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Desktop synth デスクトップシンセ

BASTL INSTRUMENTS "SOFTPOP SP2"にデジタルVCOファームウェアが登場!

 

セミモジュラー・シンセサイザーとは?

セミモジュラーシンセとは、ベーシックなモジュラーシンセの機能が集約された機器であり、あらかじめ内部でパッチングされた回路構成で、難しいパッチング無しでもベーシックな演奏を楽しむことができます。もちろんパッチポイントは無数にあり端子にパッチケーブルを挿すことで、あらかじめ結線されているパッチポイントに割り込むことができます。ユーロラックフォーマットなどのモジュラーシンセでは、通常はモジュールの組み合わせによってサウンドが構築されるので、複数のモジュールを揃えないと演奏ができない事が多いのですが、セミモジュラーシンセの場合は単体で完成度の高い演奏を行う事ができ、さらに外部の機器とのパッチングや接続も可能になります。またモジュラーシンセを始めてみたいと思っても、最初に専用の電源ラックを購入しないとスタートがきれないのでどうしても敷居が高くなってしまうのですが、セミモジュラーシンセだと電源が一体化している製品も多く、家に届いてすぐにモジュラーシンセの愉しみを享受できるのは大きな魅力になっています。まずはセミモジュラーを入手して遊んでみたり、仕組みを理解してみて、その後本格的なモジュラーシンセのシステムに発展させていくユーザーも多くいるようです。例えばユーロラックフォーマットのセミモジュラーシステムを購入して、その後さらにモジュラーの世界を拡大していきたければ、ユーロラックフォーマットのモジュールを1つずつ必要に応じて買い足していく事ができます。

このようにセミモジュラーシンセは、これからモジュラーシステムを始めてみたいというユーザーの方にも最適ですし、もちろんモジュラーシンセの玄人の方にも最高のツールです。コンパクトな筐体(HPという単位を使います。モジュール個々の幅の広さをさしています)に、多くの機能が詰め込まれているものが多く、その機能は個別に利用して他のモジュールと組み合わせることもできるため、1個ずつの機能をもったモジュールを使用するより省スペースで多機能なシステムを構築でき、さらにはいくつかの場面ではパッチングの手間を省くこともできるでしょう。

BASTL INSTRUMENTSは、チェコのモジュラーブランドで前身のSTANDUINO時代を含めると、すでに12年ものあいだシンセサイザー製品を開発し続けている中堅ブランドです。ビジュアル面、サウンド面共に独特の個性を持つブランドで、熱狂的なファンが多いブランドです。

 

SOFTPOP SP2とは?

"SoftPop SP2"は、BASTL INSTRUMENTSがユーロラックモジュラーシステムの本格的なセミモジュラーシンセとして開発したシンセサイザーです。 コンパクトなサイズに、オシレーター、フィルター、エンベロープ、シーケンサー機能といったモジュラーシンセサイザーのベーシックを凝縮。さらにクオンタイザーやサンプル&ホールド、MIDI、XYミックス、アナログオシレーターのオートチューニングなど、演奏するのに強力な機能が多く追加されています!37ものパッチポイントを駆使してセルフパッチング(SoftPop SP2の中でパッチングする)したり、他のユーロラックモジュラーシステムとパッチングして接続したり、外部のMIDI機器と同期して使う事も出来ます。 SoftPop2でできることは本当に多くて全部は書ききれませんし、追求すればするほど完璧に制御できたり、偶発的に生まれたサウンドに出会ったりするので可能性は無限大なのですが、ここではSoftPop SP2が備えている基本的な機能だけ(本当はもっとあるのですが基本的な部分だけ)をかんたんに書き出してみます。

  • ● 音を発するオシレーター
  • ● 帯域をフィルタリングするシンセサイザーの基本中の基本であるフィルター
  • ● 音の立ち上がりや減衰などを調整するエンベロープ
  • ● 音階やリズムを作るシーケンサー
  • ● 音を歪ませるウェーブフォルダー
  • ● 音階をスケールに丸め込むクオンタイザー
  • ● パターンやスケールの保存やコンビネーション
その他、サンプル&ホールド、MIDI、XYミックス、アナログオシレーターのオートチューニングなどなどありますので、興味のある方は本機の日本語マニュアルをチェックしてみてください。

