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Modular synth モジュラーシンセ / ユーロラック

BASTL INSTRUMENTS 「DYNAMO」エンベロープフィルター/コンパレーター /ボルテージ制御スイッチを統合する"ダイナミック・アナライザー"。コンプレッサーや "(F)TZM" の構築にも便利。

Bastl InstrumentsのDynamoは、エンベロープフォロワーコンパレーターボルテージ制御スイッチの3つの機能を合体させたユーティリティ・モジュールです。機能を組み合わせることで「コンプレッサー」や「フェイク・スルーゼロ・モジュレーション」と呼ばれるテクニックも得ることができます。

エンベロープフォロワーとコンパレーターを使用してエンベロープからゲート信号を抽出できます。全波整流器出力(音量の強弱を検出するための「正電圧」のコントロール信号を出力する)の|EF IN|も備えており、さらにCompressor CVの為のカーブジェネレータも装備されています。 Compressor CV信号、をオフセットノブとアッテネーターノブのあるVCAモジュール(例えばBASTL INSTRUMENTSのQUATTRO FIGARO)のCV INに接続するとコンプレッサーが構成できます。DynamoのThresholdノブはコンプレッサーのスレッショルドを、VCAのオフセットはコンプレッサーのゲインを設定し、CVインプットのアッテネータはコンプレッション・レシオを設定できます(マイナスのレシオも設定可能です)。VCA、チューブモジュール、VCFなど、ラックから来るものすべてからコンプレッサー効果が得られます。 また、Dynamo特有のトリックに全波整流器とコンパレータを組み合わせたボルテージ制御スイッチがあります。それらはすべて内部接続されていて「フェイク・スルーゼロ・モジュレーション」を作り出すのに適しています。ネガティブ・モジュレーションとCVのゼロクロスポイントを調整することで、非常に興味深いモジュレーションの世界があなたを待っています!

BASTL INSTRUMENTS DYNAMO マニュアル

①. エンベロープフォロワー (“EF”) は、入力信号の音量を分析し、信号のエンベロープの輪郭を表すそれぞれの電圧を出力する回路です。ほとんどのエンベロープフォロワーを利用するパッチでは、信号を解析して、さらにプロセスにも使用するため、元の入力信号は分配される必要がありますので、DynamoではEF INの2分配マルチプルがあらかじめ用意されており便利です。

②. EF OUTは信号の音量の強弱を検出するための正電圧のみを出力します。EF INの信号が大きいほど、EF OUTの電圧が高くなります。エンベロープフォロワーを適切に構成できます。

③. - (EF OUT)はEF OUTの反転バージョンで、負電圧のみを出力します。 EF INの信号が大きいほど、EF OUTの電圧が低くなります。クリエイティブなサウンドメイクに様々なアイデアで応用が可能です。

↑エレクトリックギターをHENDRIKSONに入力→ DYNAMOのEF信号を→CINNAMONでフィルターしています。典型的なエンベロープ・フィルターのサウンド。

④. EF回路の一部はスルーリミッター(非常に低いローパスフィルター)であるため、Slewのリリースタイムを変更するための設定があります。 これは、Compressor CV出力を使うときに、反応のスピード(リリースタイム)を設定するのに便利です。 一般的に多くの低域の周波数が処理される場合にはMIDまたはSLOWのリリースタイム設定がお勧めです。 また、EF INへのトリガーによって、EF OUTからエクスポーネンシャルのディケイ・エンベロープが得られますので、スイッチがディケイタイムを調整する場合にも便利です。

⑤. | EF IN | は、EF IN信号の絶対値を出力しています。これは全波整流器(full wave rectifier)とも呼ばれています。この回路はEF IN信号の負電圧の振幅を反転させ、音量の強弱を検出するための正電圧のみを出力します。この出力はオクターバー効果を得るためにも使用できますが、Dynamoモジュールの他のアプリケーションでもとても便利な信号になります。

⑥. コンパレータセクションには3つのコネクタとThresholdノブがあります。 コンパレータは2つの電圧をを比較して一方の電圧が他方よりも大きい場合に、HIGHゲート信号を出力するデバイスです。 Dynamoの場合、コンパレータINの電圧が、コンパレータTHRESHOLDより大きい時にHIGHゲート信号を出力します。 THRESHOLD電圧は、Thresholdノブの位置とコンパレータのTHR入力の電圧の合計になります。 EF OUTはコンパレータINと内部で接続されているため、このセクションではEF回路からゲート信号を抽出できます。

