まずは忠告を。これは「ジミヘン風ファズ」では全くありません!
60年代後半から70年代に日本のShin Ei(新映電気)によって製造されたFY-2は、希少価値の高いミステリアスなファズデバイス。Colin Greenwood (Radiohead)、Dan Auerbach (The Black Keys)、William Reid (Jesus and Mary Chain)などの愛用者でも知られ、現代まで続くファズの系譜のどこにも属さないユニークなキャラクターを持っています。
Bee BoxはそんなShin Ei FY-2の生々しくゲーティなトーンを忠実に再現しました。心の奥底を掻き回すような野性的なファズサウンドは、モダンなシーンこそ評価が進んでもおかしくないはずです。
オリジナル機を完全再現する”BEE”モードに加えて、Manlay Sound独自解釈の”BAA”モードも搭載。分厚いミドルレンジを追加することで、”Just like honey”なサウンドへもアクセス可能になっています。
シリコントランジスタを2石使用し大きな増幅を行う事で歪を作っています。
入力信号はカップリングコンデンサを介しトランジスタのベース端子に接続されており、その先のエミッタ端子はダイレクトにグラウンドに落ちています。部分的に見ると入力端子にクリッピングダイオードが接続ようなもので入力の段階ですでに歪む要素がある訳で、信号の原型などどうでもいいファズ回路見られる特徴。バイアス点を極端にずらしているため波形の上下の対称性は崩れます。さらにもう一段の増幅回路もバイアス点はまともではなく、ここでも対称性は大きく崩され特徴的な歪を作り出しています。そしてフィルター回路を通ることで、ミッドが大きくカットされたトーンに仕上げます。
出力にバッファーが追加されているので強力なフィルター回路をがっちりとサポート。BAAモードではトーン回路をモディファイしミッドレンジが加わります。意外にもピッキングでのコントロールが付けやすく、テナー/アルトサックスにも通じるセクシーなニュアンスを感じる表情豊かなリードプレイも魅力です。