上記にあげた機能は、大体の場合は1個1個のモジュールで販売されていることが多く、例えばオシレーター、フィルター、シーケンサーなどといったモジュールが1個ずつ売られています。それらを専用の電源ラックに収めて、それらをパッチング接続してはじめて音がでるわけです。たとえばSoftPop SP2に収められている基本的な機能は上にあげただけだと7個あります。本当はもっとあるのですがとりあえず7個ということにしておきます。すると同じような事をしようとすると7個のモジュラーとそれを収めて電源供給するケースが必要になります。 最初に何を選んでよいのか分からない!ややこしい!最初から高い金額は払えないから徐々に揃えていきたい!などと思う方は多いと思いますので、モジュラーシンセサイザーの世界を体験してみたいという方はSoftPop SP2のようなセミモジュラーはお勧めです。とにかくSoft Pop SP2があればこの1台で様々なサウンドメイクの冒険が可能です。電源ケース一体型(USB給電)で、パッチケーブルまで付属していますから、箱を開けたらすぐにサウンドメイクを始められます! すでにドラムマシンや他のマシンを持っていたりDAWで音楽を作っている方は、それらの機器にMIDIやアナログシンクがあれば同期してすぐに演奏できるでしょう。

セミモジュラーの基本的な説明が長くなってしまいましたが、SoftPop SP2は、これからモジュラーシンセで遊んでみたいという人にも、もう相当なシステムを構築しているシンセサイザーマニアの方々にも楽しんでいただけるクリエイティブなファンクションとサウンドを持った製品です。

 

SOFTPOP SP2にデジタルVCOファームウェアが登場!

SoftPop SP2はオリジナルではアナログ回路をデジタルドメインで制御する設計で作られています。オシレーターはアナログです。 しかし本機は設計当初からデジタルモードの構想もあり、基板にはAnalog/Digitalの切替ジャンパが装備されていました。 今回ダウンロードが始まったDVCOファームウェアにアップデートすれば、アナログオシレーターに代わって、デジタルオシレーターを利用する事ができるようになります。 デジタルオシレーターにアップグレードすると、従来のアナログオシレーターはデジタルに置き換わりますが、PULSE(矩形波の音声出力)はアナログのままのようです。TRI(トライアングル/三角波の音声出力)がデジタルオシレータの出力になるので、純粋なデジタルオシレーターだけのサウンドをOUTPUTに送りたい場合にはTRI出力をFILTER IN端子にパッチングすると良いでしょう。その他、フィルター回路などはアナログのままなので、より幅広い波形を選択できるデジタルオシレーターの可能性を享受しながらも、ファットでかっこいいBASTLらしい音質を楽しむことができます。 デジタルオシレーターに変更すると、アナログファームウェアでは1つしか利用できなかったオシレーターを8タイプまで使用できるようになります。ベーシックなトライアングルからソー、デチューンから、ノイズやグリッチまで多彩な波形を選択できます。さらにSLIDEボタンを押しながらFINE-TUNEフェーダーを動かすことでウェーブシェイプを変化させることができるので、様々なサウンドのバリエーションが得られるようになり、圧倒的に多くのサウンドバリエーションの可能性が試せるようになります。 アナログファームウェアではBASTLが1983などのモジュールで開発したアナログオシレーターの自動チューニング機能を備えていますが、デジタルファームウェアではピッチのドリフトはないため、その機能を割愛しています。その代わりにトリガー/ゲートのプロバビリティ(確率)出力や、VCOピッチリミッター、CVピッチ・トラッキング・モード、ENV GとSLIDE Gのトリガー/ゲート・モードなどが追加されています。MIDI周りの機能もブラッシュアップされました! 以下の動画では、簡単に新しいデジタルVCOのサウンドをテストしてみています。音の違いをぜひヘッドホンで聞いてみてください!

 

デジタルVCOへのアップデート方法

デジタルVCOのアップグレード方法は、日本語のマニュアルに詳しく説明していますので、そちらをご参考になさってください。 メーカーの手順説明動画を掲載しておきます。

注意点は必ずジャンパーの移動が必要になることです。本体ウラのネジを外して、基板にアクセスしてジャンパを"Digital"ポジションに移動してから、新しいファームウェアを流し込む必要があります。再度オリジナルのアナログVCOに戻す事もできますが、ジャンパを"Analog"ポジションに戻すだけではだめで、再度アナログVCOのファームウェアをインストールしなおす必要があります。 ちょっとしたコツですが、SoftPop SP2の筐体は面ごとに独立しているのでネジを外すとバラバラになり、再度組みなおすときに少しコツがいります。またパーツには上下向きもあるので、面倒くさくならないようにケースの四隅をセロテープなどで固定してから裏ブタのネジを外すのがお勧めです。 新しいSOFTPOP SP2日本語マニュアルには、デジタルVCOのファームウェアアップデート方法とその使用マニュアルも掲載しましたので、ぜひ操作の参考にしてください!

とにかく病みつきになる個性的なサウンドと最高のファンクションが融合したチェコ共和国のシンセサイザーDIYコミューンが生み出した傑作SOFTPOP SP2をぜひお楽しみください!すでにお持ちの方はデジタルVCOもぜひ体感してみてください!

 

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