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GRACE design m908モニターコントローラーの魅力に迫る『クローズアップ:m908』。 今回はm908のスピーカーセットを自在に切り替えられる便利な「ボリュームノブ(ロータリーエンコーダ)」について解説いたします。
m908はプッシュ機能付きのロータリーエンコーダを使用して、スピーカーシステムの音量レベル、ヘッドホンの音量レベルのコントロールや設定したボリュームレベルのプリセットを呼び出すことができます。
ボリュームエンコーダを回すと、モニタリングレベルが0.5dBステップで増減します。ボリュームエンコーダを押すことで、コントロールルームとヘッドホンコントロールを切り替えることができます。
また、SETUPスイッチを押してからボリュームエンコーダを長押しすることで[monitor setup]の画面に切り替わりモニターコントローラー周りの設定をすることができます。
以下は設定項目になります。
ボリュームのコントロール[level control mode]は2通りから選択可能です。
(standard)は、ゆっくり回すと0.5dBステップで変化し素早く回すと大きく変化します。(coarse / fine)では、普通に回すと4.5dBステップで変化し、エンコーダを押しながら回すと0.5dBステップで変化します。coarse(粗い)4.5dBステップとfine(細かい)0.5dBステップを使い分けできるモードで、ユーザーがオペレートしやすいコントロールを選択できます。
スピーカーレベルのディスプレイには2つのモードがあります。
・スタンダートモード(standard):コントロールルームレベルのレンジは、0-100。0はミュート、96がユニティゲインです。 ・リファレンスモード(reference):任意のボリューム値を基準に指定し、相対値でレベル表示を行います。
現在のコントロールルームのモニターレベルが表示されます。standard では、0 はミュート、100 が最大値(0.5dBステップ)です。96でユニティーゲインとなります。reference では、ユーザーが指定したリファレンスレベルを基準に相対的な表示を行います。リファレンスレベルを規定のSPLに合わせれば実際の音圧レベルを意識した作業環境を作ることができます。
上記のリファレンスモードで使用するスピーカーの基準レベルを、0~100の範囲で0.5dBステップでユーザーが設定できます。 スタンダートモードで合わせた現在のボリューム値において、リファレンスモードに切り替えた時に表示される数値を指定します。
スピーカーシステムの最大音量レベルを設定できます。設定範囲は0.5dBステップで<0-100>です。
ホーム画面で、ボリュームエンコーダを長押しした時に呼び出される、スピーカーシステムまたはヘッドホンのプリセットレベルを設定します。この設定によって、通常作業時のボリュームを瞬時に正確に呼び出すことができます。
電源を投入した際のスピーカーシステムの音量レベルを設定することができます。設定範囲は0.5dBステップで<0-100>です。
LFEチャンネルのローパスフィルターのカットオフ周波数を設定します。bypassまたは80-120Hzの間を1Hz単位で設定できます。
LFEチャンネルのローパスフィルターのスロープを選択できます。選択可能なオプションは<6,12,18,24dB/octave>です。
LFEチャンネルのゲインを、0.5dB単位で0db~+10dBで設定できます。
ベースマネジメントの有効(Enables)、無効(disabled)を選択します。無効(disabled)を選択するとチャンネルごとに設定した全てのベースマネージメントに関わる設定をバイパスします。
m908を象徴する大きなエンコーダーノブ。人間工学に基づいたRCUのデザインは長時間の作業でもストレスを感じさせず、全てのファンクションを合理的に制御できる。音質や機能に加え、この操作に関するストレスの無さもm908が多くの業務スタジオで採用される理由の一つだ。