あなたのお悩み解決します。ZOIA駆け込み寺”ステップフェイザー編”
10/06

あなたのお悩み解決します。ZOIA駆け込み寺”ステップフェイザー編”
Empress Effectsによるモジュラーペダルシステム、ZOIA<。80以上のモジュールを内部で配置、自由にパッチングしていくことで「マルチエフェクター」「モジュラーシンセサイザー」「インストゥルメント」「ユーティリティツール」などを自分だけのスタイルで構築。想像力の限り無限の可能性をもつ新世代のミュージックガジェットです。
ZOIAは無限の可能性を持っていますが、そのあまりの自由さに面食らってしまう方も中にはいらっしゃるかもしれません。またこういうエフェクトが作りたい!とイメージできても、具体的にどのモジュールをどうパッチングすればいいのかわからないことも。
そんなお悩みをアンブレラカンパニーが解決する、ZOIA駆け込み寺シリーズ。
今回はステップフェイザーをZOIAで再現するご質問があったので、ご紹介します。
Q. BOSS PH-3のようなステップフェイザーをZOIAで再現できますか?以前Sample&Holdモジュールを使う方法でアドバイスを頂き、試したところ動いたのですが思うように上手くいきません。
【思うようにいかなかった点】
・ フェイザーの変化が大味になってしまった(テトリスみたいな階段状にしたかったのですが、 ザックリと0か1、みたいな感じになってしまいました。 )
・ フェイザーの変化がテンポに同期しない
A. sample & hold を使った結果、ザックリと0か1か、みたいな変化になってしまったとすると、cv input とtrigger の関係性があまりよろしくない状態かと推測します。
PH-3のようなステップフェイザーを再現したければ、ランダムステップ状のCVを作り、このCVでフェイザーをコントロールします。 フェイザーはモジュールのエディット画面でcontrol:cv direct モードに変更しておきます。
ランダムステップ状のCVの作り方ですが、
・sample & holdモジュール
・randomモジュール
・LFOモジュール
を用意し、sample & holdのcv inputにrandomモジュールの出力、triggerにLFOの出力を繋ぎます。randomモジュールの不規則に変化する波形をLFO のトリガーによりsample & holdする事でLFOに同期したステップ波形が得られます。
これをフェイザーのCVとして使用すればPH-3のようなランダムなステップ状で変化するフェイザーが作れます。
参考: ZOIA大学 Sample & Hold編
https://umbrella-company.jp/contents/empress-zoia-college-sample-and-hold/
もう一つ、タップテンポで曲とテンポを合わせたいという事ですのでこれを実現する方法を考えてみます。
最近、コントロールモジュールに tap to cvというモジュールが追加されたので試してみましたが、LFOのスピードを操作したい今回の用途ではやりたい事とマッチしませんでした。
違う方法を考えます。LFOを操作するのではなく、タップ入力からタイミング波形を作る方法を試します。コントロールモジュールの中のclock dividerを使います。clock dividerはタップ入力から継続するタイミングクロック波形を生成するモジュールです。stompswitchモジュールを用意しclock dividerのinputに入力します。
stompswitchモジュールに割り当てたフットスイッチを踏むと、そのタイミングで変化するクロック波形がスタートします。つまり、タップ入力をきっかけに、それに同期したクロックを生成している事になります。このクロック波形をsample & holdのtriggerに使えば、タップテンポ入力に同期したステップフェイザーが完成です。
clock dividerは最近また進化して使いやすくなっています。分数の分子/分母を設定できるようになり、タップ入力の何倍にするか、何分の1にするか簡単に設定できます。例えば、4分音符でタップ入力し、1/2に設定すれば8分音符のタイミングでクロック波形が得られます。3/4にすれば、難しい付点8分のクロックも簡単に生成できます。
ディレイなどのタップテンポ入力にもぜひ使ってみてください。
と、ほんの今回は一例ですが、ランダムステップフェイザーこの様に回答させていただきます。
ZOIAについてのご質問は、アンブレラカンパニーまでお問い合わせがあったものを順次お答えしていきたいと考えております。
「こんな事がやりたい」「こんな方法を試したがうまく行かなかった」「こういうエフェクト/ツールは作れる?」というように具体的にお知らせいただけると、スピード解決も可能です。複雑、難解なご質問には時間がかかるかもしれません、気長にお待ちいただければと思います。
なお、いただいたご質問ならびにご回答は他のZOIAユーザー様のためにこちらのBUZZのコンテンツとしてご紹介させていただきますので予めご了承くださいませ。
無限の可能性を持つZOIAの世界を探検する道標になれれば幸いです。次回の”ZOIA駆け込み寺”もお楽しみに!
・アンブレラカンパニーへのお問い合わせ、ZOIAの質問は
info@umbrella-company.jp
までお気軽にどうぞ!
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