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前回の記事では、Empress Effectsのモジュラー・ペダル・システム”ZOIA"でモジュールからディレイエフェクトを構築し、オリジナルエフェクターを設計する方法を紹介しましたが、今回は少しだけシンセサイザーの領域に入ろうと思います。 ZOIAにはシンセサイザーを構築するモジュールが数多く搭載されており(むしろ単純なエフェクトモジュールより多い!)、それらを組み合わせることでオリジナルのミュージック・インストゥルメントを設計することもできます。
しかし一口にシンセサイザーと言っても、よく分からないよ~という方も多いと思います。白鍵と黒鍵のキーボードを見ると拒否反応を起こしてしまう人もいるのでは?私はそうです。 そんなシンセサイザー初心者に一度遊んでほしいのが、ZOIAの「シーケンサー」というモジュール。シーケンサーとは小節数を設定して、それぞれの小節に音をパズルのように配置すればそれらが自動演奏されループトラックになっちゃう楽しい楽器なのですが、ZOIAにも搭載されています。シンセサイザーに関する知識がまったく無くても大丈夫!今回はこのシーケンサーを1から構築して、音をのせてループトラックをつくる方法を解説します。
今回はこちらの動画で紹介されている方法に沿って解説をしていきます。粘土モンスターが可愛い。
・ control moduleからsequencer moduleを選択し、シーケンサーモジュールを配置。number of tracksは1、number of stepsは8を選択。 -number of tracksはシーケンサーのトラック数、number of stepsはシーケンサーの小節数です。今回はわかりやすくするためトラック数は1、小節数は8に設定します。
・control moduleからLFOを配置。 -LFO (low frequency oscillator)はシンセサイザーにおいて様々なパラメーターを変調させる役割がありますが、今回はシーケンサーを走らせるために使用します。 ・lfo outとsequencer gate inを接続。 -これでシーケンサーが走り出しました!まだシーケンサーに音がないので、追加していきましょう。
・audio moduleからoscillatorを選択し、オシレーターモジュールを配置。 オシレーターモジュールをシーケンサーのサウンドソースとして使用します。配置時にオシレーターの波形をSINE(正弦波)、SQUARE(矩形波)、TRIANGLE(三角波)、SAWTOOTH(ノコギリ波)の4つから選べます。トーンが変わるので色々試してみて下さい。 ・sequencer moduleのsequencer outとoscillator moduleのoscillator frequencyを接続。 ・interface moduleからaudio output moduleを配置。 ・oscillator moduleのoscillator audio outputとaudio outputを接続。 -オシレーターの準備ができました!シーケンサーのそれぞれの小節にノートを設定していきましょう。
設定したいステップのボタンを押して、クリックホイールを回してノートを選択していきます。
シーケンサーの間のステップに無音のステップを作ってリズムに起伏を作ってみましょう。 ここではVCA(Voltage Controlled Amp)モジュールが役立ちます。 ・oscillator moduleのaudio outとペダルのaudio outの接続を解除。 ・audio moduleからvcaモジュールを配置。 ・oscillator audio outからvca audio inに接続し、その後vca audio outからペダルのaudio outへ接続。 ・sequencer outとvca levelを接続。 -出したくないステップはクリックホイールを左に回してA0にしましょう。これでVCAが必要ない音をフィルターして、スタッカートのパターンを再生できるようになりました! lfo moduleのCV controlでシーケンサーのスピードを調整することが出来ます。クリックホイールを押すと、msやBPMでの表示もできます。これでスタンダードなシーケンサーが構築できました!
今回は最もスタンダードな形で構築しましたが、ZOIAは想像する限り無限大に広がっていきます。例えば・・・ ・小節数の違うシーケンサーを複数配置してマルチトラックシーケンス! ・波形の違う複数のオシレーターを、同時に一つのシーケンサーのサウンドソースとして使用してより複雑なトーンへ! ・vca audio outからエフェクトモジュールへ接続してシーケンサーにエフェクトをかける! ・違うページに別のaudio in/outを置けばシーケンスに合わせてギターを弾くことも! みなさんもぜひZOIAで様々な可能性を試してみてくださいね。面白い/カッコいいパッチが出来たらぜひシェアして下さい!Empress Effects ZOIAは「モジュラー・ペダル・システム」です。 ZOIAでできることをシンプルに3つあげると、以下のようになります。 1、マルチ・エフェクター 2、モジュラー・シンセサイザー 3、自分だけのエフェクターやインストゥルメンツを「デザイン」1、マルチ・エフェクター
ZOIAにはEmpress Effectsの高品位なサウンドとファンクションが再現された多数の完成されたエフェクターが内蔵されています。歪みからEQ、モジュレーション、リバーブ、ディレイ、キャビネットシミュレーターまで、ほぼ全てのエフェクタータイプが揃っています。2、モジュラーシンセサイザー
モジュラーシンセサイザーで一般的に使用されるほぼすべてのモジュールタイプが用意されています。ボタングリッド上に配置された、モジュール・パラメーターをパッチ接続していくことで、本格的なモジュラーシンセサイザーを演奏できます。シーケンスによるトラックを制作し、エフェクトをかけたギタープレイをミックスすることも可能です。エンベロープフィルターやピッチデテクターなどの解析モジュールも利用できます。3、エフェクターや楽器そのものをデザイン
エフェクターを構成しているモジュールを組み合わせて、自分だけのエフェクターをデザインすることも可能です。例えばLFOモジュールでVCAモジュールをコントロールして周期的な音量変化を作り出すことでトレモロが完成します。同様にリズムマシン、シーケンサー、ルーパーなどあらゆる要素を複合したマルチ・インストゥルメントを設計することも可能です。また、これらのモジュールやエフェクトは、ファームウェアの更新によって増えていきます。 さらに既に賑わっているZOIAのユーザーコミュニティによって、ユーザーが開発したパッチが多くシェアされているので、自分でモジュールを組み合わせてデザインしなくても、インターネットからダウンロードしたパッチを読み込ませるだけで、無限のサウンドスケープを入手することができます。
https://patchstorage.com/platform/ZOIA/