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Studio compressor コンプレッサー

Chandler Limited RS660 サウンドレビュー
レコーディングエンジニア
葛西 敏彦 様 、加瀬 拓真 様

Chandler Limited RS660 サウンドレビュー

レコーディングエンジニア 葛西 敏彦 様 加瀬 拓真 様

英国の伝説的レコーディングスタジオ "アビーロード・スタジオ"と、米国のチャンドラー・リミテッドによって共同開発された、Fairchild 660スタイルのコンプレッサー RS660。歴史的なコンプレッサーの名機を復刻した”RS124”の優れたテクノロジーを、Fairchild 660のビンテージデザインに融合しています。

Fairchild 670やChandler Limited RS124のコンプレッサーを良く知る二人のレコーディングエンジニアの葛西 敏彦さんと加瀬 拓真さんに、ドラム、ベース、ボーカル、ギター、シンセ、ピアノなど、様々な素材でRS660をじっくり試していただきました。

 

葛西 敏彦

サウンド・エンジニア。スタジオ録音からライブPA、サウンド・インスタレーションなど、場所を問わず音へのアプローチを続ける音響技師。主に蓮沼執太、青葉市子、スカート、岡田拓郎、CLCK/LCKS、寺尾紗穂などを手がける。2022年からは自身がレーベルオーナーを務める「S.L.L.S Records(シルスレコーズ)」を立ち上げ作品のリリースを開始している。 受賞に第23回文化庁メディア芸術祭アート部門新人賞(細井美裕/Lenna)、カンヌライオンズ2021(Yakushima Treasure/~Another Live from Yakushima)など。

加瀬 拓真

Studio Volta チーフ・エンジニア。ござ、けいちゃん、事務員G、NEO PIANO Co.LAB、兵頭佐和子、甲田まひる、Lotus Juice、妹尾美穂、堀澤麻衣子、MINAMIS、煌星ヴィヴィ、サカノウエヨースケ、米原幸佑、和井みずき、映秀、仁詩、野佐玲奈、マサユキフクシマン、佐藤望、N Flying、シズクノメ、ロザリーナ、奇妙礼太郎、碧海祐人、、、など

 

 

ベースとドラムに録りから使いたい

加瀬拓真(以下、加瀬):(ドラムではスネア、キック、アンビエンス、ベースやボーカルでそれぞれ試聴して)これはいいですね、たまらないです。ドラムのアンビも良かった。

葛西敏彦(以下、葛西):COMPモードはベースや歌のピークを抑えるのに使えますね。重心が下がりながら、グッと音が前に出てきます。プラグインだけでは出せないトーンが出ます。 加瀬:LIMITモードだと洋楽っぽくなります。COMPモードはジェントルに掛かりますね。ベースは録りから使いたいです。 葛西:ドラムにも使いたくなる。 加瀬:これ8台くらいあったら最高ですね。取り敢えず、一人二台ずつ買いませんか?(笑) 葛西:4台でも相当良い音で録れそう。夢があるし、実現できたら最高ですね!それを観たくてお客さんも来てくれそう(笑)。キックにもスネアにも使いたいし、ベースとボーカルにも使いたい。凄く良い音で録れそうです。

 

ピアノにRS660のコンプを掛けると「知ってる音」になる

葛西:ピアノにRS660のコンプを掛けると「(Fairchildを通した時の)知ってる音」になります。滅茶苦茶良いですね。プラグインでやろうとすると「似ているんだけど、もう少し何か違うんだよな」と思いながら作っている音が、RS660では簡単に出せました。曲にも寄りますが、wurlitzerにもすごく良いですね。何に掛けても良い。・・4台欲しくなる。

加瀬:シンセにTHDを掛けた時の、前後の奥行き感をコントロールできて、前にも出せるし、ちょっと落ち着かせて奥で聴かせたいようなこともできますね。・・これは凄いです。 葛西:確かに、凄く良いです。シンセの音作りでいつも悩むのが、歪んでほしくはないんだけど、歪み感がほしいんだよねって思うような時に、RS660を通すと良い感じの倍音が足されて低域もファットになります。

 

