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ほぼ日課となりつつある900STの改造。今回お客様からご相談をいただきMDR-7506のような折りたたみ仕様にしたいと言う事で特別対応させていただきました。
<今回ご依頼の内容>
お客様からご依頼品が届きました。まずはヘッドホンの状態をチェックさせていただきます。イヤーパッドの劣化や断線の有無、音質の異常などがないか、目視とサウンドをチェック行います。この時点で部品交換の必要性があれば、状態のご報告と部品交換・修理のプランをご連絡させていただきます。
目視チェックで、イヤーパッドの劣化が確認できました。その内側のウレタンリングも原型がありません。どちらのパーツも交換が必要な状態です。今回はイヤパッド&ウレタンリング交換オプションも一緒にご注文いただいておりますので進行したします。
モディファイ作業は、折りたたみ機構への変更から行いました。折りたたみ機構を実現するためには“スライダー”と言うパーツを取り寄せます。これは本来MDR-7506のパーツですが900STにも流用可能なようです。900STの交換部品リストにはこのパーツはヘッドバンドに含まれていて、単独では購入できない部品です。
スライダーに該当する部分を分解します。この小さな玉、小さなバネとセットでスライドさせた時のカチカチを作っています、失くすと大変なので慎重な作業になります。もともとのスライダーを引き抜き、新しい部品に交換します。その他のパーツも組み上げたら完了です。
続いて、いつものセパレート配線に移りますが、今回はミニプラグ仕様です。ミニプラグは色々試しましたが音質の劣化が大きい物がひじょうに多かったのですが、そんな中でも音質の劣化がなく見た目もスマートで美しいミニプラグ、OYAIDE P-3.5SRを選びました。今後ミニプラグのご用命があればこちらのプラグを使用したいと思います。L型のP-3.5SRLもございます。
P-3.5SRは銀のコンタクトにロジウムメッキを施したハイエンドなミニプラグで音質や経年劣化の面では安心して使用できます。しかし、ケーブルをクランプする部分は見る限りふつーな感じで、この部分は将来的には接触不良を起こす可能性は高いと思います。分かっている欠点をそのままにはできないので予防策を施します。クランプ前に一度収縮チューブをかけ、さらにクランプした上からもう一度収縮チューブをかけて弱い部分を二重に補強しました。これで何もしないより耐久性は数段向上します。
ウレタンリングの交換は、音質や音場の再現性に影響のある部分です。ドライバーの周りにきれいに真円を保って貼る事が重要です。ウレタン製のリングを貼るとなったら結構な集中力を要しますが、そのまま貼ってから余分な中心部分を取り除くと簡単にきれいに仕上がります。
新品イヤパッドを取り付けて完成です。
折りたたみ仕様で持ち運びにも便利、ミニプラグ&ケーブル長1mのポータブルに適した900STに変身しました。
過去のMDR-CD900STモディファイ関連の記事は以下にまとめてあります。あわせてご覧くださいませ。 https://umbrella-company.jp/contents/tag/900st/