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ダイナミックマイクから出力トランスを取り外すモディファイは海外では定番です。スタジオの機材リストにも例えば【SHURE SM57 Transformer Less Mod】などの表記を良く見かけると思います。特にSM57のトランスレス改造は世界中で定番のモディファイになっています。
当サービスでは、お客様がお持ちのダイナミックマイクにトランスレス改造を施し、さらに48Vファンタム電源で動作するプリアンプ回路を追加、オールマイティーなサウンドと使い勝手の良さを両立させています。
多くのダイナミックマイクロホンは、音声信号の昇圧と電気的な絶縁を目的とした音声トランスを持っています。このトランスは、ダイヤフラムなどの振動系や機械的構造とともにサウンドキャラクターを決定付ける大きな要素になっています。
このトランスをバイパスしてキャラクターを変える改造を施した例を、海外のレコーディングスタジオの機材リストの中によく見かけることがあります。ただし、この方法ではトランスが稼いでいたゲインの分を失う事になりますので、マイクの出力レベルが低下し、マイクプリアンプのゲインが足りなくなる事も経験すると思います。また、理論上2番ピンと3番ピンは直流的には同電位となりファンタム電源がかかっても電流は流れませんが、万が一のトラブルの際は危険な状況も考えられます。
弊社では、単純にトランスを外して配線を出力コネクターに直結する方法での不都合な点を解決すべく、ファンタム電源で動作する特別なプリアンプ回路を用意し、トランスの代わりにマイクの中に組み込む方法でトランスレス化改造を行います。プリアンプはA級バイアス動作のオールディスクリート構成、フラットな印象ながら倍音を適度に含む質感に仕上げています。
ここではSM57の場合の例になりますが、オリジナルと比較すると、
などのサウンド変化がご確認いただけると思います。
特性はカプセルでチューンされているため、近接効果を活かしたマイキングももちろん可能です。また、プリアンプはマイク筐体内に置かれ樹脂で充填されますので物理的な衝撃にも強い構造で、今まで通りの使い勝手は継承しつつ、新たなサウンドキャラクターを提供する事に成功しています。
ギターアンプ、スネアドラム等のオリジナル定番の用途としてはもちろん、ホーンセクション、ベースアンプ、ボーカル、ガットギター等も従来とは異なる新しい質感での収音が可能となると思います。
簡単に改造内容をご紹介させていただきます。マイクによって構造が異なりますので最適な方法を選び施工いたします。(中には分解が困難・不可能な物もあると思いますので、その場合には改造ができない場合があります)
まず、プリアンプ基板を作成します。配線を済ませ、マイクとの合体の時を待ちます。
マイクを分解すると音声トランスが確認できます。このマイクの場合は熱可塑性樹脂をし固定してあります。筺体に熱風を当て樹脂を柔らかくしてトランスを抜き出します。
そこに用意したプリアンプ基板を組み込み、同様に樹脂で充填し固定します。
出力コネクターの配線、ボイスコイル側の配線を施し、組み上げて完成です。
マイクの種類によっては本改造ができない製品、改造ができるかどうか検品をしてみないと分からない製品などがございますので、お申し込みの際には弊社からの返信があるまで製品を発送されないようお願いいたします。