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GRACE design m908モニターコントローラーの魅力に迫る『クローズアップ:m908』。 今回はサブウーハーを使用するイマーシブ/サラウンドのモニタリングには欠かせない「ベースマネージメント」について解説いたします。
ベースマネジメントは、信号の周波数帯域を分割し低音域をサブウーファーに担当させることで、最適な再生環境と正確なモニタリングを実現するシステムです。特に、部屋の定在波の影響が大きく、アコースティックな手法での調整が困難な場合や十分な低域性能を持つメインスピーカーの設置が難しい環境に効果を発揮します。
m908 は、ベースマネジメントに必要な機能を包括的にコントロールし、さまざまな再生環境や各種イマーシブオーディオフォーマットに対応します。主な設定項目は以下の通りです。
(イマーシブオーディオにおけるベースマネジメントの設定や推奨事項は、各フォーマットや使用する機器、接続などによって異なります。詳しくは各フォーマットのガイドラインを参照することをおすすめします)
m908のベースマネジメントのフローチャート
m908のベースマネジメント・セットアップは、CRスピーカー・セットアップメニューに含まれています。
m908はL/Rのサブウーファーバスを持っています。ステレオサブウーファーとして出力するか、ステレオサブバスをサミングしたモノラルのサブウーファーとして出力するか、システムに合わせてカスタマイズできます。LFEチャンネルのシグナルについてもミックスするのかしないのか、LFEチャンネルだけを使用するのか、この[sub mode]で選択します。
それぞれのスピーカーチャンネルでは、クロスオーバー周波数[crossover]ハイパスフィルタースロープ[slope hpf]ローパスフィルタースロープ[slope lpf]を個別に設定できます。
m908のベースマネジメントの設定画面
クロスオーバー周波数を選択します。1Hz設定ステップ、範囲は 50~150 Hzです。
ハイパスフィルターのスロープを設定します。以下から選択できます。
減衰スロープは、使用スピーカーの特性や部屋の条件等を考慮し最適な特性を選択可能です。
また、ハイパスフィルターはバイパスする事ができます、その場合はフルレンジの信号がスピーカー送られます。
ローパスフィルターのスロープを設定します。6、12、18、24dB/oct、またはoffから選択できます。(offが選択されている場合、そのチャンネルの信号はサブウーハーに送信されません)
sub modeでは、LFEの有無、LPF(ローパスフィルター)からのベースマネージメント信号のみ、またはLFEのみなど、さまざまなサブ構成を選択できます。
Note:ベースマネジメントの機能は、Monitor Controlセットアップ[monitor setup]画面から一括で(※)バイパスすることができます。(※LFEチャンネルの設定は除く)
また、頻繁にベースマネジメントをON/OFFする必要がある場合は、ユーザーABCスイッチにON/OFFの機能を割り当てておくと便利です。
Control Room / Speaker Setup ページの画面(WEBブラウザコントロール画面)