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GRACE design m908はモノラル、ステレオからイマーシブ・フォーマットまで、プロフェッショナルな制作環境を支えるモニターコントローラーです。2020年の発売以来、その高い信頼性から様々な現場への導入実績を持つm908は、それに値するだけの音質、操作性、多くの機能を持っています。
『クローズアップ:m908』ではそんなm908の細かな特徴にフォーカスし、様々なプロフェッショナルの現場でm908が選択されている、その理由に迫ります。第一回の今回は導入として、「現場で選ばれ続けるm908」をテーマにご紹介します。
m908は、5.1chサラウンドモニターコントローラーであるm906の後継機種に当たります。開発当初はm906にいくつかチャンネルを加えるところからスタートしましたが、最終的なチャンネル数は24に。この設計に至った大きな理由としては、イマーシブ・フォーマットへの対応が挙げられると言います。
今でこそ日本国内でも需要の高まりを見せているイマーシブ・オーディオですが、開発当時はまだ黎明期。そんな中でも、イマーシブ・オーディオの最先端にいるプロフェッショナルと緊密なコミュニケーションを取ることで、まさしくプロフェッショナルに向けた設計が完成したのです。
2020年の発売からイマーシブ・オーディオの成長や躍進とともにあったm908は、今や世界各地のイマーシブ・オーディオ環境に、スタンダードの一つとして導入されています。映画やテレビのポストプロダクション、ストリーミングサービス、音楽スタジオ、放送局などはもちろん、Epic Gamesをはじめとするゲームスタジオなどにもm908がインストールされています。
国内でm908を導入した例としては、映画やアニメーションのポストプロダクションを手掛ける、IMAGICAエンタテインメントメディアサービスの「汐留サウンドスタジオ」が挙げられます。この汐留サウンドスタジオでのm908の活用に関しては、こちらのインタビュー記事にて詳しくお話しを頂いています。
このように、m908が導入されているプロフェッショナルな現場はまさに多種多様。上記のようなイマーシブ・フォーマットのワールドクラスな施設から、7.1.4ワークフロー用にセットアップされた小さな個人スタジオまで、あらゆる環境で導入されています。
ここまで多様な現場でm908が選択されている理由は、「機能性、操作性、音質」の3つに大別されます。
スピーカーやトークバック、CUE、ヘッドホンモニターなどによる多様な構成すべてに対応し、充実したキャリブレーションを含む多様なユーティリティを備えることで、最大限の柔軟性をもたらす機能性。
人間工学に基づいたコントローラーユニットの設計やWEBブラウザコントロールが可能にする、シビアなスケジュールで動くプロフェッショナルを助ける操作性。
こだわり抜かれた回路設計やパーツ選定によって、ディテールやニュアンスを失わずに完璧にサウンドを再現する、完全なるトランスペアレント・サウンドを実現した音質。
次回からはこれらの要素をより細かくピックアップし、m908の可能性や魅力を解説していきます。 第二回のテーマは、モニター出力の「CR OUTとCUE/EXT OUT」です。お楽しみに。
【第二回はこちら】