⑦. Compressor CV カーブジェネレータは、Dynamoの最もユニークな機能です。 このセクションは、コンプレッサーを作成するために、VCAモジュールで利用されるべき正しいCV信号を生成します。 (*コンプレッサー= コンプレッサーの入力の信号音量がスレッショルド値に達すると、入力信号の音量の上昇に対して特定の比率で出力が減衰するダイナミクスエフェクト) DynamoのCompressor CV カーブジェネレータは、コンパレータと同じスレッショルド値を使用しており、EF OUT信号がスレッショルド電圧に達すると、すぐに負の電圧を出力し始めます。この負電圧はEF OUTから得られる曲線なので、信号の音量に比例しています。 負のCV出力が検知されるとパネル上のLEDが点灯します。 CVがマイナス・負電圧になればなるほどLEDは明るく点灯します。 このCVをVCAのCV入力にルーティングされている場合、CV入力のアテネーション・コントロールは、コンプレッションのRATIOを設定することができます。 VCAはリニアであることが望ましく、オフセットとアッテネータの両方のノブがあり、減衰するだけでなく信号を増幅できることが望ましいです。 このコンプレッサー構造の興味深い部分は、VCA CVインプットのアッテネーションによって「マイナス・レシオ」も作成できることです。 ほとんどのコンプレッサーはリミッター設定の状態で停止します。もちろんVCAで処理されるシグナルは、Dynamoによって分析されているシグナルと同じである必要はありません。このオープンアーキテクチャにより、あらゆる種類のサイドチェイン・コンプレッションの可能性を試すことができます。コンプレッサーのアタックとリリースを正確に定義したい場合は、スルーリミッターを通してCompressor CVを実行してください。 これは一般的なCVソースであるため、あらゆる種類のサウンドモジュールから「コンプレッサー」を作成できます。 あらゆる種類のVCA(チューブ、バクトロル、OTA、SSM、ディスクリートなど・・)、フィルター、ディストーション、BBDディレイ、ダウンサンプラー などなど! 「コンプレッサー」の意味をぜひ再定義してみてください!

上のビデオでは、BASTL INSTRUMENTSのTEA KICK(VCO)→SKIS(Decay/VCA)で作ったキックドラム、NOISE SQUARE(VCO)のMETALIC出力→TROMSOでダウンサンプリング→SKIS(Decay/VCA)で作ったスネアドラムにコンプレッサーをかけています。キックとスネアはABCミキサーでまとめられて、DYNAMOEF IN(エンベロープフォロワー入力)に入力、EF INのマルチプル出力がQUATTRO FIGAROのシグナル入力に接続されています。DYNAMOのCOMPRESSOR CV端子からコンプレッションのためのCV信号が出力されるので、QUATTRO FIGAROのCV入力に接続します。これでコンプレッサーのためのパッチングは完成です。 操作ですが、まずはDYNAMOのTHRESHOLDノブを調整して、コンプレッサーのスレッショルド値を調整します。QUATTRO FIGAROのATTノブ(アテネーション)がコンプレッション・レシオになるので、かかり具合を調整できます。最大でコンプレッションが最大になり、最小では1:1となりコンプレッションはかかりません。スレッショルドとアッテネートノブの両方を使って適正なコンプレッションを作ってください。最終的なメイクアップゲインはQUATTRO FIGAROのGAINノブで設定します。

⑧. THR-EF端子は、コンパレータのスレッショルド電圧(スレッショルドノブ位置+ THR入力のCV)- EF OUTの信号を出力します。 この出力にはいくつかの用途があります。 これはCompressor CVに似た信号ですが、負電圧だけに限定されません。 つまり、「Compressor CV」の代わりに使用すると、スレッショルドポイント付近の(スレッショルド点より上の部分だけでなく)ダイナミクスカーブ全体を傾けることができます。 これにより、無音部分だけがミックスを通過できるようにする「エキスパンダー効果」や、その他多くの興味深い効果を設定できます。

⑨. Dynamoの電圧制御スイッチセクションは、どのコネクタが接続されているかを切り替えるためのGATE入力を備えた双方向アナログスイッチです。 HIGHゲート信号の時に、Bコネクタが「A or B」と接続され、LOWゲート信号時には、Aコネクターが「A or B」と接続されます。 全てのコネクター「A」,「B」と「A or B」は、バッファされてないため信号は両方向に流れます。 コネクタAの信号は反転されて、コネクタBにノーマライズされるので、コネクタAのみを入力として使用し、「A or B」を出力として使用すると、ゲート制御が可能なインバータになります。 ゲート入力には表示LEDがあります。 デフォルトでは、コンパレータのOUTはスイッチのGATE入力にノーマライズされているため、GATE入力に何も差し込まれていない場合、LEDはコンパレータの出力を表示します。

 

