おっとごめん、君がいるなんて気づかなかったよ。ショーを観に来たんだろ?ちょうど僕らはマルチボイスなテクスチャについて、思いを巡らせてたところだ。
本来であれば異なるボイスを、一つにまとめるとはどういうことか。押しても引いても中心に残り続ける、一見バラバラに感じられる軌跡。サウンドキャラクターの集合体、それが創り出す意味とは?
ひとまず、席に着いてくれ。それじゃあステージで会おう。
BL-82はOld Blood Noise Endeavorsならではの、モジュレーション系デバイスへのラブレターのようなデバイス。
基本的には濃密で押し寄せるようなボイスを持つ、コーラスに分類されるエフェクトです。異なる方向へモジュレートされる2つのディレイラインを並列で配置し、ディレイラインのタイミング、LFOのデプスやスピード、サウンドキャラクターはすべて中央のクロックスライダーで決定されます。
BL-82の魔法は、ペダルの処理速度を可変させるクロックコントロールから始まります。キャラクター、音質、雰囲気などあらゆる要素が多角的に変化し、まるで異なるペダルを手に入れたように錯覚してしまうでしょう。
クロック速度を下げるとプリディレイタイムは少しずつストレッチされ、エフェクトとしての境界線が揺らいでいきます。水面に反射する光のような煌めき。コーラスでもありフランジャーでもある「なにか」。奇妙なモジュレーションディレイ。不安定で不確実なピッチベンド。次々に塗り替わるパノラマを眺めるように、自由にペイントを重ねるように、唯一無二の音世界が展開されていきます。
Feedbackパラメーターでディレイラインのフィードバック量の設定が可能。クロックスピードの設定と影響しあい、たった2つのコントロールであらゆる風景を描き出します。
早いクロック設定では、レゾナンスが強調されたコーラスやフランジャーエフェクトに。クロックを下げていくとディレイが存在感を強め、スラップバックや風変わりなリバーブのようにも聴こえます。クロックを下げきるとディレイは反対方向へモジュレートし続けるため、ピッチアップやダウンが連続して発生します。最終的には奇妙なモジュレーションディレイのようになります。
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