ファームウェアV2が公開されました!
BBDを使用した正真正銘のアナログディレイでありながら、完璧にチューニングされたデジタルコントロールによってかつてない機能性と表現力を備える「最も音楽的なアナログディレイデバイス」、EAE Sending。発売当初からそのMIDIコントロールや自由度の高いシンク、モジュレーション機能が好評だったこのペダルに、今回大きなアップデートが発表されました!この記事では下のクールなデモ動画を見ながら、今回のアップデートで追加された主要な新機能を確認していきましょう。
まず追加された機能の中でも最も個性的で興味深いのが、「LFOアルペジエーター(クオンタイザー)」の追加です。これまでもTimeに対してのモジュレーションで連続的なピッチベンドを生み出すことはできましたが、LFOアルペジエーターを使用することで、オクターブや5度など決められた音階へとジャンプするピッチモジュレーションが可能になりました(上の動画の1:40からサウンドが確認できます)。さらにこのLFOアルペジエーターにはグリッチモードが含まれており、アナログディレイをグリッチさせるという、前代未聞のサウンドを生み出すこともできるのです!
モジュレーションに関するアップデートはこれだけではありません!今までモジュレーションはTimeにしか適用できませんでしたが、今回追加された「Modマトリクス」によってFilterや、Feedback、Mix、ColorもLFOで揺らすことができるようになりました(上の動画では5:30からこの機能を確認できます)。これによってピッチのうねりに合わせてフィルターを動かしたり、Mixをゆったりと変化させたりと、更なるアナログディレイ表現が可能に!
上記の二つ以外にもアップデートは盛りだくさん。CVパルスによるクロック信号を受けつけるようになった他、Swell機能へのHoldモードの追加、LFOへのシンク機能の追加、パラメーターリセット機能の追加、MIDI コントロールの拡張など、その内容も多岐にわたります。全てのアップデート内容はこの記事の下部をご覧ください。
また今回のアップデートで改定された新日本語マニュアルにはアップデート内容の他、機能のより詳しい解説やアップデート方法が記載されています。アナログディレイとしては類を見ない程の機能性や表現力、クリエイティブなサウンドを持ちながら進化するSendingに、これからも目が離せません。
(Electronic Audio Experiments Sending製品詳細はコチラから!)
EAE Sending
アップデート内容
【LFOクオンタイズモード】
LFOクオンタイズモードを追加。割り当ての無かったFilterノブのセカンダリー機能でアクセスすることができます。このモードではLFOをクオンタイザーに通すことで、アルペジオやリズミカルな変化を生み出すことができるほか、意図的なクロックのエラーを引き起こすグリッチモードも含まれています。Depthコントロールで変化するピッチの幅を調整することもできます。
【Swellモード関連】
Tap/Swellフットスイッチを踏みながらフィードバックレベルを調整できるようになりました。
Swellタイムを設定できる範囲が広がりました。
トレイルバイパスのとき、Swellをしながらモーメンタリーでペダルをオンにすることができるようになりました。
新しくHoldモードを追加しました。フィードバックの値が大きくなった際に入力をゲートすることで、初期のデジタルディレイにおけるホールド機能のようなサウンドを生み出すことができます。HoldモードとSwellモードはShiftを押してからプリセット1を押すことで切り替えることができます。
【LFO関連】
RateコントロールとDepthコントロールのテーパーを改善しました。
V/octスタイルのピッチコントロールがよりスムーズになりました。
Shapeコントロールがサイン波、矩形波、三角波をクロスフェードするようになりました。
Shiftの後にプリセット2を押すことでアクセスできるModマトリクスで、TimeやFilter、Feedback、Mix、Colorもモジュレートすることができるようになりました。
【クロック/シンク関連】
タップテンポとMIDIクロックのエンジンがより正確になりました。
LFOのクロックシンクを追加しました。Shiftとの後にプリセット2を押すことで切り替えることができます。
CVクロックモード!Configueメニュー(Shiftを押しながら電源投入)でプリセット3を長押しすることで切り替えることができ、EXP/CV入力で通常のCVやエクスプレッションのコントロールを受け付けなくなる代わりに、0-5Vのクロックパルスを受け付けるようになります。このパルスはペダル内部のタップテンポエンジンへと入力されますが、タップテンポ入力時の入力を平均化する機能はオフになっています。モジュラーシンセサイザーからのクロック信号を使うと、より興味深いタイムチェンジが楽しめます。
エクスプレッションコントロールとタップテンポやMIDIクロックを組み合わせた際に、タップやクロックのテンポがエクスプレッションの最小値になるように変更されました。
【細かなQOLの改善】
LEDの輝度を少し下げることで、バイパスの状態が視認しやすくなりました。
セカンダリー機能とModマトリクスのリセット機能を追加しました。
Bypass LEDがモジュレーションの波形を表示するようになりました。
段階に分かれているコントロール(Tiem DivやLFOクオンタイズなど)を調整する場合、次の段階へと切り替わった際にShift LEDが一瞬光るようになりました。
TrailsレベルにCCが割り振られ、ディレイへの入力音量のスウェルが調整可能になりました。
【MIDIの再整備】
Timeとエクスプレッションの設定に14-bit MIDIが使用できるようになりました。
エクスプレッションの設定専用のCCが実装されました。
Modマトリクスに関するCCが実装されました。
クロックの管理のためのCCが実装されました。
リンク集
Electronic Audio Experiments Sending製品ページ
Sending日本語マニュアル