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ZOIA大学 モジュラー専修
課外授業 :電子工作編

ZOIA大学(ゾイ大)の第4回:Quantizer編で登場した ZOIAでテルミンごっこ用のセンサーモジュール、「これは作ってみたい」「作り方を教えて!」と問い合わせをたくさん頂きました!と言う事でもないのですが、せっかくなので何かのヒントにもなると思いますので回路図をシェアします。電子工作が得意な方はぜひチャレンジしてみてください。

今後ご要望が多い場合はプリント基板化し、作り方も詳しく解説、DIY用に配布もしくはキット販売などへの発展があるかも!?

参考資料 製作例 ※細かいところは回路図とは異なる部分がございます。

測距センサーモジュール GP2Y0A21YK を使用した、距離の違いによりCV(0〜5V)として出力するコントロール インターフェイスとなるアクセサリーです。0 ~ 5V のCV出力ですので、ZOIA以外にもモジュラーシンセなどCVを受けることができる機器と組み合わせて様々な用途でお使いいただけます。

やっている事は単純、距離センサーの出力をアンプで受けCVとして使いやすい範囲で変化するように調整し出力します。

GP2Y0A21YK このセンサーの実用的な有効範囲としては 6cm ~ 60cm といったところです。センサーからの距離が 6cm 付近で最も高い電圧を出力し、距離が遠くなるほどに低い電圧を出力します。距離が離れ60cm以上となった場合でも、このセンサーの仕様で0.5V程度出てしまいます。これだと0.5Vが邪魔になり0Vを出力できません。うまく調整できても0.5V ~ 5VのCV出力となってしまいます。そこで、ダイオードの0.6V程度の電圧降下を利用しレベルシフト、D1を直列に入れる事で0.6V差し引いた 0V〜 出力できるようにしています。これにより 6cm ~ 60cm の変化を 0V ~ 5V の変化として出力できる扱いやすいセンサーモジュールとなります。

GP2Y0A21YK は、その動作原理から出力が少し粗くギザギザしていますので、C3でフィルターをかけ滑らかに整えます。それでもギザギザ感が気になる場合は、1uF を並列に追加してみてください。

電源はオペアンプ用に9Vと、距離センサー用に5Vが必要です。9VはDCジャックからそのまま、5Vは三端子レギュレータICを使って作ります。配線を間違えないように注意してください。

DCジャックは1つでも良かったのですが、2つ設けたのはパラってZOIAに電源供給するためです。こうしなければセンサーモジュールのために電源をもう一つ用意しなければなりません。

ケースは透明のプラケースにしてみました。透明ケースなら赤外線は通過できます。センサーを外側に設置するための大掛かりな加工も不要です。穴あけ加工は楽ですが、割れやすいので注意してください。

CV THROUGH端子はオプションです。ZOIAのCV出力ほかの機器に送る事ができます。用意する場合は3.5mmモノラルジャックが良いでしょう。

組みあがったら、動作確認&出力の調整作業が必要です。テスターで出力電圧を確認し、センサーに手をかざして出力電圧が変化する事を確認します。6cm付近で出力電圧が最大になる訳ですが、この時の電圧値が 5.0Vとなるように半固定抵抗器で調整します。何があっても5Vを超えないように繰り返し確認し調整します。

以上で完成です。

ZOIAで使うには、コンフィグレーションメニューのCPort︓コントロールポート設定でCVを選択してください。そして、インターフェイスモジュールの Cport Exp/CV in を配置しパッチングすれば外部のCVでZOIAをコントロール可能です。CVを受けるモジュールのコントロール全てが対象です。

応用例として、このセンサーのCV出力MIDIとして出力させる、そんな面白い使いかたも可能です。MIDI CC OUT モジュールや MIDI Note Out モジュールを活用すればセンサーでMIDI対応機器をコントロールできます。思いつくままに色んなアイデアをお試しください。

参考資料 使用部品

● 距離センサー GP2Y0A21YK
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-02551/

● オペアンプ TL072
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-12145/

● 三端子レギュレータ LM78L05
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-13462/

● DCジャック 2個
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-06342/

● フィルムコンデンサ 1uF 3個 ~
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-14602/

● ダイオード
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-13882/

● 半固定抵抗器 20kΩ
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-12703/

● 抵抗器 20kΩ
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gR-03940/

● 抵抗器 7.5kΩ
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gR-25752/

● 抵抗器 470Ω
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gR-25471/

● ユニバーサル基板
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-00517/

● 6.3mm フォンジャック
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-06762/

● 3.5mm モノラルジャック (オプション)
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-12524/

● ケース
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-07423/

その他配線材が少々必要です。

 

番外編:モジュラーに接続

BUZZの記事編集担当がモジュラーシンセに接続して挑戦してみました。BASTL INSTRUMENTSのPOPCORNシーケンサーのクオンタイズ機能を使って、ZOIA大学(ゾイ大)の第4回:Quantizer編みたいにやってみました。スケールの選択が間違いだったのか、リズムを作るセンスがないのか、盆踊り、音頭っぽさが出てきてしまい「どんどんぱどんどんぱ」といった具合になりました。もう少し練習すればイケるかもという思いもありましたが、追及したところでどうせ誰も褒めてくれないのでファーストテイクで止めておきます。皆さんのもっと素敵なセンスで是非かっこいいトラックをお願いします。出来たらぜひ教えてください!私のことはどうか慰めてください。

★その他のZOIAのチュートリアル動画は以下のタグでまとめてありますのでリンクをご参照ください!
https://umbrella-company.jp/contents/tag/zoia-tutorial/

★ ZOIAについて

音のアイデアを描くためのオープンキャンバス。モジュラー・ペダル・システム Empress Effects “ZOIA“は、普通に使えば柔軟なカスタマイズが可能なマルチエフェクター(世界最小?)ですが、80種類以上のモジュールを組み合わせればオリジナルのエフェクターを作ったり、モジュラーシンセサイザーとして利用する事ができます。もちろん「オリジナル」の領域に行かなくても、定期的に追加される本家メーカーのファームウェアアップデートや、ネット上で無限に見つけられるシェアパッチをダウンロードすれば、その度に新しいエフェクターを追加できるので、それだけでもマックスに楽しいのですが、やっぱりモジュールの使い方を覚えると、よりクリエイティブな使い方ができるので超お勧めです。

でも実際には、ギタリストや、シンセ初心者の方で「モジュラー」とか「CV」とか「ボルテージコントロールド~」とか書かれると拒否反応が・・・という方も多いかもしれませんね。

Empress EffectsのZOIAには、モジュラーシンセの基本~応用まで全てのモジュールが備わっており、それを理解して組み合わせると、様々なエフェクターをデザイン出来たり、シンセサイザーを構築したり、シーケンスとギターの同時演奏なども可能になります。モジュールを理解する事でマルチエフェクターとして使用する場合にも、フットスイッチを踏み込んでいる間だけ特定の要素が変化するとか、徐々に切り替わるとか、自分のサウンドの為に実現したいことが自由自在にできるようになり夢が広がります。

このコーナーでは、ZOIAの『CV加工系のモジュール』について、応用技も絡めながら、なるべく簡潔に分かりやすくシリーズで説明していきたいと思います。もちろんZOIAだけの話ではなく、モジュラーシンセ全般に共通のモジュールについての解説ですので、シンセサイザー初心者の方にも参考にしていただけると嬉しいです!

 

 

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