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スペインのペダル工房「MANLAY SOUND」が(丁寧すぎるほど)丁寧にハンドメイドするトーンベンダー・レプリカの中でも、ゲイリー・ハーストが1965年に発表した「TONE BENDER MK1」のレプリカである「RONNO BENDER」は特筆すべきファズ。ペダルに仕上がっています。

自らもスペインでギタリストとして活躍するビルダーのRoman Gilは、熱心なビンテージ・ファズ・サウンドの研究家であり、その探究心とプレーヤー視線の開発精神がこの素晴らしい1965年のトーンベンダーを現代によみがえらせています。すべてポイント・トゥ・ポイントの手作業で、塗装も組み上げもすべてハンドメイドですので月産数が少ない人気製品です。

シンプルな回路構成の「TONE BENDER MK1」は、そのパーツ構成、部品自体の品質やマッチングで大きくトーンが左右されるので、その個体のトーンを決めるのはビルダーの耳とセンスにかかっていると言えます。Romanの製作するトーンベンダーやファズフェイスなどのレプリカ製品が高い評価を得ている大きな理由はRoman Gilのトーンメイクのセンスであるとも言えます。

MANLAY SOUND RONNO BENDER

最近のRONNO BENDERには、初期にはなかった「バイアス・スイッチ」がトップに追加されています。

Manlay Sound Ronno Bender トーンベンダーMK1

向かって右側のポジションが”Vintage”モード“で、本物の1965年トーンベンダー・サウンドです。Attackコントロールを最大付近にセットしたロング・サスティーンは、1965年製トーンベンダーの愛すべきロング・サスティンのクリーミー・トーンです。

バイアススイッチを向かって左側のポジションにすると、”Modern”モードです。Attackコントロールを最小付近にセットすることを製作者のローマン氏は推奨しています。ノート・ディケイを滑らかに保ち、ギターのボリュームへの追従性を増すことができます。驚くほど手元のボリュームだけで、クリーンからクランチ、ドライブしたサウンドまで自由自在に調整ができるようになります!Attackを高めにするセッティングの場合は、バックグランドノイズの少ないVintageモードが適しています。

この「バイアス・スイッチ」は本当に素晴らしく、「TONE BENDER MK1」の使い勝手を格段に良くしてくれます。ビンテージ機にはなかった機能ではありますが、本来のオリジナルトーンには何ら影響なく、バリエーションを増やせられ、その使い勝手も正に「弾き手目線」で欲しかったサウンドとなるので、MANLAY SOUND「RONNO BENDER」の魅力を飛躍的に拡大できます。

このスイッチの秘密について、弊社技術担当に解説をお願いしましたので、以下の資料をお楽しみください!


MANLAY SOUND RONNO BENDER
バイアス・スイッチ解説

MANLAY SOUNDのRONNO BENDERは、TONE BENDER MK1 の回路を基本に3つのゲインステージのトランジスタの選択、使用トランジスタに合わせて抵抗値を調整し組み上げられている。

基本のサウンドはTONE BENDERらしく良く歪み、きめ細かくクリーミーなトーン。強烈に歪んでいてもアルペジオで演奏できるくらい各弦のセパレーションが良い不思議な音色に惚れました。そしてゲートが働くので、ハイゲインでありながら意外とローノイズ。ゲートはとてもナチュラルなレスポンス、超ロングサスティン。
MANLAY SOUND RONNO BENDER マンライサウンド Tone Bender MK1 トーンベンダー
歪量を調節しようとギターのボリュームを絞ってもなかなか歪は下がらない、言う事を聞いてくれません、このじゃじゃ馬は。ATTACK ノブを控えめにして、ギターのボリュームも絞って弾く、今度はゲートが アダとなり、反応が悪く、音も途切れがち、つまり弱く弾くとまともに鳴ってくれない、ピッキングで「強弱」は表現できない。そもそもファズにそんなことを求めてはいけないのかもしれない。ピッキング「強」で弾き倒すそれがRONNO BENDER。まっすぐで、力強く、豪快なじゃじゃ馬ファズ。

そんなじゃじゃ馬に、いつの間にかこっそりスイッチが搭載されていた。乗りこなしやすいように鞍が付けられた感じ! その鞍を装備すると、お嬢様を乗せてジャンプとかしちゃう、よく調教された賢い白馬に変身するのだ。スイッチにより3段目の増幅回路にバイアスが与えられ、小信号の入力でもゲートがかからず安定した増幅動作をするようになる。

ATTACK ノブがフルテン付近の歪の設定のままだと、増幅度が大きいので、ゲート動作がなくなった分 ノイズがやたら目立つ。なので 白馬モードでは歪みのATTACK ノブをひかえめに設定する事を、設計者はお薦めしている。ギター側をフルテンで出してあげれば豪快に歪む!ギターのボリュームを絞れば思い通りに歪も下がるし、弱く弾いてもブツ切れにならない、サスティンの消え際や押さえた指を離す音までしっかり再現する。ギターのボリュームにもよく反応するようになる。絞ると歪みは軽くほどよくエッジが立ったジャキバリクランチ、フルテンでガッツリ歪む。メリハリ、強弱をつけた演奏もできるようになりました。

じゃじゃ馬モード(Vintageモード)と、白馬モード(Modernモード)の反応の違い、オシロスコープで波形を観測してみた。歪量を調節するATTACK ノブは最小にしています。写真はそれぞれのモードで弾いた、サスティン部分のある瞬間の波形です。

じゃじゃ馬モード(Vintageモード)

じゃじゃ馬モードは上側にだいぶ偏った波形が見られる。偏りすぎて下側に振れるべき波形がばっさり切り取られている。それは瞬間的に半波整流の波形と酷似する。このモードはうまくバイアスが与えられていないので信号電圧自身でトランジスタの能動領域まで達しないとならない。

下側半分が切り取られると波形の出現が一回休みの状態になる。一回休みと言う事は、波形の周期が2倍になったとみなされ、つまり1オクターブ下の成分が大きく現れる。サスティン部分でブツ切れ感を伴ったダーティーなサブオクターブを感じるのは、この特徴的な波形からも読みとれる。

 

白馬モード(Modern Mode)

対して白馬モード(Modernモード)は、程よくバイアスが与えられ常に能動領域で動作できているので波形の上下にほぼ同じように振幅している(形は異なるが)。これによりブツ切れになる事はなくなリ、小さな入力でもレスポンスが保たれ、演奏ニュアンスのコントロールが付けやすくなる。

 

動画でも違いが確認できる、じゃじゃ馬モードでは波形の減衰が早い、素早いディケイ。しかもサブオクターブ成分により濁ったサスティンとなり、どこかシタールのような いなたい響きを醸しているのは波形の変化にも現れています。

白馬モードは、減衰が緩やかに、つまりサスティンが長くなりブツ切れ感がなくなっている事が分かります。サスティンの終わりのあたりに半端整流っぽい波形がみられます、3段目のゲートで埋もれてしまっていた、1段目のゲインステージの波形です。1段目も簡易的なバイアスになっているのでこの波形が現れますが、大きな抵抗値でバイアスしているので3段目ほど強烈なゲートにはなっていない。

バリエーションが驚くほど広がった!ギターのボリューム一つでこれだけ音色が動くと面白い! ペダルを切り替えるのも良いけど、ギターのボリュームで音色を変えるのもなかなかかっこ良い。そんな技巧派ギタリストにも使いやすくなった RONNO BENDER また魅力が増えちゃいました。

 

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