Umbrella Company 「Hitchhike Drive」は、アメリカ製のビンテージ・ツイード・アンプにインスパイアされたオーバードライブ/プリアンプです。3モード(D/T/B)のアンプタイプを選択することが可能です。
GAINノブの設定によって、プリアンプ的なブースト、マイルドなクランチ、クランクさせたトップブーストまで、自由度の高いサウンドメイクが可能。さらにギターボリュームへの追従性を重視し、快適なアンプフィールを実現しています。
Saturateスイッチにより、ダイナミックフィルター機能(高周波数帯域のみにマイルドなコンプレッションを適応)をオン/オフ可能。
真空管アンプの特徴的なサチュレーションを、ピッキングの強弱や演奏のダイナミクスに追従させる事ができます。
Hitchhike Driveでは、シリコン・トランジスタ(2N5088)を使用したディスクリートのゲインセクションを採用。さらにクリッピング・ダイオードのタイプとコンビネーションから、3タイプのアンプトーン(D/T/Bモード)の質感を作り出しています。
モード毎の音量差を無くすため、クリッピング・ダイオードの切り替えに伴うレベル差を補正しています。
1、Dモード
対称クリップ、一番歪むモードです。ツイード期Deluxeアンプの生々しいトーンやゲイン・ストラクチャーを追求。トップブースト(GAIN 12/TB)付近では、コンパクトサイズのアンプ特有の箱が震えだすような、有機的で激しいドライブサウンドが得られます。さらにギター本体のボリュームやピッキングの強弱により、ブルージーなクランチやブーストまで、音抜けを保ったまま可変することができます。
2、Tモード
対称クリップ、歪み感が一番少なくブースターやクランチに最適なモードです。Twinアンプのような深みのある存在感を持つアンプライク・サウンド。高いゲイン設定ではアメリカンロック・サウンドを代表するような艶のあるオーバードライブ・サウンドを、低いゲイン設定では見事なクリーン・ブースターとして機能します。Saturateスイッチを組み合わせる事でチューブアンプ特有のマイルドさとコンプ感を加えられます。瑞々しい音調のクリーントーンは分離感良くコードを響かせます。
3、Bモード
異なるダイオードを組み合わせた非対称クリップ構成。Tモードよりゲインが高く、中低域の存在感が強調されたサウンドが特徴です。低めのゲイン設定ではナチュラルなクリーンからクランチへと滑らかに変化し、高いゲイン設定ではブルージーで心地よいオーバードライブ・サウンドが得られます。ダイナミックフィルター(Saturateスイッチ)を組み合わせる事で立体的でハリのあるトーンを表現します。
Hitchhike Driveでは、「Scoop Filter」と「アクティブEQ」の2つのアプローチでのトーンシェイピングを実行しています。
●トーンシェイピング
ゲインセクションを通過した信号は、まず「Scoop Filter」により、アンプらしくトーンシェイプされます。
キャビの箱鳴り感やスピーカーユニット自体のトーンを想定したEQカーブを適応し、土台となるベーシックなアンプトーンを構築しています。
* Scoop Filterは回路上に仕込まれた固定のフィルター回路です。コントロールはありません。
●アクティブイコライザー
TREBLE/BASS独立2バンドのアクティブEQ回路は、自然なコントロール性を徹底的に追求。素子を組み合わせ、定数を厳選することで、求められる理想的なEQカーブと効き具合を実現しました。
ピッキングのニュアンスや演奏のダイナミクスに追従する「ダイナミックフィルター機能」により、真空管ギターアンプの美しいサウンドを決定つけている「コンプ感を伴うサチュレーション」を得る事ができます。
Saturateスイッチでオン/オフできる、このダイナミックフィルターは、高域成分(約2kHz~)だけにコンプレッションを与えることのできるオリジナル回路です。最適な応答特性を得るために、専用設計のオプティカル・リダクション素子を開発しました。ピッキングごとに高速なアクションでプロセスすることで、真空管アンプに見られる独特なコンプ感が再現されます。またアタックとサスティーン部分で音色が若干変化し、低域と高域で異なるエンベロープとなるため、オーガニックで立体的なサウンドとなります。
一般的なリミッター回路は、シグナルを整流して得られた直流電圧からリダクションのためのコントロール電圧を作り出すため、平均化したエンベロープで音量を制御しますが、本機のダイナミックフィルターでは、シグナルの増幅からダイレクトにオプティカルリダクション素子を駆動しています。信号波形を直接、そして高速にリダクションするため、演奏の細かな強弱やニュアンスに滑らかに追従できます。高速なカッティングやピッキングに対しても一音ごとに(高域成分のみに)反応し、一般的なコンプレッサーとは異なる自然な粒立ちが達成されます。
真空管アンプ特有の高域の滑らかさと、独特なピッキング・アタックを再現したことで、完璧なアンプフィールを楽しむことができます。
Hitchhike Driveは、リレーを用いたトゥルーバイパス回路を採用しています。シグナルの引き回しを最小に設計し、経路に配線材も無く、音色変化の全くないバイパス回路を設計しました。
また、安定した電源回路設計にもこだわり、電源レギュレーターを装備し、使用するACアダプターに左右されない安定したサウンド・パフォーマンスを達成しています。