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ついに手を出してしまった、オリジナル・ヘッドホンケーブル!まさしく900STモディファイのためのケーブル 【900 QUATTRO quadcore cable】。SONY MDR-CD900STヘッドホンのリケーブル用に開発した 4芯ヘッドホンケーブルです。ヘッドホンケーブルとしての信号の流れと取り回しの良い物理特性にも重点をおき、「変化しない音質」、「ブレのない音像」を実現する、そんな音質を目指したケーブル・デザインを徹底して行いました。

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これまで採用していた【Gotham Audio GAC-4/1 mini】は、900STモディファイにおいてピッタリなケーブルでした。しかし一点だけ惜しい部分がありました。それは、ケーブルが固くクセが付きやすい事。ヘッドホンを装着している状態でケーブルに触れると、その振動が伝わるとハウジングまで伝わってしまい物理的なノイズとなって聞こえてしまう事。ここだけは好きになれませんでした。同じように思われる方も多いと思います。電気的な条件はもちろんヘッドホンケーブルとして特化したストレスのない「しなやかさ」にもこだわりました。

今までのGAC-4/1 miniは、構造は標準的な4芯シールドケーブルです。カウンターで巻かれた2重のスパイラルシールド(横巻き4芯シールド)。メーカーのデータシートにはbare copper wires, 18 x 0.10 mmとあります。色の着いた芯線の絶縁体はポリエチレン芯線の導体も同じくbare copper wires, 18 x 0.10 mmです。このケーブルの固く・癖の着きやすさはこの導体の太さに起因しています。メーカーでは4芯シールド マイクケーブルとしてラインナップされているし、この細さなのでラック裏の配線など固定された配線を想定されたケーブルのはずです。なのでヘッドホンケーブルなど可動部分用途として、ケーブルが固いだの、あーだこうーだ言うのもナンセンスだと思いますが・・・。

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ケーブルの導体は細い銅の糸みたいな針金の集まりです。太ければ抵抗値が下がり伝送ロスを小さくできますが、仕上がりが固く扱いづらい物になります。細ければ柔らかくしなやかになりますが、抵抗値は大きくなります。しかし、細い線材も複数本束ねて使えば抵抗値を下げ、伝送ロスも小さくする事が可能です。しなやかさをキープし抵抗値も低くできるので、ヘッドホンケーブルのような可動部分に適したケーブルを作る事ができます。

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GAC-4/1miniは0.10 mmの銅線を18本使う構成になっています。可動部分のケーブルに使用するには少々太めかもしれません。ヘッドホンケーブルとして特化したものを作るうえで、ケーブルのしなやかさ・取り回しの良さを考え0.08mmの線径の銅線を採用、この0.02mmの違いがけっこう大きい。これを30本束ねて使用することで抵抗値も下がります。断面積を計算するとGAC-4/1mini は約0.14㎟ 、900 QUATTROは0.15㎟ 若干ですが太さも稼ぎ抵抗値を下げています。

  

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10mで実測してみました。ヘッドホンに使う場合は2.5m程度なので実際にはこれの0.25倍になります。芯線10mの直流抵抗値 GAC-4/1 miniは 1.3Ω 、900 QUATTROは 0.9Ωとなりました。芯線の抵抗値は70%ほどの低抵抗を実現できました。単純に考えると伝送ロスも70%にセーブできることになります。

   

900-quattro-02

シールド線の直流抵抗値ですが、GAC-4/1 miniは 0.2Ω 、900 QUATTROは0.4Ω でした。GAC-4/1 miniは2重のスパイラルシールドなので導体が多いために抵抗値は低くなる。900 QUATTROは2重ではない分 抵抗値は高いですが、芯線より低い値であり実用上十分です。そもそも、ヘッドホンケーブルとして使う場合はシールド線に電流は流さないので音に影響はないはずです。

ケーブルを設計する上で重要視される導体の種類ですが、900 QUATTROにはOFC(Oxygen-Free Copper=無酸素銅)を採用しました。OFCとは、酸化物を含まない99.95%以上の高純度な銅です。ケーブルの導線材料としては上を見ればキリがなく、さらに上は銅の純度をより高めたり結晶構造を変えたりと指数関数的にコストが増大していきます。だからハイエンドなオーディオ用のケーブルはびっくりするほど値段が高いのです。900 QUATTROではオーディオ用のケーブルとしてポピュラーなOFCを選びました。99.95%以上の純度の銅です、これ以上の純度を求めても電気特性はほとんど変わりません、と言うか全然変わらないと思います。個人的には十分なクオリティーだと思います。確かに厳密に比較すればサウンドに違いはあると思いますが、特別な音色を求めているわけではありませんので、900 QUATTROを設計する上では、無駄にコストがつり上がる素材を選ぶより、構造を工夫する事で勝負しようと考えました。これは個人的な経験上の持論ですがケーブルの音を左右する要素として、「導体の材質」よりも、「絶縁体」であったり「構造」による要素の方が、よほど大きく占めていると考えています。

