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Recording プロオーディオ

クローズアップ:m908 第10回「X-FEED」

GRACE design m908モニターコントローラーの魅力に迫る『クローズアップ:m908』。
今回はよりナチュラルなヘッドホン・リスニングを実現する「x-feed」についてクローズアップいたします。

HRTFとは

音は耳に届く前に、頭、耳の形、肩などにぶつかり、その音は反射や吸収され、音は微妙に変化します。たとえば、音が右から来る場合、右耳に届く音と左耳に届く音ではタイミングや音の強さがわずかに異なります。これらの違いが脳に伝わることで、音の方向を判断できます。

ラウドスピーカーを部屋で聞く場合には、左の耳は主に左のスピーカーからの音声を聴きます。(逆もまた同じです。)ですが、右のスピーカーからの音声はやや低いレベルで、右の耳に届くより左の耳に届くほうが若干時間を要します。同様に左の耳に届く右スピーカーの音は、音波が頭の形の回りを伝ってきているので、フラットな周波数特性を失っています。脳は信号の遅延、レベル差、周波数レスポンス特性から音の場所を処理し、聴覚イメージを形成します。

一方ヘッドホンを通してステレオ信号(またはダウンミックス信号)を聴くとき、左右それぞれの耳は1つのトランスデューサーからの音を聴くだけで、両耳の間の音が混ざることはありません。この様な状況では、分散された音のイメージから正確な聴覚イメージを生成するために脳が使える手がかりがありません。その結果、音は頭の左端、右端、または中心に集中するようになります。音の位置をイメージングするする手がかりが無いので、脳はヘッドホンからくる音を処理するか時間がかかり、その結果長時間のリスニング時の疲労に繋がることがあります。

HRTF(Head-Related Transfer Function、頭部伝達関数)は、音源から音が耳に届くまでの現象を伝達関数で表したものになります。

DIM / (x-feed)スイッチを長押しすると、ヘッドホン出力の中のヘッドホンクロスフィード回路を有効にします。
x-feedが有効になると、ディスプレイ上のヘッドホンレベル表示の右側にシンボルが表示されます。

x-feed機能

m908のx-feed機能は、緻密に設計されたシグナルクロスフィード、フィルタリング、ディレイ回路を使用してHRTFを再現し、正確なイメージングとニュートラルなトーンキャラクターのバランスを実現します。これにより、ヘッドホンを使用しているときのリスニングの疲労を軽減しつつ、イメージングを大幅に向上するラウドスピーカーのリスニング環境の音響をシミュレートします。

リスニング目的の場合、そのような環境をより積極的に再現することがありますが、トーンを更に色づけてしまうことになります。レコーディング/編集/ミックスといったプロセス中のシビアなモニタリングに対して、m908のクロスフィード回路は究極にニュートラルな特性を発揮することを実感できるでしょう。

m908クロスフィード回路のレスポンスと周波数レスポンス。このグラフではヘッドホンアンプのチャンネル1が使用されています。2本のトレースはダイレクトチャンネルと反対側(クロスフィード)チャンネルを示しています。

Peter Gabriel によって設立されたReal World Studiosでは、Dolby Atmos 9.1.4のモニタリングの為に2台めのm908がインストールされました。このThe Big Roomと呼ばれる世界的なスタジオのコントロールセンターとして、豊富な機能セット、システムの柔軟性、信頼性、定評のある音響性能をm908が担っています。

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