマネージメント信号のみ、またはLFEのみなど、さまざまなサブ構成を選択できます。

  • mono: すべてのLPF出力とLFEの信号のミックス
  • left: すべてのleftチャンネル と centerチャンネルのLPF出力 と LFE信号のミックス
  • right: すべてのrightチャンネル と centerチャンネルのLPF出力 と LFE信号のミックス
  • LFE only: ダイレクトなLFE信号
  • mono sub: すべてのLPF出力のミックス(LFEを除く)
  • left sub: すべてのleft と centerチャンネルのLPF出力のミックス(LFEを除く)
  • right sub: すべてのright と centerチャンネルのLPF出力のミックス(LFEを除く)

Note:ベースマネジメントの機能は、Monitor Controlセットアップ[monitor setup]画面から一括で(※)バイパスすることができます。(※LFEチャンネルの設定は除く)

また、頻繁にベースマネジメントをON/OFFする必要がある場合は、ユーザーABCスイッチにON/OFFの機能を割り当てておくと便利です。

Control Room / Speaker Setup ページの画面(WEBブラウザコントロール画面)

MixエンジニアのShane Grush氏が、新しいAtmosルームの設計、キャリブレーション、そして運用について語っています。m908はより良い仕事を、より効率的に行うための最適なソリューションとなります。

◎GRACE designブランドページはこちら

◎GRACE design m908製品ページはこちら

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