歌はRS660の後に補正のEQとディエッシングのプラグインだけで済みそう

葛西:歌は普通にプラグインで作ろうとすると、どうしても10個くらい掛けて音を作るんですが、RS660を使うとその後に補正のEQとディエッシングのプラグインだけで済みそうです、凄いですね。SAXに通しても、知ってる音になって格好いい!楽器にはLIMITモードが良い感じです。

加瀬:RS124よりもコントロールがしやすくて纏めやすい印象です。 葛西:圧倒的にRS124の後発感を感じますね(笑)。RS124の掛かり具合に「あーもう!そういう(暴れん坊な)ところあるんだから!嫌いじゃないけど!」って思いながら使っていますけど(笑)、RS660は色々経て辿り着いた完成度の高さを感じます。

 

NEVEの卓で16ch分のRS660とアナログマルチで録ったら最高

加瀬:NEVEの卓で16ch分のRS660とアナログ・マルチ(トラック・レコーダー)で録ったら最高ですね。ちゃんとマイクを選んで立てて、NEVEのHAからRS660通して録って、卓でローカットと少しEQ掛ければ。

葛西:そうだね、毎日そのセッティングで録音したくなる。少ないマイクで頑張って録ろうかなって思えるし、使うトラック数も少なくて済みそう。

加瀬:予想していたよりも7倍良かったです。つまみは4つしか無いのに。試す前までは、もっとアタックタイムを弄りたいのにって思うのかなと思っていたら、全然必要なかったです。ジャズの録りでコンプレッサーでの積極的な音作りはあまり好まれないことが多いけど、RS660ならむしろ好印象になりそう。

葛西:掛けた時の方が「知ってるこの音!これこれ!」ってミュージシャンの方も喜びそう(笑)モニターに掛けておけば、演奏のテンションも上がりそうですね。

 

質感重視のセッションにはすごく重宝しそう

葛西:本当に考えて作られていますよね。質感重視のセッションにはすごく重宝しそうです。演奏の邪魔をするほどの変化はしたくないけど、良い色をつけたいような時に。凄くハイファイに録りたい時とか、例えばSONY C-800Gで録るような場合には必要無いかもしれないけど、自分の関わっている音楽ではほとんどの歌録りで使いそうです。これまで歌録りではいろんなコンプを使ってきましたが、現場を選ばずにどこでも使いやすいという意味では、RS660の優秀さをとても感じています。

加瀬:実際にRS660を使ってみると、これまでに使ってきたFairchild 670のTIME CONSTANTの設定は1か6しか使わなくて、使わないポジションがあるのですが、RS660は3のポジションからスタートして、3から5のFairchildでは使わなかったポジションも良く感じる瞬間が多くて、遅くてもあまり嫌な感じにならないし、使う度に発見があって飽きなさそうです。

ノッチだと覚えておけるし、ステレオソースで使う場合も考えると、ステップ式のスイッチほうがレベルマッチングの時間も掛けずに済むので便利ですよね。

葛西:可変だとCOMP/LIMITモードを変えた時のレベル感が変わるので、モードを変えるたびにレベル設定で考える時間ができるのですが、その時にノッチだと覚えておけるので作業が早いし、ステレオソースで使う時もノッチの方が便利だけど、可変だと微調整もできて良いですよね。悩みます。

 

使い道も幅広くあらゆる用途で使えそう

葛西:Fairchildタイプのコンプレッサーはそれでしか出せない良さがあって、自分が関わる仕事の半分くらいの割合で使いそうなんですけど、ハマらないこともあり、RS660は使い道も幅広くてあらゆる用途で使えそうだし、持ち運びもできるサイズなので、外のスタジオで録りがある時には、迷わずとりあえず持っていけばいつも使いそう。導入を現実的に考えられますね。

録りではCOMPモードでピークを抑えるように録っておいて、ミックスではLIMITモードで掛ける使い方が良さそうです。気持ちよくて音作りが楽ですね。深く掛けても破綻しないし、凄いです。 試すまではRS124と同じような感じかなと思っていましたが、上位互換のような違いがあって、思った以上に良かったです。

 

★ Chandler Limited RS660 製品ページ

https://umbrella-company.jp/chandlerlimited-rs660.html

RS660 はデモ機をご用意しております。 ご興味のある方は、お近くの販売店、または弊社までお問い合わせください。

https://umbrella-company.jp/sales.html

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