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Studio compressor コンプレッサー

【修理担当の独り言】 AMEK System 9098 - Compressor/LimiterとFMR Audio RNC1773の意外な共通点

  ご贔屓にしていただいているお客様から、ちょいと点検してくれとのことでAMEK System 9098 - Compressor/Limiterをお預かりいたしました。一通り動作を点検し、基板上のパーツの状態を確認するため内部を拝見。   amek-comp-600-1   入出力にオーディオトランスが確認できます、その他のシグナルパス部分はオペアンプによる回路構成です。ゲインリダクションはTHAT 2181 VCA ICを使用しています。分岐した信号は専用ICによるRMSディテクターに送られ、ADコンバータを経てCPUに送られています。ただのアナログコンプレッサーではありませんでした、LINKをONすればA chの設定が両チャンネルに反映されるし、どうりで賢い訳だと思いました。CPUによりエンベロープを解析し、チップに書き込まれたプログラムでデジタル演算し、コントロール信号を出してVCAを動かしコンプレッション、「ま~~~ 斬新!」ってリアクションをとるべきか、しかし私はこの方式のコンプにはもっと以前に出会っています、FMR Audio RNC1773です。   amek-comp-fmr-3   電源回路や入出力回路の豪華さに違いはあるものの、まさに同じ事をRNCでは約3万円で実現しているのです。コストのかかるトランス入出力を捨て、逆に色づけ無くクリアにする事で何にでも使えるスタンダードなコンプを低価格で実現し価格以上の価値を見出している。おまけにSuper Nice Mode、レイヤードコンプと言いますか、3台のコンプに分散して目的のリダクションをする贅沢な使い方を再現したかかり方が1段のVCAで得る事ができる、デジタル演算コントロールならではの芸当、とってもナチュラルでアタック感を失わないのが心地よく、原音の印象を崩さずにレベルをコントロールしてくれる。適当に使ってもSuper Nice ModeをONしておけばOKみたいな使いやすさも魅力です。Normal Modeでは実に基本に忠実な動作です、コンプとはどういうものか勉強になるのでコンプの入門機としてもお薦めです。RNC1773もゲインリダクションにはTHAT 2181を採用、シンプルなオーディオパス。コントロールはThreshold、Ratio、Attack、Release、Gainコンプレッサーの基本を全て押さえています。また、AMEKにもありますがRNC1773にもSIDECHAIN端子を持っています。 SIDECHAINとは、エンベロープを検出するディテクター回路の前にインサートを設けこれを上手く利用する事でコンプのかかり方に変化を付けられるようにしたコンプレッサーの拡張機能。この端子を利用して、例えばEQで100Hz以下を削っていくとエネルギーの大きいキックドラムに過剰に反応して不自然な動作になってしまう現象を防ぐ事ができます。ピンポイントにブーストすれば効かせたい帯域を狙ってコンプ感を強調する事ができます、歯擦音の集中する帯域を持ち上げればディエッサーとして使えます。シンプルながら他機能で守備範囲がひじょうに広いFMR Audioでは「$2,000以上もする高級機種にも匹敵する素晴しいサウンド」だと謳っていますが、今回のAMEKを見て確かにそうだなと再認識できました。   amek-comp-600-2     FMR AUDIO RNC1773はこちら(もうすぐAPI500バージョン【RNC500】も発売になりますよ!) http://umbrella-company.jp/fmraudio-rnc1773.html    

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