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Guitar amp ギターアンプ

ギターアンプの「センド&リターン端子」とは? 徹底解説・基礎編

ギターアンプの「センド&リターン端子」 なんとなく知っているが、よく分からん、使った事はない。最近は多くのアンプで見かけるこの機能。配線は少し複雑になりますが、音質へのメリットは大! 試す価値あり「センド&リターン」!

1、「センド&リターン」 とは 何なのか?

まず、ギターアンプの構成をおさらいしておきましょう。ギターアンプは、プリ段(音色を作る回路)とパワー段(スピーカーを鳴らすための電力増幅する回路)から構成されており、通常は内部で接続されています。 この プリ段 と パワー段 を切り離して何か良い事に使おうというのがセンド&リターンです。 センド&リターンは、またの名をエフェクトループと言い、信号を外部のエフェクターに送って戻す経路を作ります。だからセンド(Send = 送る)&リターン(Return = 戻る)です。 センドはプリ段の出口、リターンはパワー段の入り口です。メーカーや機種によっては「プリアンプ・アウト」や」パワーアンプ・イン」と呼ぶ場合もあります。 ギターアンプのセンド&リターン,センドリターン,使い方,接続,接続方法,send&return,JC-120 アンプの前でエフェクトをかけるのと、センド&リターンのエフェクトループを使いエフェクトをかけるのは何が違うのか? エフェクトの効きが違います、効果的に正しく働いてくれます。 例えば、アンプでディストーション・サウンドを作って、ディレイ・エフェクトで残響を付けたい。この場合ディレイは歪の後段に置くのが有効です。もし ディレイ→ ギターアンプ・インプット と使った場合、ディレイ → 歪 という順番になるので、だんだん小さくなるはずのディレイのリピート音も、アンプのハイゲインセッティングによりガッツリ増幅されドライ音と同じくらいの音量で聞こえるでしょう、それはもはや残響ではなく音の洪水、ぐちゃぐちゃに重なり合い ごちゃごちゃでめちゃくちゃびちゃびちゃな,、とっても「ちゃ」が多いサウンドになっちゃいます。 センド&リターンのエフェクトループを使うと 歪→ディレイ と理想的な順序でディレイを使う事ができる訳で、適切な残響音が得られます。 例をもう一つ、先程と同様にアンプでディストーション、そして今度はボリュームペダルを使いたいと思います。 アンプの前にボリュームペダルを配した場合、ギターアンプのゲインボリュームを操作しているのとほぼ同じなので、音量と言うよりも歪具合を調整している感覚に近いです。音量は変化するものの、コントロールしていると言う感じの変化にはなりません。 センド&リターンにボリュームペダルをはさむと、アンプのマスターボリュームを操作している感覚でペダル操作に追従しますので思い通りの変化カーブで音量を操ることができるようになります。 このように、センド&リターンは、エフェクターが効果を正しく発揮する順番で使用する事を可能にしてくれます。

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2、2種類ある!センド&リターン

センド&リターンには、もう少し発展させた考えで音質の向上をねらった もう一つの使い方を可能にした物も存在します。そう、センド&リターンには2種類あるのです。 これまでは2種類あるうちのシリーズ・センド&リターンについての説明でした。「シリーズ(SERIES)」とは直列の事、プリ段の出口→センド&リターンのエフェクトループ→パワー段の入口 このように直列につながります。 対して、もう1種類は「パラレル(PARALLEL)」。プリ段とパワー段を切り離さずにセンド&リターンを追加し、原音とエフェクト音をミックスすることを可能にしたパラレル(並列)センド&リターン。効果的に使うには条件があるが正しく使えば最高音質でプレイする事が可能です。

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パラレル・センド&リターンの活用条件

1、エフェクトの種類 パラレル・センド&リターンは原音がベースにあり、そこにエフェクト音のをミックスしていく使い方になります。ディレイやリバーブといった残響系は原音ありきのエフェクトですので、パラレル・ミックスの恩恵を受けることができます。外部エフェクターやシールドケーブルといった余計な経路を通過しない分 劣化のない新鮮な原音をキープでき、音質向上につながります。 歪系や音量操作系(コンプやトレモロ)、EQやフィルター系のエフェクトは効果が半減しますので、シリーズ・センド&リターンで使用すべきです。

2、なおかつ、原音カット(Kill Dry)ができる パラレル・センド&リターンの場合、原音は常に一定のレベルでパワー段に送られています。この原音は外部エフェクターやシールドケーブルを通過しない劣化のない原音です。正しく使えばピュアなドライ信号を活かした音質向上が見込めます。しかし何も考えずエフェクトを使うとドライ音はダイレクト経路とエフェクト側にもありますですので、ドライ音の割合が倍になってしまい思った効果が得られるなくなります。そればかりかエフェクト側の経路で位相のズレが発生する場合は、双方のドライ音が干渉し音質異常の原因となってしまいます。ですので使用するエフェクターはエフェクト音のみをリターンに戻す原音カット機能(kill dry)を備えたでものある必要があります。

3、レベルに注意 例えばJC-120、センド&リターン端子の近くに「+4dBm / -20dBm」と書かれたスイッチがあります。 これは外部のエフェクトで使用するレベルの基準を表しています。 『ラックタイプのエフェクターを使う場合は +4dBm、ペダルタイプのエフェクターを使う場合は-20dBmに合わせます。+4dBmは「センド端子から+4dBmで出力するから、+4dBmでリターン端子に入力してね。」という意味。そして、-20dBmは「センド端子から-20dBmで出力するので、リターンには-20dBmで入力してね。」と言っています。これらには扱うレベルに10倍以上の開きがありますので、正しく使わないと最悪の場合レベルオーバーによるクリップ性の歪や、レベルミスマッチによるS/N比の悪化の要因となります。』と、いうのが一般的な解説でしょう。 が、アンブレラ流に突っ込んで検証した結果、面白いことが分かりましたので次回詳しく。

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後編:「ギターアンプのセンド&リターン端子とは? 徹底解説・応用編」はこちら↓ https://umbrella-company.jp/contents/guitar-amp-send-return-02/   

*機器によって仕様は様々です。本記事の内容と異なる場合もございますので、必ずご使用のギターアンプの仕様や説明書に従ってください。 *本記事の内容において、実行される場合には全て自己責任で行ってください。

   

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