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【ZOIA駆け込み寺】付点8分ディレイとタップテンポ編

あなたのお悩み解決します。ZOIA駆け込み寺"付点8分ディレイとタップテンポ編"

Empress Effectsによるモジュラーペダルシステム、ZOIA。90以上のモジュールを内部で配置、自由にパッチングしていくことで「マルチエフェクター」「モジュラーシンセサイザー」「インストゥルメント」「ユーティリティツール」などを自分だけのスタイルで構築。想像力の限り無限の可能性をもつ新世代のミュージックツールです。

ZOIAは無限の可能性を持っていますが、そのあまりの自由さに面食らってしまう方も中にはいらっしゃるかもしれません。またこういうエフェクトが作りたい!とイメージがあっても、具体的にどのモジュールをどうパッチングすればいいのかわからないことも。

そんなお悩みをアンブレラカンパニーが解決する、ZOIA駆け込み寺シリーズ。今回は「付点8分ディレイをタップテンポでコントロールしたい」というお悩みを解決致します。

ZOIA駆け込み寺 "付点8分ディレイとタップテンポ編"

今回頂いたご相談はこのようなものでした。

設定方法が分からず、思い通りのDelayが作れません。タップテンポができ、付点8分でディレイが返ってくるモジュールの組み方を教えていただけませんか?

リズミカルなサウンドを生み出す付点8分ディレイは、演奏と同期させるためのタップテンポが必要不可欠ですよね。楽曲のテンポに合わせて4分音符のタイミングで踏めば、きっちり付点8分で音が返ってくる。これだけだとシンプルなエフェクトに聞こえます。

しかし、フットスイッチの入力をZOIAで作ったディレイのどこに繋げばよいのか。それに、4分音符で入力したディレイタイムを付点8分にするにはどうすればよいのか。シンプルなエフェクトほど、意外に悩みが多いものなのです。

しかし、ZOIAにはそんな悩みを解決してくれる便利な設定や、便利なモジュールがたくさんあります!今回カギとなるのは、Clock Dividerモジュールです。

モジュールのごく一部。アップデートで続々と増えています。

フットスイッチとディレイを接続

まず準備として、ZOIA内でディレイを作ります(ディレイの作り方はこちらから)。次に、作ったディレイ回路内のDelay Lineモジュールをエディットし、tap tempo inの設定をyesに変更します。エディット画面は、エディットしたいモジュールのブロックを押してから、Shiftボタンと1行目左から3つ目のボタンを同時押しすることで開くことができます。するとDelay Lineモジュールにtap inputというブロックが増え、モジュールが長くなります。

tap tempo inを有効にしたディレイのパッチング図
赤:Audio Input/Output 水色:Audio Balancer 紺:Delay Line

このtap inputというブロックが、フットスイッチからの操作を受けてディレイタイムを変更するブロックになります。フットスイッチの操作を反映するStompswitchモジュール(Interface Modulesの下にあります)を配置し、このtap inputに接続しましょう。フットスイッチを踏んだ通りにディレイタイムが変化するようになります。

*注意!:BYPASSフットスイッチとSCROLLフットスイッチをStompswitchモジュールで使用するためには、二つのボタンを長押ししてAuxilary Modeに切り替える必要があります。詳しくはマニュアル18ページをご確認ください。

Footswitchをtap inputに入力
ピンク:Footswitch

しかし、これでは4分音符のタイミングで踏むと4分音符でディレイが返ってくるだけ。付点8分でフットスイッチを踏めばよいのですが、現実的ではありません。4分音符で踏んで、付点8分のディレイにするためには、フットスイッチで入力しているテンポを変換してあげなければいけません。以前はこの時、4分音符を4分割して16分音符にして、それを3倍にして…という操作が必要だったのですが、現在はClock Dividerモジュール一つでテンポの変換ができるようになったのです!

便利なClock Divider!

ここで先に、音符の長さと速さ/テンポについて整理しておきましょう。BPM=120のとき4分音符は1分間で120回発音できるので、120回/分という速さを持っていると言えます。

それでは音符の長さが4分音符の1/2である8分音符はというと、4分音符の2倍発音できるので240回/分の速さを持っています。音符の長さとその速さは反比例の関係にある、ということですね。なので4分音符の3/4倍の長さである付点8分音符はどうかというと、4分音符の4/3倍の速さを持っていると言えます。

さて、Clock Dividerモジュールの説明に行きましょう。試しにClock Dividerモジュール(Control Modulesの下にあります)を立ち上げると、”input”,”dividend”,”divisor”,”CV output”の4ブロックが表示されます。Clock Dividerモジュールは、inputに入ってきた信号の速さを分数倍してCV outputから出すモジュールで、かける分数の分子がdivident、分母がdivisorに当たります。

今回フットスイッチで入力したいのは4分音符、取り出したいのは付点8分音符なので、速さは4/3倍ですね。なので分子のdividendに4、分母のdivisorに3を設定します。そしてStompswitchモジュールとtap inputの接続を切って、StompswitchモジュールとClock Dividerモジュールのinput、Clock DividerモジュールのCV outputとtap inputを接続します。これで完成です!4分音符でタップテンポを入力すると、付点8分でディレイが返ってくるはずです。

Footswitch-Clock Divider-Delay Lineのパッチング図
黄色:Clock Divider

Clock Dividerモジュールのdividendとdivisorの値を変更すると、ディレイタイムが様々な音符に変化します。dividendとdivisorがそれぞれ1,2で2分音符、2,1で8分音符、3,1で1拍3連、5,1で1拍5連になります。いろいろ数値をいじって、「テンポにあっているようで、ずれているようなディレイ」を楽しむのも良いかもしれませんね。

ZOIAのお悩みをお聞かせください!

ZOIAについてのご質問は、アンブレラカンパニーまでお問い合わせがあったものを順次お答えしていきたいと考えております。 「こんな事がやりたい」「こんな方法を試したがうまく行かなかった」「こういうエフェクト/ツールは作れる?」というように具体的にお知らせいただけると、スピード解決も可能です。複雑、難解なご質問には時間がかかるかもしれません、気長にお待ちいただければと思います。

なお、いただいたご質問ならびにご回答は他のZOIAユーザー様のためにこちらのBUZZのコンテンツとしてご紹介させていただきますので予めご了承くださいませ。 無限の可能性を持つZOIAの世界を探検する道標になれれば幸いです。次回の"ZOIA駆け込み寺"もお楽しみに!

アンブレラカンパニーへのお問い合わせやZOIAに関するご質問は、アンブレラカンパニーお問い合わせフォームまでお気軽にどうぞ!

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