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今回は「あたらしい電子楽器」Critter & GuitariのOrganelle(オルガネラ)の基本概念と、かんたんな遊び方をご紹介してみたいと思います。
まずは製品のプロモーションビデオをどうぞ。Organelleはトータルで見ればハードウェアの電子楽器ですが、その中身はLinux OSで動作するコンピューターと、そこにインストールされたPure Dataマルチメディア・プログラム環境、そしてPure Dataのパッチ・プログラムに、リアルな手足を与えるためのOrganelleハードウェアで構成されています。
マルチメディアのためのプログラム言語《Max》を開発した ミラー・パケット氏が提唱したPure Data(Pd)はオープンソースプロジェクトとして無償配布されており、誰でもかんたんに、視覚的要素を取り入れたサウンド・プログラミングを行うことができます。サウンド・エンジンとしてのPure Dataは多くの支持を集めていますが、Pure Dataを楽器として成り立たせるためには多くの課題があります。演奏するための(または音階を与えるための)プログラムとリアルな鍵盤、フィルター効果やオシレーター・チューニングを調整するためのノブやスイッチなどなど・・。OrganelleはPure Dataのソフトウェアの世界と、リアルなハード楽器の世界を、有機的に結びつけた最初のハードウェアです。
Organelleはそれ自体が小さなコンピューターそのものであり、Pure Dataソフトウェアであり、様々なパッチ・プログラムの集合体であり、なによりも個体のハードウェア・インストゥルメントです。Organelleによって手足を与えられた「Pure Data」は、楽器として進化し、無限の可能性を秘めています。Organelleはシンセサイザーであり、ドラムマシンであり、サンプラーでもエフェクターでもシーケンサーでもあるのです!
まずは電源。OrganelleはACアダプター駆動です。弊社では日本国内向けに適正なACアダプターを国内で調達し同梱していますので、そちらを接続します。電源が供給されるとOrganelleが起動します。起動時にディスプレイに起動までのパーセンテージが表記されますが、起動するまでスペックでは20秒以内とありますが、実際には10秒くらいだと思います。
一度起動するとディスプレイにパッチのセレクト画面が表示されます。エンコーダーをまわすとスクロールするので、希望のパッチを選択したらエンコーダーを一度プッシュします。すると瞬時にパッチが読み込まれ、ディスプレイはパッチ・インフォメーションの画面に切り替わります。この画面ではノブ1〜4の動きや、モード、AUXボタンの状態などが、見やすく、リアルタイム表示されています。小さい窓ながらとても読みやすく、洗練されたディスプレイ配置です。
いろいろなパッチがありますので、読み込んでから演奏して楽しんでみてください。いくつかのパッチではAUXボタンの長押しでシーケンス録音のスタンバイ状態、木製のキーボードを演奏し始めると、もう一度AUXボタンを押すまでフレーズを録音、さらにその録音したパターンをループ再生する機能がありますので遊んでみてください。ポケットピアノ風の様々なアルペジエイター・パッチ、サンプラー&アルペジエイター、ポリフォニックのオルガンやシンセサイザー、ドラムマシン、クレイジーでぶっ飛んだパッチなどなど、出荷時にインストールされているパッチだけでも十二分に楽しめてしまいます!!
リアパネルですが、出力は標準フォンのL/Rステレオ出力、サンプラーやエフェクターとして使用する場合にソースを繋ぐステレオ入力端子(標準ステレオ)、ヘッドホン端子(ミニステレオ)、エクスプレッション・ペダルなどを接続できるペダルポートが用意されています。
十分に遊んでOrganelleを終了するときには、System Menuからシャットダウン・コマンドを実行します。またパッチを改造したり、自分であたらしく作ってみたい場合には、Organelleにキーボードやマウス、そしてHDMI対応のテレビやディスプレイを接続します。Organelleをコンピューター本体として使用できてしまうのです!HDMIディスプレイに読み込んだパッチを表示させ、マウスとキーボードでパッチの内容を更新することができます。もちろんPure Dataをインストールしたあなたのマックやウィンドウズでもパッチを作ったり、改造したりすることができます。
パッチを作ったり、改造するには、Pure Dataの知識が必要ですが、Pure Dataは視覚的にオブジェクトを配置し、それらを接続していくことでプログラミングできる言語ですので、専門書やウェブサイトで学ぶことでPure Dataを気軽に試すことができます。Pure Dataはオープンソースかつ、まったく無料のプログラムです。弊社ではPure Dataに関するサポートは行っておりませんが、どうぞチャレンジしてみてください!弊社で用意している日本語の製品マニュアルにはPure DataパッチとOrganelleの関係について説明しています。
弊社で用意している日本語の製品マニュアルには、Organelleを楽しむための多くのヒントや機能の説明が掲載されています。日本語のマニュアルは製品をお買い上げいただいた方が、保証書に記載されるユーザーコード(パスワード)を入力して、ダウンロードいただけます。各機能の詳細や、操作方法、パッチに関するTIPなどにつきましては、そちらのユーザーガイドをご覧ください。