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近年ギターペダルにおいてよく目にする「クロックパラメーター」。デジタルデバイスにおいてすべての基準となるクロックを可変できるようにすることで、エフェクトの挙動やキャラクターを丸ごと変化させます。
“クロック”パラメーターって何だ?クロックベンディングを技術解説。
https://umbrella-company.jp/contents/clock_parameter/
通常は可変させることのないものを動かしてしまう、いわば「外道」の使い方。近年ではMOOD MKIIやOBNE BLシリーズなど、この想定外の変化をエフェクトの世界観として取り入れたデバイスが登場してきています。また既存のデバイスでクロックを可変できるようにする、いわゆる"クロックベンディング改造"も一部界隈で行われていました。
クロック側は変化させられることを全く想定していないので、なにが起きるかは実際に改造してみてのお楽しみ。つまり「パルプンテ」。アンブレラカンパニー取り扱い製品でも試してみたところ、中々面白い結果になったのでご紹介&販売いたします!
Variable Clock (可変クロック) MOD製品 販売ページ
https://gizmo-music.com/?mode=cate&cbid=2841443&csid=7&sort=n
アンビエントで幻想的なリバーブサウンドを生むZCATのベストセラー、Big Reverb Ti。元々永遠に続くかと思うくらい、途方になく長いディケイタイムがクロックベンドで更に引き伸ばされるのだからもう大変だ。
Big Reverbにおいてクロックベンドは非常に効果的に作用しており、クロックを下げることで「ディケイタイムの拡大」「残響成分のローファイ化」「プリディレイの増加」「高域の減衰」など様々な要素が同時に発生します。クロックを下げるごとに高域が曇っていき、リバーブにはビットクラッシュ的な成分が混ざってくる。
初期反射も増加し、流体のように立ち上がり、靄のように漂い、オーロラのように瞬く。-25℃の極寒、澄んだ空気で満たされた、広漠の風景。もしくはすべてが荒く押し流された、クロッキング劣化の成れの果て。デジタルローファイ的な荒涼としたサウンドバリエーションを獲得し、Big Reverbの世界観を大胆に広げてくれました。
ノブを3時辺りでオリジナルのクロック設定に近くなるため、評価の高いBig Reverb本来の残響トーンもそのまま楽しめます。更にそこから上げてオーバークロックな設定も可!残響が更にハイファイになり、高域のきらめきが更に強調されます。フットスイッチで残響をホールドして、更にクロックノブでタイムベンドを演出しても最高です。
Big Reverb Ti (Variable Clock Mod) 販売ページ
https://gizmo-music.com/?pid=186930777
お手持ちの個体を改造する持ち込みプランもあります(アンブレラカンパニー取り扱いの正規品のみに限ります)。
アップオクターブ、ダウンオクターブ、ドライを独立して制御。更にリバーブとコーラスも搭載し、教会で鳴り響くパイプオルガンのような空間表現を達成できるPoly Octaver 2。クロックを下げてみたら荘厳な雰囲気から一転、ローファイかつチャーミングに転がっていく複合エフェクトに進化しました。
クロックを下げるとペダル全体の処理速度が落ちるため、オクターブ音が生成されるまで遅れが発生します。その結果ピッチが変化したディレイのようなエフェクトに変貌、更にオクターブ音自体も高域の情報量が減衰したくぐもった雰囲気に。これらが複合したサウンドは他に似ているエフェクトがちょっと思いつかないくらい、ユニークで唯一無二の響きです。早いパッセージのアルペジオやフレーズを弾くと、ピッチシフトしたディレイが遅れて追従し、インテリジェントな相棒と同時にプレイしているような雰囲気に。オクターブ音単体だとすこしヒステリックだった印象が、おもちゃ箱のようなキュートで楽しいヴァイブスに変化しています。
更にここへリバーブとコーラスも足せてしまう贅沢仕様!もちろんこの2つもクロックベンドの影響を受け、時間を無理やりストレッチしたような独特の変化となります。前述のオクターブ音と組み合わせれば、Poly Octaver 1台でアンビエントライブをすることだって出来てしまうと思います。
Big Reverb同様、クロックを3時位にするとオリジナルとほぼ同様のサウンドとなるのも魅力。更にそこから(少しだけ)クロックを上げることも可能です。
Poly Octaver2 (Variable Clock Mod) 販売ページ
https://gizmo-music.com/?pid=186984204
お手持ちの個体を改造する持ち込みプランもあります(アンブレラカンパニー取り扱いの正規品のみに限ります)。
デジタルエフェクトはほぼ全てクロックに基づいて動作するため、実装さえできれば様々なクロックを上げ下げするととっても楽しい。面白くなるか、それとも退屈か?実際改造してみるまでわからないのもロマンですよね。アンブレラでも実験を続けて、またユニークなものができたら皆さんにご紹介したいと思います。
クロックベンドMODのラインナップは今後も少しずつ拡大予定。ご期待ください。