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「ハードウェアー機材の素晴らしさ」を伝えるプログラム、“BACK TO BASICS”の特別企画製品として限定発売されている、CHANDLER LIMITED TG2 マイクプリアンプ/DIのモディファイバージョン “TG2(BACK TO BASICS)“。マイクロフォニックノイズを対策したメカニカルなチューニングにより、オリジナルTG2のサウンドの魅力を100%引きだすだけでなく、メーカー直伝のファット・サウンド・モードを追加搭載。1968年以降の英国アビィロード・スタジオの伝説のオリジナル・サウンドはそのままに、メーカー直伝の新たなサウンド・オプションを搭載した特別限定バージョンです。
すでにCHANDLER LIMITED TG2のユーザーでいらっしゃる、ベーシスト、サウンドプロデューサーの古川貴浩様に、モディファイ・バージョンであるTG2(BACK TO BASICS)のサウンド・レビューをいただきました。プロフィール 古川貴浩(フルカワ タカヒロ) ベース 作詞 作曲 編曲 サウンドプロデューサー 長野県上田市出身 ソニーミュージックパブリッシング所属 14歳よりエレクトリックベースを始め、19歳で音楽活動の為上京後、ベーシストとして活動する。 2005年から作曲、編曲にも本格的に取り組みこれまでに戸松遥、スフィア、嵐、 乃木坂46、Aimer、YUKI、栗山千明、水樹奈々、flumpool、関ジャニ∞、タッキー&翼、やなぎなぎ、9nine、分島花音、(敬称略)など様々なアーティストの作曲、編曲、ベースRecを担当し、テレビアニメ、ドラマなどの劇伴やゲームアプリ、コンサート用の音楽制作まで幅広く活動している。また自身の名義でベース教則本を2冊出版している。 Furukawa Takahiro WebSite http://www5d.biglobe.ne.jp/~udonsky/
エレキベースとエレキギターで試す事が出来ました。
ベースはリアンプで同じマイクでCHANDLER LIMITED TG2のノーマル、BACK TO BASICS制振モディファイ、BACK TO BASICSのファットモードで同じ環境で試しました。 個人的にはTG2はインプットホットにして、TG2らしいパンチがあり、且つ倍音豊かな音色で使いたいので、その分失いがちなローエンドの為に、ベースに使うことがあまり無く他のHAで録ることが多いのですが、BACK TO BASICSの制振モディファイだけでもレンジが広くなりローも見えてきて驚きました。 インプットホットしてしまっているので、それでもちょっとまだ若干ロー感は寂しいかなとも思うのですが、ミッドレンジの押し出し感があって印象は良い感じです。そこまでロー感の必要無いジャンルのベース、又は中域に寄ったベースとかは相性バッチリかと。 BACK TO BASICSのファットモードでは打って変わって重心がグッと下りて、結構深いところのローが録れてきますね。ボトム楽器としては安心出来ます。アクティブのベースなどハイレンジな音にも十分対応してくれそうです。試したときの曲調と楽器的にはロー感があり過ぎて逆に音が緩くなってしまった印象になるほど脹よかです。エレキギターも同じようにHA以外の環境を全く同じにして試しました。
普段、TG2はギター録音専用位の感じでTG2を使っているのでノーマルでも自分の環境では十分ですがそれに対する印象としてBACK TO BASICSの制振モディファイだけでも鉛筆の芯を”B”から”2B”に変えたような線の太さを感じました。 決して鉛筆がサインペンになるとかの全く別物になる訳ではなく、あくまでTG2らしいサウンドの中での変化です。それに音の輪郭も出てコード弾きとかの響きをより聞き易くなったように思います。 BACK TO BASICSファットモードにするとローが出てくるのはもちろんなのですが、音の量感が上がってリズムギターとかの支えになるパートでのオケに対する安定感がそれだけで増します。とはいっても、何でもかんでもファットモードにしたくなるかと言われると、決してそんな訳でもなく、ソースによってむしろファットモードにしない方が結果が良くなるような事ももちろんあり効果が明確といえるモードですね。またDIスイッチ一つで切り替えられるのは思った以上にいいですね。制作はアイディアを具現化する早さなどスピード感が大事なので、さっと試して善し悪しを判断出来るのは良いです。
総評として、まずファットモードに期待をしていて、それ自体はカタログから読み取るイメージ通りの効果と可能性があったのですが、個人的には制振モディファイの恩恵がかなり感じ取れました。たまにモディファイはオールマイティーを目指し過ぎて、オリジナルからかけ離れて逆に無個性になる事がありますが、TG2 BACK TO BASICSに関してはあくまで”TG2として”というスタンスで嬉しかったです。 印象として、例えば同じ型番のギターアンプでもメンテナンスや使用年数、環境で個体差が出て『あそこのスタジオの○○のアンプ良いよね』と言う事が多々あると思うんです。それに近い感覚がありました。長年TG2を愛用している方にもお勧めのモディファイです。