VL373A はSamar Audio Designが考える「パーフェクトなステレオ・イメージ」を実現するために研究された特別なステレオ・リボン・マイクロホンVL373のアクティブ・バージョンです。
2つのリボン・エレメントは近接して配置され、超高域まで位相の歪みがないよう精密にデザインされています。VL373AはVL37Aと全く同じ設計の2つマイクロホンを一つの筐体に収めています。
VL37Aと同じく、ハイエンドモデルであるMF65と全く同じモーター構造やコンポーネント、チューニングが採用されており、完璧主義者であるマーク・フークスマン博士が、自らその1本1本を精密にハンドクラフトして仕上げられています。
パッシブ・タイプのVL373はクラッシックなリボンマイク設計を進化させたローノイズ&ハイゲインな設計ですが、アクティブタイプのVL373Aでは更なる静粛なローノイズ性を獲得しており、リボンマイクに新しい可能性を見つけることができるでしょう。優れたアクティブ回路により、コンデンサー・マイク同等の高出力を実現。十分すぎるほど美しいVL373の音質やステレオイメージを、さらに高いレベルへと導いてくれます。
また、VL373Aがどんなステレオ・リボン。マイクとも異なる点は、旋回式のメカニズムです。中心の軸を回して動かすことでステレオ・ワイドのアングル調整が可能となります。角度は60度〜120度まで自在に調整できるため、大編成のストリングス・セッションや、クラシック音楽のオーケーストラのステレオ収録でもご利用いただくことが可能です。その他コーラス、小編成のアンサンブル、ブラスバンド、ドラムスのオーバーヘッド・マイク、ルーム&アンビエント、そしてアコースティックギターやバイオリンなどの生楽器のステレオ録音などに、オールマイティにご使用いただけます。
そのパーフェクトなトーン・バランスにより、楽器の鳴りや響きをナチュラルに、細部まで完全にキャプチャーしたステレオ・レコーディングを可能にします。
Blumlein, MS, or XYなどのステレオ録音に対応し、美しくフラットそしてナチュラルな音質を持つ、Samar Audio Designの完璧主義が貫かれたステレオ・リボンマイクです。
ワイドレンジな特性や高いSPL、低ノイズ&低歪みなど、全てに余裕を感じるSamar Audio Designの設計の秘密は、自社のファクトリーで生産されているマイクロホン・パーツにあります。多くのマイクメーカーが汎用のオーディオ・トランスを採用し、低価格帯のリボンマイクでは同一のマス生産品のリボンモーターが使用されている中、Samar Audio Design社は徹底した管理体制のもと、自社に専用のマシンを備え、専用設計のオーディオトランスやリボンモーター、さらにはCNCマシンで筐体のひとつひとつ、さらにはネジ1本に至るまでをオリジナル設計&生産しています。
究極の精度を誇るアモルファス・コアのトロイダル・トランスは、有名ブランドのトランスに比較しても、徹底的にその個々のクオリティや性能誤差を少なくすることができます。フークスマン博士が自らが生産管理し、精巧に作り上げるトロイダル・トランスだからこそ、ここまで高い性能と精密さが確保できたのです。
またSamar Audio Designのリボンモーター設計は、従来のリボンマイクより大幅に短いフロント〜バック間のパスを達成。モーターはメイン・ボディの延長として設計され、一つの構造物のようになる考え抜かれたデザインとなっています。このようなユニークなアプローチは、近代的で精巧なCNCマシンによってのみ実現が可能です。ボディ、トップ、ボトムキャップに至るまで、驚くほど滑らかな精密構造は、マイク全体を寸分の狂いなく滑らかに一体化させ、一切ブレることなく、空気振動を電気信号に変換できます。この優れた筐体設計は美しい外観のみならず、ピュアな音質の実現に大きく貢献しています。だからこそフークスマン博士はそのネジ1本にまでこだわりぬき、異常とも思えるほどにそのデザインを
最終調整やチューニングもフークスマン博士自身が1本1本時間をかけて行っています。彼のクラフツマンシップにおけるこだわりは半端なく完璧。彼の手掛けるマイクロホンはどのロットのものでも寸分の違いもなく全く同じ特性に仕上げられます。大量生産の部品では、これほどまでに高い精度の品質管理を行うことは到底実現が不可能です。
だからこそSamar Audio Design社のマイクロホンは大量生産のできないハンドメイド生産であり、受注生産で1本1本完璧に作られています。トランスやリボン、筐体やネジに至るまでハンドメイドであり、その労力や完成に至るまでの集中力は並大抵のものではありません。外観も内部も驚くほど丁寧に磨き上げられた「芸術品」とも呼べるマイクロホンであることは、その本体を手に取った瞬間に伝わってきます。
Samar Audio DesignのVL373Aでは、高域は何と25キロヘルツ以上まで特性を伸ばしています。またクリアーでナチュラルな低域も20ヘルツまでフラットです。リボンマイクはダイヤフラムの動きに制限がなく、圧迫感のない自然なサウンドが特徴ですが、周波数レンジは狭い傾向にあります。高域はロールオフし、低域は誇張される傾向にあるので、その音質の特徴を活かす方向でリボンマイクを使用するのが一般的です。
VL373Aではリボンマイクを使用する大きな利点でもある、伸びやかでナチュラルなサウンドを保ちつつ、周波数レンジがコンデンサーマイクなみに広く、バランスの良いトーンでの収音を可能にします。高SPL、低ノイズで、全てに余裕が感じられる設計。マーク・フークスマン博士は、このサウンドにたどり着くまで、何と8年間を要したのです。
ハイレゾ対応など、より高精細な表現性が求められる現代のレコーディング環境に求められる性能と、生楽器や声の持つ美しさをナチュラルに伝えられる音質。Samar Audio DesignのVL373Aはそのすべてをクリアした、レベルの高いアクティブ方式のリボンマイクです。