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①~④  導体 OFC 0.08mm × 30本
     絶縁体 ポリエチレン
⑤ 制振材 綿糸
⑥ 制振材 紙テープ
⑦ シールド OFC 0.08mm 編組シールド
⑧ シース PVC 黒 外形3.8mm

その構造に関してですが、内部構造の安定化を図るため各芯線の間に隙間を埋める綿糸(イラスト図⑤)を配しました。綿糸がある事で芯線の撚りピッチを安定させ偏りを防止し、芯線間の静電容量の変化を抑えます、さらには機械的な強度の向上にも関わっています。ヘッドホンケーブルと言う事を考えると、基本的には低インピーダンスの信号が通る、そしてある程度の電流を流すことになりますので、電流が流れた時の磁界の発生により、わずかですが芯線同士が引き合ったり反発し合ったり、振動します。Hot-GND(Cold)間ではダイナミクスを抑制してコンプレッション感が出てしまったり、L/R間に働けばセパレーションを悪化させます。綿糸は不要な振動を抑える制振材としても上手く作用しますので、隙間を埋め制振作用を持たせることでサウンドの濁りや、クロストークを防ぎます。外部から振動が加わった場合にもマイクロフォニックノイズの発生を抑える働きとなります。信号が低インピーダンスなのでマイクロフォニックの発生はもともと無視できるくらいですが、それでもマクロな視点で見れば効果は大きいはずです。

  

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これも10mで測定しました。測定結果を比較すると、900 QUATTROの方がほんの少しですが小さく仕上がっていることが確認できました。絶縁体は同じポリエチレン、太さも同じなので、綿糸があるか無いかの差による違いと考察できる。芯線間に綿糸を入れる事により線間の距離を一定に保つことで静電容量の低減にも効果を出していると考えて良さそうです。ヘッドホンのインピーダンスではこの程度の静電容量の差による音への影響は無視できるくらい小さいですが、喜んでいいところでしょう。

芯線と綿糸をまとめホールドする紙テープ(図⑥)も振動の抑制に一役買っています。そして、その周囲をシールド線がしっかりと囲みます。低インピーダンス信号なのでシールドは あっても/なくても 実用上問題ありませんがアンプ側のコネクタの結線しだいでアースを とる/とらない に対応でき、サウンドチューニングできます。今回は質量のある銅を巻くことでの制振効果にも期待し採用しました。GAC-4/1 miniはスパイラルシールド構造で、シールド線は巻かれているだけでしたので作業性がとても良かったですが、900 QUATTROは編み込まれている編組シールドなので少し面倒になってしまいました。が、経年でもよれのない均質なシールド効果と耐久性は獲得できました。

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シース(イラスト図⑧)はPVC、外径は3.8mm 900STのモディファイに最適な太さで設計しました。ポピュラーな素材であり、しなやかな仕上がりとなっています。艶消しの黒で、オリジナル900STと印象は変わらずすっきりした印象。

さて、さっそく900 QUATTROを使いMDR-CD900ST Perfect Symmetry MODを用意しました。パッと聴きでは同じような印象でしたが、じっくり聴き込んでいくと900 QUATTROの実力を実感できました。センターの周波数バランスとL/Rの周波数バランスが均質、両端まで周波数レスポンスが均質!音像のゆがみがない。高域トップエンドの伸び、分解能、ケーブルの電気特性よりも物理特性が影響している部分もありますが・・・。明瞭で解像度も良い、定位の距離感もいい。900 QUATTROを使うと配線の固さの条件が違うので、より高解像度で定位バランスの良い組み込み・調整が可能になる。900ST MOD もアップグレードの必要が出てきました、900 QUATTROを使った次のステージへ現在最終調整中、まもなく新900ST MODが登場する予定。900 QUATTROヘッドホンケーブルとあわせてご期待くださいませ。

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■ SONY MDR-CD900ST改造に関する他の記事は、こちらにタグでまとめてありますのでご参照ください。
http://umbrella-company.jp/contents/tag/900st/

 

900 QUATTROヘッドホンケーブルの販売ページはこちら
http://www.gizmo-music.com/?pid=107349539

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    • すけっぴぃ
    • 2016年 9月 24日

    いいですねぇ。Gothamのケーブルは硬いのが不満でしたからね。ヘッドホンには取り回しがウザくて。だからと言って他に選択肢も無いから仕方ないと割り切ってましたが。
    専用ケーブルの開発、ありがとうございます。価格は変わらず電気的特性も良くなってるみたいですので、さっそく買ってみます。届くのが楽しみです。

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