About fake thru zero modulation

DYNAMOはダイナミクス・アナライザーである旨はすでに説明しましたが、それを活用する一つの方法として「フェイク・スルー・ゼロ・モジュレーション」について解説します。 スルーゼロ・モジュレーションの主なトリックの一つは、変調信号の負の部分が無視されないことです。これにより、よりディープなモジュレーションを可能にすることができます。ここでは、スルーゼロ・オシレーター(負の変調範囲で発振を停止しない)について説明していますが、スルーゼロVCA(またはバイポーラVCA、バランスモジュレーター、リングモジュレーター)にも活用できます。「フェイク・スルー・ゼロ・モジュレーション」は、オシレーター、VCA(またはFilterなど)を使用して、「thru zero」でない状態と「thru zero」が有効になるようにすることです。 BASTL DYNAMOを使用する場合には、使用しているモジュレート信号が決して負(ネガティブ)にならないようにできます。 それは「EF IN」に入力し、全波整流信号である「| EF IN |」から出力を得ることで達成されます。そしてその信号をVCO、VCAなどのCV入力にパッチします。元の信号のコピーは「EF IN」のマルチプル端子から「コンパレータIN」にパッチして、Thresholdノブを中心位置付近から調整していくとと、信号が実際に負になるポジションを見つけることができるでしょう。 コンパレーター出力は、信号が「負の状態」の時に「HIGHゲート信号を出力」します。そしてこのHIGHゲート信号は、ボルテージ制御スイッチ・セクションの、GATE入力にノーマライズ(内部接続)されています。 これでスイッチセクションにおいて、モジュレーションの負(ネガティブ)の領域で起こっていることを明確にすることができます!デフォルトでは、コネクタAの信号は反転されてコネクタBにノーマライズされています。 つまり、「スルーでないVCA」から「スルーゼロVCA」を作成する場合は、そのVCAの出力をAコネクタに差し込んで、「A or Bジャック」からの出力をモニターすれば良いということになります。モジュレート信号が負になると、信号は反転します。これが正に「バイポーラVCA」の働きとなります。 別の例としては、VCOを変調している場合、変調の負の部分で波形を反転させることができます。さらに面白いことに、VCOの別の波形を利用して、Bコネクタのノーマライズを無効にすることができます。これによって、例えばモジュレーションの正の部分のVCOは正弦波で、負の部分では鋸歯状波になるようなトリックをクリエイトできます。さらに言えば、「スルーゼロフィルター」を作ってモジュレーションの正の部分でローパスフィルター、負の部分ではハイパスフィルターになるパッチを作り出すなど、様々なパッチングに応用することができます。

つまり、「フェイク・スルー・ゼロ」パッチの構築方法は次のとおりです。 1、モジュレーティング信号を【EF IN】へ 2、【| EF IN |】出力を変調されるモジュールのモジュレーション入力にパッチ 3、【EF IN】のマルチプル出力を【コンパレータIN】にパッチ 4、【Thresholdノブを中央位置に設定 5、スイッチの【Aコネクタ】を変調されるモジュールの出力とパッチ 6、(オプション)他の信号をスイッチの【Bコネクタ】にパッチ 7、最終的な出力は、スイッチセクションの【A or B】端子から得られます まだ終わりではありません!【Thresholdノブ】の中心位置を覚えていますか? どちら側が正(ポジティブ)で、どちらが負(ネガティブ)の変調信号でしょうか? 今度はポジティブかネガティブは忘れて、好きな場所に「ゼロクロス」ポイントを置くことができ、CVでそのスレッショルドを動かすことができます! ...オーディオレートで!

Features

■ パッシブにマルチプル接続された2つのエンベロープフォロワー端子 ■ 反転および非反転が用意されたエンベロープフォロワー出力 ■ 全波整流出力の| EF IN |アウト端子 ■ LEDで視覚的に確認可能なコンプレッサーCV出力(エンベロープがスレッショルドよりも大きい場合は負電圧のみ) ■ THR-EF出力はコンプレッサーのCVと似ていますが、正の電圧になる可能性があります - コンプレッサーのダイナミクス曲線全体を傾けます(スレッショルド値を超える部分だけではありません)。 ■ 選択可能なエンベロープフォロワーのリリースタイム (Short, Mid, Long) ■ エンベロープフォロワーの出力はコンパレータ入力にノーマライズ(内部接続)されています ■ Thresholdつまみ、Threshold CV、入出力のあるコンパレーター ■ コンパレーターの出力はボルテージ制御スイッチのGATEに内部接続ノーマライズされています ■ ボルテージ制御スイッチは双方向(バッファなし)のAまたはBスイッチ ■ ボルテージ制御スイッチのスレッショルド値は約1.5V ■ ハイゲートの場合、B端子の信号は、AorB端子に接続されます(それ以外の場合はA端子です) ■ 信号Aは反転され、信号Bにノーマライズされます(バイポーラVCAのエミュレーション、または他の波形整形を簡単に実現するため) ■ 5HP サイズ ■ 10pin パワーコネクター ■ 35mm 奥行き ■ 消費電力: +12V: <30mA, -12V: <35 mA

 

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