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Modular synth モジュラーシンセ / ユーロラック

BASTL INSTRUMENTSのモジュラーシンセでパッチング解説【TEA KICKでリズム、TROMSOでFM、POPCORNでメロディ】の巻

チェコ共和国のBASTL INSTRUMENTSのモジュラーシンセは、独特なアプローチと複合的で省スペースなモジュールが魅力です。BASTLはガジェット系のデスクトップシンセも多く発売しているので、その流れで最初のモジュラーシンセに選ぶ方も増えはじめています。 弊社で毎月行っているBASTL DIYワークショップでも、「モジュラーシンセを使ってどんな事ができるのか?」といったご質問を多くいただきます。 定期的にBASTL INSTRUMENTSや、その周辺のモジュラーシンセを使用して、具体的なパッチングやそのサウンドメイクを動画で紹介していきたいと思います。 今回は、 1、BASTLの多機能なドラムサウンド・モジュール「TEA KICK」だけででリズムを作って、 2、3つのユーティリティ・モジュール(VCO + コンパレーター + サンプル&ホールド)を融合した便利な「TROMSO」のサウンドを、 3、CVシーケンサー+クオンタイザーの「POPCORN」でメロディにしてみます。 それでは3パートの動画でお楽しみください。

1、TEA KICKだけで複雑なリズムを作る

VOL.01の動画ではTEA KICKだけで複雑なリズムを作ってみます。TEA KICKは基本的にはキックドラムやタムなどのドラムサウンドを作るのに適したモジュールですが、「WTF」のTwin T回路で個性的なウェーブシェイプ&バンドパス・フィルター機能のエフェクトが得られたり、「SQUARE」出力から矩形波を同時出力してエグいサウンドを演出したり、さらに発振/セルフオシレートさせてベース帯域のVCOとしても使用できる多機能なモジュールです(たった5HPの省スペース!)。 トリガー&ゲート・シーケンサーであらゆるリズムを作り出すKNIT RIDERから送られるトリガーで、TEA KICKのドラムサウンドを鳴らします。 CV TRINITYはBASTLのモジュラーシステムの中核を成す、6chの壮大なCVプロセッサーです。 AUTO/LFO/ADSRの3モード搭載で想定できるあらゆるモジュレーション信号を生成できるモジュールです。システムクロックに同期したリズミックなLFOを作り出し、TEA KICKのCV入力に接続してピッチを変化させます。TEA KICKだけが鳴っているとは思えないほど、複雑にピッチを上下させたドラム(またはベース)サウンドを作ることができるので詳しくは動画をご覧ください。

2、TROMSOでFMサウンド+POPCORNでメロディ!

VOL.02の動画では、TROMSOでFMサウンドを作ってから、POPCORNでメロディーのシーケンスを作ってみます。 TROMSOは、VCO、コンパレーター、サンプル&ホールドの3つのユーティリティ・モジュールのコンビネーションを持つ、便利でクリエイティブなモジュールです。この3タイプのユーティリティ・モジュールは、それぞれを完全に独立して使用することもできます。ダウンサンプルによる特殊な歪みが得られるのも大きな特徴で、BASTLモジュラーの中でも利用頻度が高いモジュールです。 今回はTROMSOモジュールのVCO機能を使用します。このモジュールにはFM入力がありシーケンサーなどからのCV信号を入力すればピッチをコントロールできます。FMはFrequency Modulationの略で周波数変調のことです。FM入力に他のVCOからの入力を接続すると複雑で魅力的なFMシンセシスされたサウンドが得られます。 CINNAMONはデザインと音質の素晴らしいフィルターモジュールです。ローパス/ハイパス/バンドパスの3つの出力を装備、さらに2つのキャラクタースイッチで何とも味わい深いキャラクターをレゾナンスサウンドにプラスすることもできます。このフィルターは発振/セルフオシレートさせるとサイン波のオシレーターになり、CV入力でピッチを変化させられます。CV入力はアッテネータ付となしで2系統あるのも考えられた仕様です。 POPCORNは2つのトリガー入力から複雑なパターンを作り出し、8ステップの「音楽的」なシーケンスを作り出すCVシーケンサー+クオンタイザーです。クオンタイザー機能もあるためメロディーパターンを音楽的な音階とスケールにクオンタイズして出力でるのが大きな特徴です(単純なクオンタイザーとしても使用できます)。CV入力も装備しておりピッチやスケール、ステップの動きのランダマイズなど11種類の異なるCVモードに設定できます。あらゆるメロディパターンの生成に最適なクリエイティブなモジュールです。 TROMSOで作ったサウンドをこのPOPCORNでメロディにしていきます。 またこのままだと、メロディーパターンが単調になりがちなので、音の長さなどに変化をつけたいと思います。これは様々な方法があるのですが、今回はSKISというデュアルチャンネルのディケイ+VCAモジュールで音の長さや強さに変化をつけたいと思います。SKISはトリガー入力された信号のディケイをコントロールして音の長さや減衰を変えられます。VCA入力に信号を与えれば今度はVCAをコントロールできます。ディケイ+VCAが2chで省スペースという有難い設計で2つ、3つとあると本当に重宝する定番モジュールです。地味ながら大切な役割をもち、モジュラーシンセのサウンドメイクに欠かせません。 いろいろ動画で試してみているので、どうぞご覧ください。

3、CV TRINITYで各モジュールをモジュレート!

最後にCV TRINITYのCV信号をMULTIPLEで分けて、TEA KICKとPOPCORN、CINNAMONそれぞれのCV入力に与えてサウンドに変化を与えていきます。CINNAMONのキャラクタースイッチや、POPCORNのゲート出力(スライドタイム試すの忘れました!ごめんなさい)、SKISのVCA入力なども駆使してサウンドメイクを試しています。動画でチェックしてみてください。

もちろん、試していない機能もたくさんありますし、アプローチの仕方も無限大なので、あくまでも一例の参考としてですが、3つの動画でBASTL INSTRUMENTSを始めからパッチングしてみました。 また次回も違うアプローチでパッチングをご紹介したいと思いますのでどうぞお楽しみに!

★ 今回の動画で使用したユーロラック・モジュール一覧

*すべてBASTL INSTRUMENTS製 1, TEA KICK (ドラムサウンドVCO & モア) 2, TROMSO(VCO+コンパレータ+S&H) 3, KNIT RIDER + KNIT RIDER EXPANDER(6ch トリガー/ゲート・シーケンサー) 4, CV TRINITY (6ch LFO/CVレコーダー/ADSR) 5, CINNAMON(フィルター) 6, ABC(6chミキサー) 7, MULTIPLE(マルチプル/分配器)

 

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